平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

家売るオンナ 第4話~家を売ること→家族をつくること→幸福になること

2016年08月04日 | 職業ドラマ
 ギャップというのはキャラクターを魅力的にする。
 三軒家万智(北川景子)は成績優秀、売り上げトップ。
 彼女にかかれば、どんな家も売ることが出来る。
 その行動はロボットのように合理的、機能的でムダがない。
 人間的な弱音や感情などはバグでしかない。
 しかし、そういう人は浮いてしまうんですね。
 結果、孤独を味わう。

 クッキング婚活でも、万智はもたつく他人に任せることは非合理的なので、自分でどんどん料理をしてしまった。
 結果、孤立。
 周囲から浮いて、ひとりで料理を食べる万智の心の中はどのようなものだったのだろう?
 クッキング婚活を主催したカリスマ料理研究家の沢木峰乃(かとうかず子)は、「ひとりでも毅然としていて素晴らしい」と絶賛していたが、結構つらかったのではないか?
 なぜなら彼女は〝家庭〟を欲して真剣にクッキング婚活に臨んでいたし、〝ひとりぼっち〟はイヤそうだったから。
 クッキング婚活の後は屋代(仲村トオル)に誘われて飲みに行ったし。
 万智は〝家を売ること〟で自分のアイデンティティを保っているようだ。
 これが失われたら、彼女は孤独で弱い女性になってしまうのではないか?
 万智にとっては、<家を売ること>→<家族をつくること>→<幸福になること>なのだ。
 おそらく万智は、家族がおらず、ひとりで寂しく暮らしてきたのだろう。
 今回の「ホームレスだった」発言はそれに関連している。

 キャラクターの系譜としては、「家政婦のミタ」ですね。
「ハケンの品格」の大前春子(篠原涼子)もこの系譜。
 いずれも水曜10時の日テレ枠ですが、この枠、こういうキャラクター好きですね。
 ある意味、ヒットの方程式でもある。

 ギャップと言えば、今回のホームレス富田(渡辺哲)もそう。
 ホームレスは仮の姿で、実は大手企業・金太郎電機の会長。
 日本の資産家の5本の指に入る超セレブ。
 富田がなぜホームレス生活をしていたかは明らかにされなかったが、おそらく〝金太郎電機の会長〟という肩書きを離れた人間的な関わりを求めていたのだろう。

 そんな富田と万智の間には共通点があった。
 死ぬ前に食べたい食事が〝ほかほかの白米〟であること。
 これを突き詰めていけば〝家庭〟。
 万智も富田も〝あたたかい家庭〟を欲している。
 それを求めて富田は<家庭用炊飯器>を作ったし、万智は<家を売る>仕事をしている。
 この共感が万智と富田を結びつけた。
 上手い作劇ですね。
 万智のキャラクターの掘り下げと今回解決すべき案件が見事にリンクしている。

 連続ドラマの中盤は主人公のキャラクターを掘り下げていくものですが、三軒屋万智も、恋愛関係も出てきて、どんどん魅力的なキャラクターになってきました。

コメント
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