東京ミッドタウンまで行ったので、久しぶりにこのビルを見て来ました。建築学科の学生だった頃、いちばん好きな建築は?と聞かれたら、真っ先に名前をあげていたのがこのビルです。竹山聖+アモルフ設計の「OXY乃木坂」です。
解放された吹抜けのエントランスにガラスがはめ込まれようが、隣のビルと渡り廊下で繋がれようが、このコンクリート打放しの表情は相変わらずです。ポストモダン全盛期にあって、このファサードのデザインは明らかに異質であり、何か特別な価値のあるものに思えたのでした。沈黙のデザインの意味は、風化したコンクリートと共に徐々に明らかになりつつあるような気がします。
ぶっちゃけ、使い勝手が良いとは言えないんじゃないか?と想像したりします。それでもこの建築が存在する意味は、もっと他のところにちゃんと存在するわけです。それは、自分が学生の時に考えていたことです。それじゃあ今は何を考えているかというと、自分はそういう建築をつくりたいとは思わないということです。
でもね、今でもこの建築を見ると、やっぱりかっこいいなあと素直に思うわけです。自分の中で「つくりたいもの」と「つくるべきもの」との関係は、この先どのように変わって行くのか。とても興味があります。
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