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FMエア・チェック、オープン・テープ・コレクションから  

2009-08-30 11:39:29 | FMエア・チェック
 今日は「FMエア・チェック・オープン・テープ・コレクション」から巨匠カール・ベーム(1894~1981)が1971年5月14日ベルリン・フィル定期コンサートの指揮台に登場した時の貴重なライヴを紹介したいと思う。
 この放送は筆者の記録ノートによるとNHKFM、日曜日の午後「海外の音楽」の枠に中で同年10月10日に行われている。プログラムは演奏順にベートーヴェン交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」、モーツアルト交響曲第28番ハ長調K.200、最後にストラヴィンスキー舞踊組曲「火の鳥」(1919年版)である。ここで注目したい曲目はストラヴィンスキーの「火の鳥」である。おそらく彼がこの作品をコンサートで取り上げたのはこの時が初めてだったと推測される。レコディーングもこの当時としては行われておらず1975年3月のウィーン・フィルとの来日公演で3月17日・22日の東京公演(筆者は22日に会場NHKホールで聴いた)で演奏されこちらの方は「ベーム/ウィーン・フィル来日ライヴ1975」としてレコード・CD化もされた。
 今、改めてCD-R化を進めるにあたり再生してみるとこのベルリン・フィルの演奏では東京公演ウィーン・フィルより若干速めのテンポで指揮しているが基本的な解釈は変わりはないようである。筆者は1971年の放送時にベームが「火の鳥」を振ったということでちょっと驚いた記憶がある。ずれにせよ彼の数少ない貴重な録音記録の一つであろう。プログラムの最初を飾ったベートーヴェンの第6番は言うまでもなく第1楽章主題提示部の反復は省略しているがカラヤンとは対象的な演奏で特に第2楽章が彼らしいゆったりとした演奏で味わい深いものを感じさせる。ベーム、76歳の枯淡の境地にあるベートーヴェンで同年のレコード録音ウィーン・フィルとの名演と比較してみるのも面白い。