平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

腐女子、うっかりゲイに告る。~ゲイと腐女子は理解し合えるのか? 藤野涼子、金子大地の演技が光る新しい青春ドラマ!

2019年04月25日 | 学園・青春ドラマ
 安藤純(金子大地)はゲイ。
 三浦紗枝(藤野涼子)は腐女子。
 作品はそんなふたりの理解とすれ違いを描く。

 すれ違いはこうだ。
 沙枝はゲイをBL小説やコミックに描かれているような『ファンタジー』として見ているが、純はつらくドロドロしたもので、決して『ファンタジー』などではないことを知っている。
 実際、純は世界に違和感を抱き、理解されない孤独に苛まれ、妻子ある年上の男性の恋人・佐々木誠、通称マコトさん(谷原章介)とつき合っていることに悩んでいる。

 しかし、純と沙枝が理解し合える瞬間もある。
 沙枝は『腐女子』であることを知られ、中学時代、気持ち悪がられ友だちをなくしていた。
 知られたら困る秘密を持っていることでは純と沙枝は同じだ。
 あるいはこんな言葉。
 純は沙枝に言う。
「友だちが言ってたんだ。
 人間は自分が理解できるように世界を簡単にしてしまうものなんだって。
 僕はそうしたくない。わかったふりをしたくない。
 三浦さんを腐女子だからこういう人なんだと決めつけたくない」

『人間は自分が理解できるように世界を簡単にしてしまう』
 いわゆる『レッテル貼り』ってやつですが、確かにこうならないように注意したいですね。

 この純の言葉を受けて沙枝は腐女子が世界をどう理解するかを語る。
 先輩が後輩を叱っているサラリーマンを見れば、腐女子はふたりは恋人同士で、先輩は後輩になかなか会えないことを怒っていると妄想する(笑)
 避雷針と雷は恋人同士だし、地面と地面に落ちた木の葉、噴水と噴水の水もそう(笑)
 純は沙枝が見ている世界を面白く思う。
 こうしてふたりは少しずつ理解し合っていく。
 ………………

『おっさんずラブ』以来、テレビドラマ界ではゲイがちょっとしたブームですね。
『きのう何食べた?』~西島秀俊さん、内野聖陽さんのゲイの演技、上手いなあ。
『俺のスカート、どこ行った?』~こちらは古田新太さん。
 出版界やアニメ界ではBLブームはすでにピークを過ぎた気がするが、テレビ界は遅れている。
 相変わらずの刑事、医者、弁護士ものばかりで新ジャンルになかなか手を出さない。
 新ジャンルの一作品がヒットすると、後追いで手を出す。
 そんなゲイものの中で、この作品『腐女子、うっかりゲイに告る。』は主人公たちの心の中をていねいに誠実に描いている。
 時間は30分なのに密度も濃い。

 それと、沙枝役の藤野涼子さん、上手いなあ。
『ソロモンの指輪』『ひよっこ』
 素朴で芯のある女の子を演じさせたら彼女の右に出る者はいない。
 沙枝はアニメの限定グッズの購入に純を強引に誘うようなオープンな子だが、手放し明るさでない、抑えた演技がゾクゾクさせる。

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俺のスカート、どこ行った?~見所は乃木坂・白石麻衣の「ポコチンあるんですかーーー!?」 3年C組青春高校の生徒たちも出演!

2019年04月21日 | 学園・青春ドラマ
「ポコチンあるんですかーーー!?」
「デカチンかーーー!」
 今回の見所はこれでした(^_^)
 乃木坂の白石麻衣にこれを言わせるのかーーー?
 実際、放送後のSNSでは『まいやん、ポコチン』ばかりが話題に( ^o^)ノ

 あと、個人的に注目したのは『3年C組 青春高校』(テレビ東京・夕方5時30分)の生徒たち。
・前川ちゃん(前川歌音)、おバカキャラなのに作品では眼鏡をかけた優等生役なのか。
・るちゃ(西村瑠香)はあの中に入ると独特の可愛らしさがあるなあ。いわゆる女優とは違う可愛らしさ。
・河野君(河野紳之介)はイケメングループのひとりだったけど、キンプリなどジャニーズのアイドルたちの中にいても引けを取らなかったぞ。
・照龍(黒田照龍)はひと言せりふがあったけど、いい声してた。
 みんな、がんばれ!

 あとはなあ……。

 主人公のゲイ教師・原田のぶお(古田新太)に共感できないのが致命的な欠点。
 それはゲイだからということではなくて、のぶおがすごく理屈っぽいから。
 上から理屈を語られても劇中の生徒だけでなく視聴者も反発してしまう。
 しかもその理屈がイマイチ説得力がない。
 演じている古田新太さんも戸惑っている感じ。
 この作品を『ギャグもの』として見ればいいのかもしれないが、ギャグもどこかスベってるしなあ。
 だから、SNSの感想がドラマの内容でなく、まいやんの『ポコチン』になってしまうわけで。

 さて、この作品どうなる?
 こうなったら、ブラックまいやん、黒石さんで押すしかない!

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ドラマ「女王の教室」の衝撃~いい加減、目覚めなさい。特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる? 今のままずーっと愚かでいてくれればいいの

2019年02月13日 | 学園・青春ドラマ
 ドラマ『女王の教室』の動画を見つけた。
 阿久津真矢(天海祐希)は生徒たちに言う。

「いい加減、目覚めなさい。
 日本という国は、そういう特権階級の人たちが、楽しく、幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が、安い給料で働き、高い税金を払うことで、成り立っているんです。
 そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる?
 今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。
 世の中のしくみや、不公平なんかに気づかず、テレビや漫画でもぼーっと見て何も考えず、会社に入ったら、上司の言うことを大人しく聞いて、戦争が始まったら、真っ先に危険な所に行って戦ってくればいいの」

 相変わらず、すごい言葉だな。
 2005年のドラマだが全然色あせない。
 色あせないどころか、格差、弱者切り捨てが拡がっている現在、ますます輝きを放っている。
 学園ドラマで、社会の仕組みを教えた先生は阿久津真矢先生が初めてだろう。
『女王の教室』のすごさはここにある。

 志田未来さんも可愛いな。
 表情も見事。
 他の生徒たちが真矢先生の語ることに反発しているのに対し、違和感を持ちつつも考えている。

 そして、
 どんなに政治家、学者、評論家が言葉を尽くして語っても、この3分の動画にはかなわない。
 ズン! とストレートに人の心に入ってくる。
 これがエンタテインメントの力だ。

 現在の状況に対して、阿久津真矢先生は何を語るのかな?
 金八先生やGTOの鬼束先生も。
 金八をやっていた武田鉄矢氏なんかは体制擁護発言が多く、すっかり保守的になってしまったけど。
 真矢先生の2019年ヴァージョンの「いい加減、目覚めなさい」を見てみたい。


※動画はこちら
 社会というもの(from The Queen's Classroom)(YouTube)
 心をザワザワさせる渾身の授業を聞け!

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3年A組ー今から皆さんは、人質です-第5話~みんな、みっともないんだよ。みんな、迷って、もがいて、途方に暮れて。 それでも正解を求めて前を向く

2019年02月06日 | 学園・青春ドラマ
 諏訪唯月(今田美桜)は芸能界にコネを持つ半グレ集団・ベルムズの力を借りて、モデルになった女の子だった。
 おそらく、そのために体も使ったのだろう。
 唯月はこのことに悩んでいた。
 そんな力を借りず、自分の力で輝いている澪奈(上白石萌歌)に憎しみを抱いていた。
 だから叫んだ。

「偽りの力にしがみついてみっともない!?
 そんなこと、わかってるから!
 でも私はこうやって生きてきたから!
 こうやって生きていくしかなかったから!」

 唯月の悲痛な叫びに対して、さくら(永野芽郁)。
「あなたのこと笑わないよ。
 後戻りできないなら進むしかない」

 そう、生きていれば誰もが間違う。
 取り返しのつかない罪を犯すこともある。
 だから間違いを犯す前の自分に後戻りしたいと思う。
 でも、戻ることができないから進むしかない。
 このことは、さくらが自分の間違いや罪と向き合って見出した結論でもある。

 教師・柊一颯(菅田将暉)も唯月にこう諭した。

「お前は間違っていない。
 みんな、お前といっしょだよ。
 迷って、もがいて、途方に暮れて。
 それでも正解を求めて前を向く。
 進んでダメなら傷つきながら引き返す。
 で、ダメなら歯を食いしばって前を向く。
 みんな、みっともないんだよ。
 でも、それでいい。
 それがいい。
 恥を繰り返して強くなるんだよ。
 ていうか、恥もかかずに強くなれると思うな。
 だから諏訪、お前のこれまでは誰が何と言おうと間違ってない!」

 

 この言葉を受けて号泣する唯月。

 この柊の人生観、共感するなあ。
 僕も恥多き人生を送ってきて、思い出せば後悔や穴があったら入りたくなることばかりだけど、後戻りできないから受け入れて前に進むしかない。
 前に進んでも、正解は見えないし、傷つくことも多い。
 それでも前に進むしかない。
 ………………

『3年A組 人質
 3年B組 金八
 3年C組 青春(←テレビ東京の夕方にやってる『3年C組 青春高校』のことです)』

 こんなツィートをしている方がいて笑ってしまったのですが、
 今の時代、人質にするくらいのハードなことをしないと、教師の言葉は生徒に届かないんですね。
 金八の時代は、教師の言葉がそのまま生徒に響いた。
 でも、金八先生がテレビから消えたように、今の時代、金八の言葉は上から目線でウザい。
 それだけ時代や学校が硬直化しているということだろうか?

 3つの教室の中で一番リラックスできるのが、〝3年C組青春高校〟だけど、敢えて〝青春〟という言葉を前面にもってくるあたり、ちょっとダサいし、秋元康らしい。
 でも、僕はいずれの教室も大好きです!

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3年A組ー今日から皆さんは、人質です- 第2話~「うるさい! うるさい!うるさい!」 涙を流し、鼻水を流して叫びまくる登場人物たち

2019年01月15日 | 学園・青春ドラマ
 立てこもりをしている担任教師・柊(菅田将暉)は生徒たちに言う。

「俺はお前らの教師だからな。
 お前らを正しい道に導く義務がある」

 この作品はミステリーかと思っていたら、学園もの・教師ものでもあるんですね。
 過去、ドラマの教師たちは生徒たちに〝生きる上で大切なこと〟を教えてきた。

 たとえば金八先生。
『GTO』の鬼束先生、『ごくせん』のヤンクミ。
 そして『女王の教室』の阿久津真矢先生。
 自らが〝悪の教師〟になって生徒たちに大切なことを教えるという点で、柊は真矢先生の系統に属する。
 ………………

 登場人物たちがこれほど叫び合うドラマもめずらしい。

「うるさい! うるさい! うるさい!」
「逃げるなーーーーーー!」

 登場人物たちはともかく叫ぶ。
 涙を流し、鼻水を流して、叫びまくる。

 彼らは心の底からぶつかり合っているのだ。
 今回、宇佐美香帆(川栄李奈)と茅野さくら(永野芽郁)もぶつかり合った。

「うるさい! あんたは黙ってて!」
「文句があるならわたしに言えばよかったじゃない!」
「言ったら(澪奈から)離れたの!?」
「離れたよ!」
「ウソつくな!」
「離れたよ! 澪奈が生きててくれるのなら」

 すごいドラマだなあ。
 ともかく役者さんたちの演技に圧倒される。

 一方、時折、ギャグパートがあって緊張が解けるシーンがあるんだけど、そのメリハリが絶妙。
 今回の第2話なんか、いきなり生徒たちのダンスシーンから始まって「お、どうした? 何が起こった?」と思って見てしまった(笑)
 でも思い出したけど、第1話でも先生たちのダンス(体操?)がありましたよね。
 ………………

 毎回、焦点となる生徒の〝独白〟がおこなわれるのも、この作品の特徴で今回は宇佐美香帆。

 

 上の画像は、澪奈と茅野さくらが仲良くしているのを見て嫉妬に狂うシーンだが、今回、その心の中が独白で吐露された。

「澪奈の友だちはわたしだけだった。
 なのにあんたが!
 あの瞬間、わたしの中で何かが崩れた……。
 プライドがズタズタにされて、言いようのない怒りが湧いて許せなかった……。
 だから、あいつのあとをつけまわして、あいつの物を壊して、あいつを追い詰めた!
 自分でも、もう抑えられなかった」

 川栄李奈、上手いなあ。
 彼女がドラマで引っ張りだこになる理由がよくわかる。
 AKB時代は、おバカキャラだったのに、こんな潜在能力があったとは!

 映像も絵画的だし、
 ネットの言葉の暴力もテーマにしてるし、
 今の緊張感とクォリティを持続できれば、きっと名作ドラマになる。


※関連記事
「菅田将暉主演のドラマ『3年A組』 純文学を彷彿とさせる世界観」(ハフィントンポスト)

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3年A組ー今から皆さんは、人質ですー~景山澪奈が自殺した理由は何なのか? 人間の心の中を掘り下げ、醜さをあらわにする舞台劇! 

2019年01月08日 | 学園・青春ドラマ
「何に澪奈が苦しんでいたか?
 それはお前たちが自分で探せ!
 なぜクラスメイトが死ななければならなかったのか?
 卒業までの10日間でいっしょに考えるんだ!」

 生徒たちを人質にして立てこもっている3年A組担任の柊一颯(菅田将暉)が言った言葉だ。

 将来有望で注目されていた水泳選手の景山澪奈(上白石萌歌)の自殺。
 この自殺にはクラスメイトが関わっているらしい。

 生徒たちは澪奈の自殺から目を逸らし、別の理由をつくって自分を正当化しようとしている。
 だが、担任の柊はそれを許さない。
 生徒たちに澪奈の死と向き合うように迫る。
 ……………

 すごいドラマになりそうですね。

 人間の心の中をどんどん掘り下げていき<醜さ>や<闇>をあらわにしていく。

 今回の掘り下げは次のようなものだった。

① 澪奈は薬を使ったドーピングをしており、それが発覚してネットなどで叩かれ、自殺した。
 これだと生徒たちに何の罪も責任もない。
 ドーピングした澪奈やネットで誹謗中傷した世間が悪いということになる。
 しかし、柊はこんな結末では満足しない。
 次の掘り下げは──

② ドーピングのことでクラスメイトたちは澪奈を無視し、いじめた。いじめの結果、澪奈は自殺した。
 これだと生徒たちの責任は大きくなる。
 ドーピングはデマだったし、一生、背負っていかなくてはいけない罪となる。
 だが、これでも柊は満足しない。
 学級委員・茅野さくら(永野芽郁)に迫って、告白をさせる。

③ さくらは親友である澪奈を裏切ったのだ。
 澪奈のようにいじめられるのが怖くて、さくらは澪奈を無視した。

 ずっと罪の意識にとらわれていたさくらは涙を流しながら告白する。

「一番許せないのは私だ。
 澪奈は、ずっと友達だよって伝えたかった。
 私はそれに気づこうとしなかった。
 気づかないふりをした。
 怖かった。
 私も澪奈みたいにみんなに無視されるのが怖かったから。
 私は澪奈のSOSを踏みにじった。
 澪奈が自殺したのは私のせい……。
 ごめん……」

 自分の心と向き合い、醜さを告白したさくら。
 それは恥ずかしくて苦しいことだが、同時に救いでもある。
 罪を認め、心の中に抱えていたこと語ることで、さくらは救われた。

 では、柊はこれで満足したのか?
 柊に拠ると、澪奈の自殺の原因は、さくらではないらしい。
 柊は生徒たちに次の告白を迫る。
 次回以降も、生徒たちの心の闇が明らかにされていきそうだ。
 ……………

 完全に舞台劇ですね。
 シーンはほとんどが教室の中。
 役者さんは演じる人物の心の中を掘り下げて演技しなければならない。
 役者さんの力量が問われる作品だ。

 今回は永野芽郁さん。

 

 良い演技でした。
『半分、青い。』の鈴愛とは違う内向的な少女の役。
 澪奈を誹謗中傷するクラスメイトたちに怒って叫ぶシーンもよかった。

「ふざけんな……! ふざけんじゃねえ!
 あんたたちに何がわかるの!? 澪奈の何がわかるの!?
 澪奈はいつも凜としてて、結局、薬物なんてやっていなかった!
 情報に踊らされて彼女を追い詰めたのはあんたたちじゃない!
 何で死んでまでも悪口言われなきゃならないの!?」

 最後に。
 この作品は澪奈役の上白石萌歌さんはハードですね。
 毎回、違った澪奈を演じなければならない。
 今回はさくらとの友情物語だったが、ラストシーンを見ると、澪奈には狂気の面もあるようだ。

 澪奈の自殺の真相は何なのか?
 柊は生徒たちに何を教えようとしているのか?

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中学聖日記~フェチシズム 思春期の男の子が大人の女性を見つめる視線の物語

2018年10月10日 | 学園・青春ドラマ
 生徒の黒岩晶(岡田健史)は言う。

「先生、僕、先生のことが好きになっちゃいました。
 好きになっちゃいました。
 もう、どうしていいか、わかりません」

 この告白を受けた時の末永聖(有村架純)の表情がいい。
 戸惑いでも、拒絶でも、喜びでも、呆然でもなく、心の中をうかがい知れない顔。
 この表情を見られただけでも、今回の1時間を見た価値があった。

 この作品は〝視線の物語〟なんですね。
 晶が教師・末永聖を見つめる物語。
 晶は聖の何気ない表情や動きに心をときめかせている。
 当然、性愛の要素もあるからエロチックでもある。
 屈折した思春期の男の子が大人の女性を見つめる視線。
 フェチシズム。
 これこそが、この物語なのだ。

 なので、聖を演じる有村架純さんは色気を醸し出さなくてはならない。
 今後は晶と恋に落ちていくのだろうから、ますますそれが要求される。
 教師としての顔や、婚約者の川合勝太郎(町田啓太)といっしょにいる時の顔の使い分けもしなければならない。
 
 有村架純さんがこれからどんな表情を見せてくれるか、楽しみだ。


※追記
 聖が「わたしは教師をやめません」と教壇で宣言した時の表情もよかった。
 おそらく、この瞬間に晶は恋に落ちたはずだから、この時の表情は重要。
 それにしても、有村さんって見事なタヌキ顔ですよね。

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明日の約束 最終回~生きていればいくらでもやり直せる。苦しければ逃げることもできる

2017年12月20日 | 学園・青春ドラマ
 最終回でついに真相が明らかにされた。

 母親の過剰な愛、そして支配。
 これに息苦しさを感じ、他のさまざまな要因も加わって、吉岡圭吾(遠藤健慎)は自殺した。

 一方、圭吾と同じように母親の過剰な愛と支配に苦しんだ人物がいた。
 主人公のスクールカウンセラー・藍沢日向(井上真央)だ。
 しかし、同じ息苦しさを感じていても、日向の対応は違っていた。
 支配から逃れるために、高校生の日向がおこなったのは、母親を寺の階段から落として死なせてしまうことだった。
 もちろん今では日向は自分のしたことに罪の意識を抱き、苦しんでいる。

 さて、ここで掘り下げたいのは、日向と圭吾の対応の違いだ。

 日向は自分を苦しめる対象を無にすることで解放されようとした。
 一方、圭吾は自分が死ぬことで解放される道を選んだ。
 外に向かって憎しみをぶつけた日向。
 中に向かって自分を壊してしまった圭吾。
 外に向かうか?
 中に向かうか?
 圭吾が中に向かって自殺を選んだのは、優しすぎるからだろう。
 母親を殺してしまうよりは自らの死を選ぶ。

 そんな圭吾に対し、日向は全校生徒の前で「許せない人」と非難する。
 理由は圭吾が簡単に死を選んでしまったからだ。
 生きていればいくらでもやり直しができるのに。
 苦しければ逃げることもできるのに。

 現に他の登場人物たちは失敗したが、やり直すことができた。
 たとえばバスケ部の長谷部大翔(金子大地)。
 彼には増田希美香(山口まゆ)という自分を支えてくれる存在ができた。
 白井香澄(佐久間由衣)は罪を償って再生しようとしている。
 圭吾の母親・真紀子(仲間由紀恵)も娘・英美里(竹内愛紗)との新たな関係を築こうとしている。

 しかし、自殺してしまった圭吾からは何も生まれない。
 やり直しもできない。

 

 少し冗長な所もありましたが、いいドラマだったと思います。

 人は生きていれば間違う。
 苦しいこともある。
 でも自殺してはいけない。
 なぜなら生きていれば、いくらでもやり直せて再生できるから。
 苦しかったら逃げてもいい。
 そう言えば、日向先生が最後のあいさつで言っていた。
「生き抜くことが誇りだ」って。

 最後に。
 ラストのノートに書かれていた日向先生の字、達筆だったな~。
 すごく頭が良さそう。
 井上真央さんの直筆だろうか?
 僕は字が下手なので、こういう字を書く人にすごく憧れる。

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先に生まれただけの僕 最終話~鳴海校長が生徒たちに贈った名言。あがくことで見えてくる景色がある

2017年12月17日 | 学園・青春ドラマ
 校長になることを選んだ鳴海涼介(櫻井翔)の生徒たちに贈った言葉はこうだ。

「試験で他人と比べることはしなくていい。
 目指すは自己ベスト」


 この言葉は全国模試などの試験を楽しくするんじゃないかな。
 偏差値や順位や合否判断を気にしてしまうと、どうしても試験はつらくなる。
 でも前回の自分の点数を少しでも越えることを目標にしたら、それを達成した時、喜びになる。
 他人の歩く速度からは遅いかもしれないが、自分の前進を確認できること。
 これが大切なんだと思う。

「今日の自分は5年後、10年後の自分に繋がっている。
 だから今、できることをひとつでもふたつでもしよう」


 これも正しいよな~。
 今の自分が学んだことや経験したことが10年後の自分を形作る。
 10年後の自分は今の自分の積み重ね。

 では、好きなことや夢が見つからなかった時はどうするか?
 話は逸れるが、漫画家でタレントの蛭子能収さんがこんなことを言っていた。
「夢が見つからなければお金を稼ぐことに時間を使おう」
 僕はこれを聞いた時、なるほど、と思った。
 財力も自分の実力のひとつ。
 将来、夢が見つかった時、その稼いだお金を夢の実現のために使える。
 夢も好きなことも見つからないと言って、日々を無為に過ごすのが一番つまらない。

「これから世の中はどんどん変わって来るだろうし、君たちの人生もいろいろなことが起こるかもしれません。
『これでいいのかな』『才能なんてないのかな』とか何度も不安が押し寄せて来るかもしれません。
 でも、みんなに未来を見通す力なんてありません。
 そもそも君たちが何かをするまで未来なんて存在しないんだ。
 だから君たちができることはあがくことだけです。
 不思議なもので、あがいて進んで行くと見えて来る景色があります。
 やってみないと分からないことが山ほどある。
 だから何でもやってみよう。
 冒険してみよう」


 あがくこと。
 今回、島津先生(瀬戸康史)は真柴ちひろ先生(蒼井優)を食事に誘った。
 断られることを承知で、あがいてみた。
 すると、ちひろは必死にあがく島津の気持ちを理解してOKしてくれた。
 島津が違った景色を見た瞬間だ。
 ちひろも今までとは違った風景を見たくなったのかもしれない。

 違った風景を見るために一歩を踏み出すこと、冒険してみること。
 うん、確かにそうだよな~。

 この作品のすごい所は、これらの言葉が生徒たちだけではなく、先生やすべての大人たちにも当てはまることを描いたことだ。
「人は何歳になっても成長できる」し、「あがき」続ける。
 大人たちは子供たちより、ほんの少し〝先に生まれただけの存在〟であり、不安もあればあがくこともする。
 そんなことを気づかせてくれた。

 見事な学園ドラマでした。
 鳴海校長のいる京明館高校はどんどん良い学校になっていくに違いない。

 
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先に生まれただけの僕 第8話~子供の夢がダメだった時のセーフティネットを考えてあげるのが親の役割ではないでしょうか?

2017年12月03日 | 学園・青春ドラマ
 今回はプロ棋士になりたい生徒・大和田達也(伊能佑之介)の話。

 プロ棋士になるのって大変なんですね。
 21歳までに初段にならないと、それで終わり。
 おまけに初段になれても、そこからプロとしてやっていけるのはさらに遠く、確立は0.1%!
 プロ棋士を目指すライバルたちは達也が学校で勉強をしている間も、将棋の研鑽を積んでいる。
 だから達也にしてみれば、学校や大学に行っている時間などない。

 一方、達也の親は0.1%の夢に賭けるなんて愚かだ、大学に進学して一般的な人生を歩んでほしいと考える。

 難しい問題だなぁ。
 僕ならこの方程式をどう解くだろう?
 鳴海の答えはこうだ。

 鳴海は次のように切り出した。
「僕は今回初めて知りましたけど、将棋の世界の人間は優しいなって思いました。
 だって21歳というタイムリミットを作って、やり直せるチャンスを与えてくれているんですから」

 僕は21歳のタイムリミットを「シビアだな~。非情だな~」と考えていたから、これには驚いた。
 でも、素晴らしい逆転の発想だ。
 そして、これをもとに出した結論が、

<21歳まで将棋三昧でがんばり、それでダメだったら棋士になることをあきらめて、大学に進学して一般的な道を歩む>

 確かに21歳から大学に入ることは可能だし、他人より少し遅れてしまうが、まだ十分にやり直せる。
 なかなかの名裁き。
 現実的な対処方法ですね。

 それでも異を唱える父親には、鳴海は次のようなことを言う。
「子供の夢がダメだった時のセーフティネットを考えてあげるのが親の役割ではないでしょうか?」

 セーフティネットと来たか。
 この場合のセーフティネットとは、将棋で挫折した子供に大学に入るなどの新たな道をつくってあげること。

 これだよな~。
 セーフティネットの考え方は、達也の親だけにあてはまることではない。
 社会全般に言える。
 失敗してもやり直せて、新しい道に進めるようにすること。
 これを社会全体でバックアップする。

 でも現在の日本の社会は失敗したら、それで終わりだからな~。
 結果、皆が守りに入って新しいものが生まれず、社会が活性化されない。
 安倍ちゃんは『一億総活躍社会』で同じようなことを言ってたけど、口ばかりで何も実現していない。
 自民党の基本方針は〝自己責任〟だしね。
 でも、失敗しても立ち直れるセーフティネットのしっかりした社会なら、この国の未来は明るい思うよ。
 そう言えば鳴海は教師の役割として、
「現実にル-ルや厳しさを教えながら、生徒に希望を与えること」
 と言っていたっけ。
 そう、〝希望〟ってセーフティネットのしっかりした社会から生まれるんだよな~。

 うん、この作品はいいな。
 僕は福田靖さんの脚本を今まであまり評価していなかったんだけど、この作品はいい。

 今回の内容を、親の世代や現役の子供たちはどう考えたのだろう?

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