平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子 第4話~比奈子、保、東海林、掘り下げられるそれぞれの闇

2016年08月03日 | 推理・サスペンスドラマ
 幽霊屋敷でドレスを着た女性たちの遺体。
 女性たちはいずれも体の一部を切断されている……。

 ビジュアル的に見せますね。
 第2話の冷凍された家族もそうだったが、ある意味、美しさすら感じられる。
 犯人にとってこれはアートだったのだろう。
 幽霊屋敷は自分の作品を展示する美術館。
 でなければ、ふつう遺体を隠している。

 動機は理想の皮膚集め。
 その根源にあるのは自分の体へのコンプレックス。
 犯人の体は硫酸をかけられ焼きただれていた。
 犯人は理想的な女性の皮膚を追い求め、自分に貼り付けることで、かつての自分を取り戻そうとしていた。

 さて、今回は登場人物の闇が掘り下げられた。

 東海林(横山裕)は犯人への過剰な憎しみ。
 彼はキレると(=スイッチが入ると)、歯止めがきかず、犯人を死ぬまで殴り続ける。

 中島保(林遣都)はアメ玉殺人の犯人?
 彼はスイッチが入ると、自分を見失い、殺人モードに入ってしまう。
 中島保には自分が殺人者であるという自覚がない。
 殺人者の自分を抑圧し、普段は医師としてふつうに暮らしている二重人格者。
 そして、早坂雅臣(光石研)と共に何らかの犯罪心理の実験をしている。

 藤堂比奈子(波瑠)は、心のない人間だった。
 自分の部屋で、日常生活者のスイッチをオフにすると、彼女は〝感情〟も〝思考〟も〝人格〟も持たない人形のような存在になってしまう。
 部屋の外に出た彼女は〝刑事・藤堂比奈子〟演じている。
 無理に笑い、マトモを装い、刑事を装う。
 社会生活において、人は多かれ少なかれ何かを演じているものだが、彼女の場合はそれが極端。
 そんな比奈子がおこなっているのは〝自分探し〟だ。
 彼女は自分の本当の姿を確認したいと思っている。
 その確認したい自分とは〝殺人者の自分〟。
 数々のサイコパスな殺人者と関わることで、比奈子は自分にもその闇があることを確かめようとしている。

 新しい刑事像ですね。
 そこには正義も法の秩序もない。
 ひたすら追い求めるのは、サイコパスな犯人の心の闇。
 部屋の中にいる時は、真っ白な人格のない存在。
 藤堂比奈子は本当の自分を確認できるのだろうか?
 確認した自分は〝サイコパスな殺人者〟なのだろうか?

コメント
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