グレン・グールドはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集録音は果たさなかったが幸いにして「第4番」・「第11番」・「第19番」~「第22番」・「第24番~第29番」の計12曲を除く残りの20作品を1956年から79年にかけて録音した。写真のCDはそれらをまとめたもので最後の「30番」~「第32番」は1956年のモノラル録音である。(SONY CLASSICAL/88725412862) 国内盤はLPで1982年12月限定盤で確か「第12番」と「第13番」を除く18曲を「グールド追悼メモリアル盤」として当時の「CBS・ソニー」から最初にリリースされたと思う。
これらの演奏を聴くと特に緩徐楽章を極端に遅く弾く彼の個性を改めて強烈に感じる。録音されなかった大曲の「第29番<ハンマークラヴィア」等どのようなアプローチを持って弾いたのか私個人として興味深かった人である。