坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

壊れもの

2007年10月24日 | 坊主の家計簿
 10月24日

 外食  ラーメン       304円
 雑費  シップ        733円
     歯磨き粉       278円
 食類  無添加ワイン     438円
     味噌コンニャク     98円

 合計            1851円
 10月累計        79128円

 ジョゼ!!!!!
 と、思わず叫ぶ。
 まあ、毎度ながらワケ解らん話やろうけど、『ジョゼと虎と魚たち』を観れば解る。
 これを借りたのは非常に単純な理由で、近所のレンタル屋の『上野樹理コーナー』にあったから。別に上野樹理が主演でもないし、それ程ファンでもないので放ったらかしにしておいたのだが、そろそろ観るのも少なくなって来てやな。。。「まあ、エエか」で借りたのだが、無茶苦茶ヒットやな。池脇千鶴とか云う娘さんが素晴らしい。セリフも芝居もイマイチやけど、それを越える迫力がある。よって、別にファンにはならんけど、この映画での池脇千鶴は圧巻やな。

 ジョゼはお婆ちゃんに「壊れもの」と呼ばれる。
 ジョゼは壊れものだから『関係を欲する』。
 人が居てる、その事を『奇跡』みたいに感じる事が出来る。
 でも、ジョゼはワガママだ。
 だから、また、独りになる。

 心を許す事が出来る。だから『わがまま』になれる。
 その人の前では。

 専修学院出戻り別科時代に最初に竹中先生から云われた事。
 「まずはゆっくりと休みなさい」

 丁度、ジョゼみたいな女の人に振り回されてボロボロになってた。
 一方的に、好きで好きで、好きで好きで、どうしようもなかった。でも、片思いは破れる。
 仕事なんかやる気になれなかったし、辞めて、専修学院に逃げ込む。

 専修学院と云う坊さん養成道場と云うか、まあ、専修念仏道場の別科生の主な役目は下級生(?)の本科生の食事作り。勉強は2の次。っちゅうか、それが勉強なんだが。。。『場』作りやし。
 春に入学。当初は評判がエエ。「お前の料理は暖かいのぉ。。。」と、某アル中(?)先生にも褒められたし。
 で、段々と調子に乗る。
 料理はキライじゃないし、好きな方。アイデア満載なので、調子に乗って段々と変な料理を作り始める。標準語かどうか知らないが、かなり『あざとい』料理を作り始める。記号に囚われた料理を作り始める。
 「食べて貰いたい」が、趣味の料理作りになる。
 当然、『あざとい』し、『記号に囚われている』ので、「目指せ厚生省推薦1日30品目!」とか、「京野菜を使うぜ!」とか、そういう方向には向かうのだが、「食べて貰いたい」と云う気持ちが慢心しまくる。傲慢なあざとい料理。

 それは『おにぎり』に出る。
 同じ別科生で、調理が苦手なヤツが居た。でも、そいつの『おにぎり』は絶品だった。
 残った御飯に同じフリカケを混ぜこんで、同じ所から一緒に握るのだが、でも、自分が作った『おにぎり』よりも、どう考えてもそいつの作った『おにぎり』の方が美味しいのだ。
 当然、腹が立つのだが、毎週作るわけやし、エエ加減に「こら、アカンな」と。だって、私もそいつの作った『おにぎり』を食べたかったし。
 あれが、料理の基本なんだろうな。
 一流の料理人でも「料理は愛情!」とか云うのがよく解った。

 ジョゼは料理が上手い。いや、『美味い』かな?
 ジョゼはきっと最後まで彼氏と一緒に居れた事が嬉しかったに決まってる。と、思う。
 ジョゼの料理は『美味い』に決まってる。喰った事ないが。
 「あんた、眼を瞑って。真っ暗やろ。それがうちが居た所や」
 みたいなセリフがある。
 絶望。でも、そこでちゃんと生きている。でも、光を見て、絶望だったと知る。
 でも、それは奇跡。『有り難い』事。
 だから、ジョゼは生きて行く。

 誰だってジョゼではないのか?
 んなもん、どっか『壊れもの』に違いない。
 それが『個性』だろうに。
 ただ、器用に『合わせられる』のか、『合わせられない』のか、の違いだけ。
 世間に。

 しかし、無添加ワインは脳味噌直撃やのぉ。。。

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6 コメント

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今晩は (古豆)
2007-10-25 21:21:07
だいぶ前に出が紋さんからここを紹介されて以来、楽しんで愛読させて頂いております。
「最後の親鸞」という本を読み、果てまで歩いて行ってしまった親鸞に魅せられた一人です。今、梅原猛訳の歎異抄を読んでおります。
おにぎりの話が良かったのでついつい書き込んでしまいました。
あと飲み代の計上がすこし甘いように感じられるのですが如何でしょうか。
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Unknown (エロ坊主)
2007-10-26 01:25:39
 ようこそ、はじめまして。『楽しんで愛読』と云う言葉を非常嬉しく感じます。ありがとうございます。
 「最後の親鸞」は読んでませんが、吉本隆明はイイですね。といっても『共同幻想論』と、あと数冊ぐらいしか読んでませんが。最近では『ひきこもれ』と云うのにやられました。あれは人類必読の書です(笑)

 飲み代ですが、一番よく行くメインバーにはボトルキープしています。諸々の事情があって、10本まとめてキープしたのでしばらくは安いです。他に飲みに行く店もチャージがなかったり、あっても300円ですし、一杯600円程度ですし。しかも、一杯の量が多いですし。
 で、ベロンベロンに酔っぱらって、「確かナンボぐらいやったはず」なので、甘いです(笑)
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「最後の・・」 (古豆)
2007-10-26 22:25:33
思想家としての親鸞を捉えてるかと思いますが、現在の真宗から見てこの吉本版親鸞がどうなのかをお聞きしたいです。是非いつか・・
最近読んだものでは「自著を語る」。雑誌ロッキング・オンの渋谷陽一が出版。彼が聞き出し、吉本の本音が素直に語られていていい本でした。

飲み代、やっぱり過小申告^^
でも、こちらの(秋田)寺の後継ぎが京都の本山に修行?に行き、覚えてくるのは贅を尽くした飲食と遊び・・という世界とは違った生活のようなので安心です^^

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Unknown (エロ坊主)
2007-10-27 03:39:17
 いやぁ~、もっと色々な事を体験してきてはるかも知れませんよ。機会があれば是非聞いてみて下さい。当然、『お念仏』の教えを中心に。

 私は私なりの贅を尽くした遊びなんでしょうし、それは金額でいうと『一桁』違うのかも知れませんが、その分、経済が回ってますし。真宗坊主は『質素な生活』は全く関係ない存在ですし。

 吉本版親鸞ですが、問題は吉本氏が念仏申しているかどうかだけです。吉本氏が念仏申してたら、吉本氏が感じた親鸞に対して何を書こうがそれは全く問題ないと私は感じます。
 単なる『思想家』としての親鸞を捉えているのであれば、それは一生かかっても親鸞の事なんぞ全く解り得ません。
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Unknown (古豆)
2007-10-27 22:44:57
何故か今まで真宗とは縁が全くありませんでした。言葉が足りませんでしたが↑は他宗派。
いつか真宗のお坊さんからいろいろお話を聞きたいと思っております。

>問題は吉本氏が・・
なるほど。

お聞きしたいことは山ほどあります^^
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Unknown (エロ坊主)
2007-10-28 01:08:32
 あ、他宗でしたか。失礼しました。何となく「京都の本山」と聞くと無条件に同じ宗派だと考えてしまったのですが、冷静に考えると京都に本山って一杯ありますもんね。

 真宗教団と云っても色々とありまして、わが大谷派は『先生』と呼ばれる方々の中でも批判のしあい、議論が盛んでして(笑)ですから、私みたいな者でも僧侶としてやっていけるわけでして。
 ですから『一個人』の意見としてなら幾らでも聞いて下さい。難しい事は「解りません」と答えますし(笑)
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