坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

ギラギラ

2011年02月03日 | 坊主の家計簿
 昨日の深夜、再放送で『ギラギラ』(http://giragira.asahi.co.jp/)というドラマをやってたので、ついつい観てしまう。

 ホストのドラマ。『ホスト』という水商売が舞台なのも気に入ったけど、主人公のホストが「リストラされたサラリーマン」という設定がツボにハマった。

 元『伝説のホスト』。でも、結婚する条件の中で「ホストを辞める事」という事があったので、お水の世界から足を洗って10年。保険会社に勤めながら真面目に働いていたのだが、リストラ対象に。原作の漫画では31才、ドラマでは36才やったかな?職業安定所に行ったり就職雑誌を読んで面接に行っても仕事が決まらない。でも、幼い子どもも居る。仲良しの親子3人。「この幸せを守るためには何だってする」と、足を洗ったはずの水商売の道へ。

 ホストの面接、厳密にはホストクラブのウェイターの面接には行った事がある。最初に京都に住んでた時だったから18才ぐらいかな?祇園にあるホストクラブ。当時働いていた西陣の工場の時給が500円ぐらいだったのに、ホストクラブのウェイターは時給が1000円ぐらいだった。なので純粋に時給に吊られて行ったのと、水商売には興味があったので。まあ、その後、自分で飲み屋をやるくらいなので。
 面接を受けてたら、奥から、というか、階段を下りてだったかな?まあ、とにかく『中条きよし』みたいなオッサンが出て来て、高そうなスーツと『大人の色気』満載の中条きよしみたいなオッサンが出て来て、思わずひく。「無理や。。。この世界は無理や」と。
 なので、私の印象では『ホスト=オッサン』っちゅうイメージがあったんだが、若いのね。水商売をしててホストに会う事も多かったけど、確かに若いホストも多かったけど、「新米」みたいなイメージがあったんだが、若いのが圧倒的なのね。
 
 ホスト=年配のイメージは、やっぱし、『大人の色気』やし。水商売は接客業なので、接客のテクニックなんぞの経験が必要な事やし。20のガキなんぞは、18からホストやっててもまだ2年やし。2年っちゅうたら新米やし。ホステスでも「若くてキレイ」だけなら、接客に金を払う意味がないと思ったりもするのだが。まあ、好みなんだろうが。

 で、主人公のホストは、原作漫画では31才、ドラマでは36才。これは私が思っているホストの年齢に近いんだが、『ギラギラ』の中では見事に年寄り扱い。
 でも、これまたホステスの話なんだが、っちゅうか、ホステスが居てる店には滅多に行かない、っちゅうか、過去に10回も行ってないと思うのだが、それでも、まあ、42のオッサンからすると20ぐらいの娘さんよりも、30代、40代の方がエエと思ったりするのだが。金を払うなら。まあ、自腹きってホステスの居てる店に行く事はないだろうが。金もないし。

 あ、その主人公の出戻りホストが、辞める前は『伝説のホスト』だった、ナンバーワンのホストだった主人公が家族を守るためになら「なんだってやる」と、自分が捨てたはずのホストの道へ復帰する。
 
 この「なんだってやる」という、家族を守る為には何の仕事だってやる、というのが非常にツボにハマった。ドラマでは結局ノルマをギリギリ果たせたのでやらなかったが、ノルマ(指名客)が来る直前までは「土下座してドンペリを頭からかぶれ」をやろうとしてた。それをしたら、ノルマの話はなくなり、せっかく働く事が出来た仕事(ホスト)を辞めずに済むから。
 ええシーンやった。泣きそうになった。

 私にも主人公と同じく幼い子ども、っちゅうか、乳児がいて、ママもいる。親子3人の生活がある。寺の住職といっても生活がある。家賃は寺に住まわせて頂いているので要らないが、光熱費も必要だし、食費もいる。その他諸々のお金もいる。
 主人公と違うのは、私の場合、家族だけでなく、「寺」があるという事。

 主人公の言葉で「癒しがなければホストはゴミだ」みたいな言葉があった。客を『金』としか見れないのであれば、ホスト失格という哲学である。
 これを私に置き換えると、「教えを伝えなければ、住職はカスだ」なんだろう。大阪では『ゴミ=カス』やし。
 なんだが、なら、私はカスだ。当然、煩悩が「いや、そこそこやってるやん」なんぞというが。けど、非常に幸いな事に、私は真宗寺院の住職である。だから、なんとかやっていけている。


【「聞いて下され。たとえ転びのポウロでも告悔を聴問する力を持たれようなら、罪の許しば与えて下され」
(裁くのは人ではないのに……そして私たちの弱さを一番知っているのは主だけなのに)と彼は黙って考えた。
「わたしはパードレを売り申した。踏絵にも足かけ申した」キチジローのあの泣くような声が続いて、 「この世にはなぁ、弱か者と強か者のござります。強か者はどげん責苦にもめげず、ハライソに参れましょうが、俺のように生まれつき弱か者は踏絵ば踏めよと役人の責苦を受ければ……」
 その踏絵に私も足をかけた。あの時、この足は凹んだあの人の顔の上にあった。 私が幾百回となく思い出した顔の上に。山中で、放浪の時、牢舎でそれを考えださぬことのなかった顔の上に。 人間が生きている限り、善く美しいものの顔の上に。そして生涯愛そうと思った者の顔の上に。 その顔は今、踏絵の木の中で摩滅し凹み、哀しそうな眼をしてこちらを向いている。(踏むがいい)と哀しそうな眼差しは私に言った。
(踏むがいい。お前の足は今、痛いだろう。今日まで私の顔を踏んだ人間たちと同じように痛むだろう。だがその足の痛さだけでもう充分だ。 私はお前たちのその痛さと苦しみをわかちあう。そのために私はいるのだから) 】(遠藤周作『沈黙』より)

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4 コメント

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Unknown (ぐりん)
2011-02-04 10:58:45
「人はパンのみに生きるにあらず」…
思いっきりパンのみに生きております。それも最上・極上・至上のパンに憧れて。人の美味しそうなパンを横目で見、スキあらば掠め取る勢いで…
煩悩満載積載オーバー…エンストしているのにもかかわらず、まだまだうず高く積んでおります。

踏み絵、踏む前から踏んでおります。
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ぐりんさんへ (エロ坊主)
2011-02-07 01:51:07
 今月は区の仏教会から配布の箱ティッシュを配っているのですが、思いっきり「少欲知足」と書いてあります。昔に横山やすしがティッシュペーパーについてボロクソに言ってました。曰く「ハンカチで鼻かんだら洗ってなんべんでも使えるやんけ!」と。横山やすしにとってティッシュペーパーは「勿体ない」の象徴だったみたいです。なので、もし、この箱ティッシュを横山やすしの所に配ったりすると。。。(笑)
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Unknown (ぐりん)
2011-02-07 17:11:44
「にーちゃん、エエ根性しとるのお、変わりベンタン変わりベンタンハンケチあろて、使こたらええだけとちゃうんか、アホ!ボケ!カス!、怒るでしかし」と、おっしゃるのではないかと思います。
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Unknown (エロ坊主)
2011-02-09 04:49:42
しまった。。。リアル『やすきよ』世代でしたね(笑)
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