平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第33回「動乱」~振り上げた拳をどう下ろしたらいいのか困っておるのだろう?

2016年08月22日 | 大河ドラマ・時代劇
 振り上げた拳はなかなか下ろせない。

 そういう話でしたね。
 加藤清正(新井浩文)も言っていた。
「よっぽどなんだよな? 振り上げた拳をどう下ろしたらいいのか困っておるのだろう?」
 鬱陶しいけど的確な意見を言う、きり(長澤まさみ)も言っていた。
「石田様、しまったと思っていらっしゃるのでは?
 男の人って妙に誇り高いところあるからやめたくてもやめられないんですよ。
 特に自分から言いだしたことだから」

 戦争ってこんなふうにして始まっていくんですよね。
 要するに権力者のプライドみたいな所で始まる。
 そして、やめるのが大変。
 太平洋戦争時の日本がそうだった。
 もっと早く戦争を終わらせていれば、沖縄戦も広島、長崎もなかった。
 この点で、当時の戦争指導者たちの責任は大きい。

 暴力で問題を解決するのもいかがなものだろう?
 前回も書きましたが、ここで三成(山本耕史)は負けている。
 三成は言論で戦うべきだった。
 清正も言っていた。
「力ずくで相手を倒そうなどとはお前らしくなかろう。
 (それをするのは)どちらかと言えばわしだ」
 寧(鈴木京香)も言っていた。
「伏見でいくさなどあってはならぬことだわ。
 いくさのない世の中をおつくりになったのは殿下です。
 殿下の命に逆らう者に味方などしてはいかん」
 ここで、いくさを仕掛けたのが家康(内野聖陽)であったら、寧は三成を支持していたかもしれない。

 暴力の使用。
 言論による解決の否定。
 三成も結局、政治力がなかったってことだろう。
 三成は官僚であり、その能力は秀吉という政治家の後ろ盾があってこそ活きる。
 それを見誤った。
 大谷吉継(片岡愛之助)の言ったとおり、
「徳川内府が要となって秀頼様をお守りしていく。それ以外に豊臣の世を守る道はない」
 と考えればよかったし、自分にどれだけの人望があるのか、客観視できればよかった。
 まあ、これは結果を知っているわれわれだから言えることで、その時代に生きた人たちはまさに暗中模索、信繁(堺雅人)が言ったように「私には皆目わからぬ。霧の中だ」ったのだろうが……。

 昌幸(草刈正雄)は軽やかですね。
 すがすがしさすら感じられる。
 どうすべきか迷っている息子たちとは対照的に即断即決。
「今更、徳川のために戦えるか。わしはこないだ刺客を放ったばかりだぞ」(笑)
 だが、しばらくすると、信繁に言われたせいもあるが、
「真田安房守昌幸、参上仕った。徳川内府様のお命、身命を賭してお守り致す」(笑)
 好きだわ~、この親父。
 戦国時代の古参である昌幸には〝義〟なんてものはなく、飄々と世の中を渡り歩く。
 三成もそれくらいの〝いい加減さ〟〝柔軟さ〟があればよかったのに。
 歴戦の強者であるから、伊達政宗、細川忠興らも一目置いているようでもある。
 やって来ると、たちまち軍議の中心に(笑)
 やはり迫力、オーラが違うんだろうな~。

コメント (2)
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