旧ハッサム住宅

2010-10-27 20:05:05 | 京都・兵庫


 インド系英国人貿易商、J・K・ハッサムの自邸として明治35(1902)年に北野町2丁目に建設されたもの。 昭和36(1961)年に当時の所有者であった神戸回教寺院から神戸市が寄贈を受け、その2年後に現在地に移築されました。

 建物の設計はフランス北西部の都市カーン生まれの英国人A・N・ハンセル(1857~1940)と推定されています。 ハンセルは牧師であった父親に随ってイギリスに渡りそこで英国人建築家チャンピオン等の下で建築の修業を重ねたといわれ、明治21(1888)年にイギリス聖公会系の三一神学校教師として来日しました。 来日して間もなく建築測量事務所を開設し、明治24(1891)年には本拠を神戸に移して建築家としての活動を本格化させていく事になります。  兵庫県神戸市中央区中山手通5-3-1(相楽園内)  10年10月下旬

 ※参考『日本の美術 447 外国人建築家の系譜』  2003









 化粧煉瓦積みの煙突。


 ベランダ2階の柱にはアカンサスの柱頭飾り。


 玄関ホールを入ってすぐ左側の部屋は食堂になっています。


 黒い大理石の暖炉。




 雰囲気のある家具が設えてありました。




 食堂の奥にある配膳室。 奥に見える扉は地下室への入り口になっているみたい。






 玄関ホール正面にある2階への階段。 各所に凝った装飾が施されています。


 親柱は昇降部分の手摺りから45度傾けて設置。


 食堂と対になる部屋は応接室。


 こちらには白い大理石の暖炉。








 応接室の奥は居間。 ピアノはハッサム邸にあったものではありませんが、昭和初期に東京銀座の小野ピアノ製作所で作られたものを展示してあるそうです。


 照明に浮き上がる天井装飾の美しさ。


 居間の暖炉は木製ですが非常に手の込んだ細工がなされています。


 玄関ホール突き当りにあるトイレ。




 建物の裏にある別棟(?)の使用人室。








 ファンライトからの外光が玄関ホールを照らしだす。






 踊り場からの振り返り。


 2階へ到着。


 食堂の上の部屋はかつての寝室。


 居間にあった暖炉と同じものに見えます。




 惰眠を貪るにはもってこい。


 寝室に続く子供部屋からの見返り。


 子供部屋からは使用人室が見えています。




 浴室へのアーチ。




 年代物ですね。


 浴室の天井にも装飾がありました。




 東側の2室は資料展示室になっています。


 北側の部屋からは旧小寺家厩舎の特徴的な屋根が良く見えました。


 下を見てみれば附属の物置。


 南側の部屋の床面。


 ここを開ければバルコニー。








 

 バルコニーの中央にある照明吊りの装飾。








 阪神淡路大震災で落下した煙突がモニュメントとして前庭に飾られています。


 床下換気口のグリル。


 

 1・2階のバルコニーは現在は吹放ちになっていますが、移築前はガラス建具が嵌められていたそう。 日本の気候に合わない設計だった事がうかがえます。






 この日は菊花展が行われておりました。 


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