坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

非常に残念な発想

2011年04月30日 | 坊主の家計簿
 寺の通信完成。
 明日は学習会で外出だし、え~。。。他にもやらんとアカン事があってでんなぁ。。。明日の仕事はヒマなので今晩(深夜なんだが)に作らんとどうしようもなかったので、一気に制作。

 で、ホッコリしつつ、上がったテンションのクールダウン。

 橋下知事の脱原発の続き。


【「非常に残念な発想」 橋下府知事「脱原発を」 立地市町が反発
 
 大阪府の橋下徹知事が記者会見で、関西に電力を供給する原発の新設中止などに取り組むとした発言に対し、県内の原発立地市町から28日、反発の声が相次いで上がった。

 敦賀市の河瀬一治市長は「福井県内の原発から、関西で使用する電気の6割弱を送っている。(県内で発電した)電気を使っていて、そういう発想にしかならないのは非常に残念」と話した。美浜町の山口治太郎町長は「報道で見る限り」としながらも、「福島第一原発の事故が起き、一番心配しているのは原発のある自治体。(原発から)一番離れた電力消費地の知事が『何を言うとんのや』という思いだ」と批判した。】(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20110428-OYT8T01217.htm?from=tw

 
 昼間に見つけた記事なんだが、この記事に関して、原発の町に対して「やっぱり金か」なんぞという人が居てて、ブチキレる。んが、少々忙しいのでコメントを返す事は出来なかったのだが。

 この美浜町の町長のコメント

【「福島第一原発の事故が起き、一番心配しているのは原発のある自治体。(原発から)一番離れた電力消費地の知事が『何を言うとんのや』という思いだ」と批判した。】

 というのは、もっともだ。

 これは以前に大谷派でも有名な反原発僧侶、まあ、反原発だけでなく色んな運動に取り組んでいる先輩僧侶から聞いた言葉なんだが、その先輩が

「ほら、寿司屋に行って板前さんが魚を殺してたら「板前さん、殺生だけ」なんていうやん」

 等と、原発に全く関係のない話なんだが、言っておられた。穢れの話かな?被差別の話に関してやったかも知れん。の現場でんな。
 なんか、その話を思い出す。
 今まで散々、まあ、橋下知事以前の話でもあるのだが、それでも、『穢れ』を他所に押し付けておいて、流れが変わったら、気分が変わったら、「原発、なんとかなりまへんか?」っちゅうのはなぁ。。。

 当然、なんとかしたいのだ。しかし、そこには歴史がある。人の生活がある。その人の生活の犠牲の上でグリコの看板を灯しておきながらの発言には気をつけた方がエエと思うのだが。
 
 これは八ッ場ダムの前原と同じミスだ。八ッ場ダムの人達だって苦渋の選択の中での決断だったのだ。それを「え~。。。政権が代わりまして、うちの公約ですので」なんぞというので生身の人間の感情が納得出来るわけがない。理屈じゃないのだ。正義じゃないのだ。いや、この場合の『正義』を疑うべきなのだ。
 この場合の『正義』は机上の論理である。生身の生活者の論理を無視しての正義である。それを『正義』と呼ぶ事が間違っている。

 まあ、橋下知事が本気で脱原発路線を歩むとは1ミリも思っていないが、だからこそ、尚更である。

【「福島第一原発の事故が起き、一番心配しているのは原発のある自治体。(原発から)一番離れた電力消費地の知事が『何を言うとんのや』という思いだ」と批判した。】

 である。
 
 これは当然、美浜町だけでなく、福島第一原発や、その他の原発周辺の市町村にも言える事だろう。
 反原発、脱原発をいうのは簡単である。その市町村内ならば話は別だろうが、美浜でなく大阪でなら簡単である。福島でなく、東京でなら簡単である。
 だが、苦渋の選択でもって判断した方々に対する尊敬なくして、何が反原発なんか?何が脱原発なのか?

 ホンマかどうか知らんが、原発で暖められた水を使っての温水プールがあると聞く。そして、その水の安全性を示す為に地元の子ども達を温水プールに入れたりするという話も聞く。当然、ホンマかどうかは知らない。運動家だって政治で嘘をつく。いや、人間だから利害でもって嘘を付く。
 だが、その温水プールには私は入った事がないし、大阪の小中学校で入ったという話も聞かない。原発の地元の市町村の話なんだろう。

 原発の安全性が机上の論理ならば、橋下知事の脱原発も机上の論理である。

 ちゃうやろ。生活者の苦悩やろ。今回の原発事故でビビったのならば、正直に「怖いねん」と言えばイイのではないのか?だったら、その「怖さ」でもって連帯出来るのではないのか?「ごめんね、今まで散々怖さを押し付けてて」なんぞと。
 それでないと、風俗に行ったオッサンが「君はこんな仕事をしていて恥ずかしいと思わないのか?あなたの親はどう思っているのか?」なんぞと言うのと同じやろ。「何を言うとんのや」である。

 仕事は欲しいし。他に仕事がなければ危険な仕事だってする。その仕事が『正しい』だとか『間違っている』だとかの前に、仕事が欲しい。それが生活者ではないのか?
 その生活者の苦悩を無視して来続けたにも関わらず、都合が悪くなれば切る。福島第一原発に関してならば、地元の人達に対して「原発の恩恵を散々受けて来たくせに」や、地元の自治体の長に対して「お前も原発推進派やったんと違うのか」なんぞと。あるいは、某国会議員の子どもが東京電力に働いているだけで叩いたり。共犯関係でなおかつ、手を汚す仕事をさせて来たのは誰なのだ?