坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

大きな喪中

2011年03月13日 | 坊主の家計簿
【2011年3月11日午後2時46分ごろ、宮城県沖を震源とする強い地震があった。宮城北部は震度7、東北と関東の広い地域で震度5弱以上の揺れを観測し、地震の規模は世界で過去5番目の大きさだとも言われている。

 傍観者ではなく、「いま当事者として何ができるか」を考えている人のヒントになる情報を伝えていきたい】 (http://japan.cnet.com/news/topics/35000418/?ref=rssより)



 当事者ってなんや?被災して居られる方々は『当事者』なんだろうが、こういう記事でもって『傍観者』と『当事者』を別け隔てる、っちゅうのは、何の事や?


 今日は、某所で一日中。ヒマだったので「少しだけ寝れるかな?」と思ったのだが、なんじゃかんじゃで仮眠なし。っちゅうか、休憩もほぼなし。
 法話もさせて頂く。昨日の投稿は今日の法話を想定しつつ。それが私の仕事だし。


 阪神大震災を取材した某作家がレンタルビデオ屋について話して居られた。阪神大震災の時に返却日の心配をして居られた方がおられたそうな。事実、昨日、某大手レンタル屋のホームページを見ると、問い合わせの電話やメールでパンク状態だったらしい。どういう内容なのかは解らないが、「すいません。。。今日、返却日なんですけど、今日、返却出来そうにないんですわ」なんぞという電話&メールもあったのでは?と。
 某作家は、そこに、「人間の生活のたくましさ」みたいなものを感じたらしい。
 
 きっと、『答え』的ならば、「そうしたらあなたはそのレンタル屋に電話なりメールをして、『震災でお困りの方は返却日が遅れても延長料金を取りません』というのをホームページに掲載するべきではないのか?という意思表示をするのが当事者ではないのか?」なんぞと言われるかも知れない。
 この『知れない』というのは、当然、私の想像である。
 んが、まあ、諸々考えて辞める。

 その某大手レンタル屋の支店のツイッターが不謹慎発言をしたらしい。

 http://www.terrafor.net/news_dUyBOIhScs.html

 一応、貼っておくが、そのツイッターも見たが、事実かどうかは解らない。
 もっと、いうと、事実かどうかは私の仕事にとっては余り関係ない。
 その事が事実であろうが、事実でなかろうが、その事に対して、『非常識』だの『不謹慎』だのというツイートは多く見た。

 え~。。。戦争中か?
 ツイッターには、昭和天皇の自粛ムードについて愚痴ってたのだが。その他、昨日から多く、ボットというのか?安田先生の言葉とか、真宗カレンダーなんぞに紹介された言葉を私は読ませて頂いているのだが、「ボットも控えるべきだ!」なんぞと。「プライベートな書き込みは控えるべきだ!」なんぞと。反骨精神溢れる人達はそれに対抗していて、結構面白く、私も不謹慎な事を書き込んだりしたのだが、まあ、面倒なので、そのまま張付けるが

【「不謹慎なツイートは控えるべきだ!」っていうリツイートがやたらと多いのだが、昭和天皇が死んだ時の自粛ムードじゃあるまいに。大きなお世話ではないのか?情報量の制限ならば、リツイートしまくるのは、大切な情報だけでエエのであって、「不謹慎なツイートは控えるべきだ」は、個人の意見だ。】

 である。

 しかし、こういう「不謹慎なツイートは控えるべきだ!」は優しさである事を知っている。優しいんだ。優しいし、優しくなりたい。優しくあろうとする。そして興奮して、「不謹慎だ!」になる。
 
 多分、戦争中もこういう感じではなかったのではないかと。
 私も先輩が「新幹線が今日から禁煙になりました」なんぞという書き込みを見て、「不謹慎だ!」と思ってしまったわけだし。私が『優しい』『真面目』かは別にして、『優しくなろうとしたい』『真面目になろうとしたい』という思いが、先輩の呟きに対して違和感を感じてしまい「不謹慎な」等と感じてしまったわけだ。
 「今はそんな場合ではないだろう」である。そういうムードである。そういうムードが私を支配しているわけである。
 
 きっと、戦争中にチャラついた人の言葉に対して「貴様はそれでも日本国民か!同胞が戦地で我々の為に血を流している中で、どうしてそんな事が言える!」も似た様なムードであったのではなかろうかと。

 そういう真面目さ&優しさは大好きである。
 葬儀の場面でよく見られる事だし。
 それぞれ、何かしらの後悔があって、だから優しくなろうとして、真面目になろうとして、いたりする。

 大震災は、大きな葬儀でもある。『犠牲者』と呼ばれる、それぞれの方々。大きな『喪中』である。だから「不謹慎な」は当然である。人情である、優しさである。でも、その優しさが『優しくなれない人』『優しさをおチャラケで表現する人』を排除している。
 心傷ついて居られる。本当に心配しておられるが故に、「傍観者ではなく、当事者として」だったりするのだろう。悲嘆の底に居られるのだろう。本当に、素晴らしい才能である。
 でも、その才能が欠落した人も居ている。

 遠藤周作の『海と毒薬』。痛む事が出来ない。

 『海と毒薬』の主人公の医師をその後、遠藤周作は様々な小説に登場させている。新宿の闇医者。闇堕胎や、ヤクザの治療をする医者として。

 今回の地震の被災者に対して『傍観者ではなく、当事者として』と関わる事が出来るような素晴らしい能力をもって居られる方々は、出来れば、そういう能力を持っていない私みたいな人間に対する優しさも持ち合わせて頂けると、有り難い。どうか、見捨てないで頂きたい。排除しないで頂きたい。

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