平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第32回「応酬」~黒を白と言い切る政治家・家康に、官僚・三成は論破される

2016年08月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 家康(内野聖陽)が勝手に婚姻関係を結んだことを問い詰める三成(山本耕史)。
 これで家康を老衆から外そうとする。
 五奉行はもちろん、上杉景勝(遠藤憲一)らにも根回し済みだ。
 しかし、まず景勝がコケた。
「ご遺言を忘れたで済む話ではない……」
 言うには言ったが、小さな声での非難。
 結局、景勝は取り下げてしまった。
 安請け合いで、カッコつけの景勝……。
 人の性分はそんなに変わらない。

 以降は家康の独壇場。
「方々! 今はわれら十人が一丸となり、難事を切り抜けるべき時でござろう。
 それを何事か、この体たらくは! 太閤殿下のご遺言を何と心得おるか!」
〝ご遺言を心得ていない〟のは家康の方なんですけどね……。

 すると、三成が反論。
 改めて婚姻の非を責め、家康を老衆から外すことを提案する。
 大谷吉継(片岡愛之助)に止められていたのにやってしまった。
 これに対して家康は声を荒げて、
「この徳川家康、太閤殿下に老衆のお役目を仰せつかった。
 それを勝手に退けるとは、まさにご遺命に背くことになるのではないか!
 違うか? 治部少輔。
 そなたの徳川内府を締め出そうという魂胆、浅ましきかぎり。
 そこまでして政事を独り占めしたいのか!?
 そうはいかぬぞ。
 何のための老衆じゃ。
 わしが退いても前田大納言殿をはじめとして宇喜多殿、上杉殿、毛利殿が目を光らせておる。
 そうでござるな、ご一同。
 君側の奸の出る幕ではないわ!」

 結局、声の大きい者が勝つ。
 そして、黒いものを白と言い切ってしまうのが政治家。
 青臭い景勝の〝義〟や官僚・三成の〝正論〟など、簡単に論破されてしまう。
 厚顔無恥でなければ政治家なんて務まらない。
 昨年の安保法案だって、誰が見ても憲法違反ですからね。
 憲法学者の98%が違憲と言っていた。
 なのに安倍ちゃんは、黒を白にして合憲にしてしまった。

 今回は、『真田丸』における〝清洲会議〟でしたね。
 権力闘争は、いくさで決まるものではない。
 実は会議の場で決まっていく。
 こんがらがった紐が解けなくて、最終的な手段として使われるのが、戦争。
 ラスト、三成は「徳川屋敷を攻めて家康の首を取る」と言いましたが、〝暴力による解決〟を決断した時点で三成の負けですね。
 三成は政治力と弁論で、家康に勝てなかった。
 結局、〝窮鼠猫を噛む〟で、暴力に踏み切ってしまった。
 そして、暴力は暴力を生む。
 それが関ヶ原に繋がる。

 ところで、家康はいつこのような人間に変貌したのだろう?
 今回の前半でも「どうせ命を狙われるのなら、思い切って天下をお取りになるのはいかがでしょうか?」という本多正信(近藤正臣)の誘いに否定的だった。
 おそらくは、おとなしくしていたら逆にやられる。徳川家を存続させるためには権力闘争で勝つしかないと考えたのだろう。
 秀忠(星野源)は頼りなさそうですからね。
 すべては生き残るため。

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 あとは細かい所。

 加藤清正(新井浩文)と三成。
 酒席で、
「わしはお前と飲みたいんだよ~」
「私は飲みたくないのだ」
「お前には情ってものがないのか?」
 清正と三成のすれ違いは、こういう所にもあったようだ。
 今までの大河ドラマのような朝鮮の役での武官と文官の対立だけという描き方をしていない。

 信幸(大泉洋)と本多忠勝(藤岡弘、)の件はあっさりと済みましたね(笑)
 予想はしてましたが。
 案ずるより産むが易し。
 くよくよ心配していても仕方がない。

 三成は人気が出るでしょうね。
「私はほとんど間違えることがない」(笑)
 大谷吉継に
「(合議制の豊臣家をまとめあげるのは)石田治部にしかなしえぬこと」
 と言われると、
「私もそう思う」(笑)

 人間って面白い。

コメント (4)
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