













第一期:大正11(1922)年~第三期:昭和8(1933)年築。 御堂筋側のゴシックスタイルの外観は、茶色のスクラッチタイルと白い花崗岩・テラコッタを使ったクッキー&クリームのように美味しそうな配色。 北西角には「水晶塔」と云われる鉱物結晶のような塔もそびえます。 心斎橋筋側の入口上には羽を広げた壮麗な孔雀の姿。 イソップ寓話をモチーフにした動物たちも建物内外に棲みついて訪問者達に視線を向けています。 「百貨店」という言葉の響きが持っていた憧れやトキメキを形にしたような煌びやかな内装は、6階までの大吹き抜けこそ無くなれど、洋画家・佐伯祐三がパリに渡るに際しチケットを求めにここを訪れた頃と何ら変わらない輝きを保っています。 ヴォーリズが弾けた珠玉の作品。 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 08年01月上旬他
※参考 『モダン・シティふたたび 1920年代の大阪へ』 1987
『approach』 1998春号 特集:慎ましさの中の豊かさ ―近江八幡のヴォーリズ建築 ※竹中
工務店の広報誌
『モダン心斎橋コレクション メトロポリスの時代と記憶』 2005
『大大阪モダン建築』 2007
『ヴォーリズ建築の100年 恵みの居場所をつくる』 2008
※おまけ 大丸の裏手の方向、東心斎橋にあるのがこの島之内教会。 中村鎮の設計によって昭和4(1929)年に建てられたものではないかと思うのですが、決め手となるような証拠を持っていません。 窓や出入り口などの開口部の取り方は、同じ天満教会にも似たような印象を受けるのですが、果たしてこれは古い建物なのでしょうか?



※追記 昭和3年築の建物として登録文化財に指定されました。
こちらが天満教会(昭和5年築)。 コンクリートブロック造りで有名な建物です。


中村鎮氏が設計したことは分かっていますが、私の手元には竣工時の写真がないために、何とも言えませんね。
でも見れば古い建物のようにも見えるし・・・・
開口部のフチのタイルの仕上げ方などは古い建物に思えましたが、
私の眼や勘などは当てにならないし、他の建築サイトにも載ってないので古くないのかも。
旧来の建物をイメージ復元したものか、若しくはまったく違う建物なのかも知れません(汗)。
大好物の古い建物が街中に溢れていて(←ちょっと大げさ)日が暮れるまで夢中になって歩いていました。
あれから多くの建物が失われた事に気が付くと、何だか夢から連れ戻されたような儚い気持ちになります。
フリッツ・ラングの『メトロポリス』は随分昔にビデオを借りて見た事があります。
サイレント映画でピアノの演奏がずっと流れていたように記憶していますが
物語の世界観やテーマが私好みでしたので、またもう一度見てみたいですね。
『ギャラリーフェイク』、これも大好きな漫画でした(笑)。
当時は分かりもしないのに絵画の本とかに目を通して知的な自分を装う事に酔っていましたっけね。
今となっては恥ずかしい想い出です…。
「事件」とは何ぞや?、と思い検索してみたら佐伯祐三の贋作事件というものが出てきましたよ。