老舗和菓子店店主・宮澤和之(東根作寿英)が足立(千葉雄大)の所にやって来た。
相談内容は、愛人・奥平礼央奈(小野ゆり子)にマンションを買う件。
しかし、足立は複雑だ。
なぜなら足立は数年前、宮澤一家に家を売ったことで、宮澤家の幸せをつくったと自負していたから。
愛人用のマンションを売ったら、奥さんや子供を裏切ることになる。
幸せな家庭をつくったという自負や思いも否定することになる。
しかし、愛人にマンションを売ろうとしたことがバレて、宮澤の妻は激怒。
愛人の奥平礼央奈は手切れ金のマンションなどプライドが許さないから要らないと言い出す。
…………………………………………………………………
こんなふうに悩んでしまう足立って、実はいいやつだったんですね。
家を売ることで幸せな家族をつくれる不動産屋の仕事を誇りにしていた。
しかし……そんな足立を三軒家万智(北川景子)は一喝!
「家を売ったくらいで、その家族を幸せにしたのは自分だとうぬぼれまくり、愛人に家がほしいと言われれば、これ幸いに家を売ろうとし、そのことで本宅が崩壊したら自分が愛人に家を売ろうとしたからだと、ウジウジウジウジ悩んでいる」
そう、足立のように悩むのは思い上がりなのだ。
家族の幸せも崩壊もすべてはその家族次第。
不動産屋はただ家を売るだけ。
このことを理解した足立は、手切れ金のマンションなんか要らないという愛人の奥平礼央奈に言う。
「そんなきれいごと言って何になるんですか!
捨てた女のプライドやイジなんか、今の宮澤様にはどうでもいいことです。
ここは割り切って取る物を取った方が奥平様のためです。
マンションを買いましょう」
この説得で礼央奈は心を動かされ、「わたしのことを考えてくれたのか?」と問う。
すると、足立はきっぱりと、
「私は幸せの伝道師ではありません。ただの不動産屋です」
…………………………………………………………………
今まで僕は、三軒家万智も<家を売ることで人を幸せにしようとしている人>だと思っていました。
でも、違っていた!
そんなことはどうでも良く、ただ<家を売る人>だった!
今まで、このブログで書いてきたことを訂正します……(笑)
まあ、おそらく万智も<家を売ることで人を幸せに出来る>と考えていた時期もあったと思うんですよ。
でも、今回の足立のように裏切られ、傷ついて、そんなものは幻想であることに気づいた。
自分のやるべきことはただ家を売ることで、その後、人が幸せになろうが不幸になろうが関係ない、それは当事者次第だ、と割り切った。
ドライですね。
小気味いいほどドライ!
普通、ドラマの主人公と言えば、悩んだり傷ついたりして頑張って生きていく人物が多かった。
だが、万智の場合はそれがない。
完全にアンチ主人公。
それが万智のロボットっぽさにも繋がっている。
……………………………………………………………………
最後は冒頭のナレーション。
「どん底の経済の時代に就職した20代30代。
彼らは理想を持たない。
バブル期を知る40代50代。
彼らはあきらめることが人生だと思っている」
見事な世代論ですね。
僕なんか「あきらめることが人生だ」と思っていますからね(汗)
そして、ナレーションは各登場人物論に移る。
「男たちはうわべの平和と建前が好きだ。
しかし、そんな彼らの価値観を根底から揺るがす女が現れた。
天才的不動産屋・三軒屋万智。
三軒屋万智によって、庭野は常識の後ろにある真実を垣間見た。
屋代もまた愛を求めたおのれの心がいかに渇き果てていたかを知った」
的確な登場人物紹介ですね。
まあ、脚本家本人が書いているのですから当然ですが(笑)
でも、脚本家・大石静が、時代や人間をどう見ているかがよくわかります。
相談内容は、愛人・奥平礼央奈(小野ゆり子)にマンションを買う件。
しかし、足立は複雑だ。
なぜなら足立は数年前、宮澤一家に家を売ったことで、宮澤家の幸せをつくったと自負していたから。
愛人用のマンションを売ったら、奥さんや子供を裏切ることになる。
幸せな家庭をつくったという自負や思いも否定することになる。
しかし、愛人にマンションを売ろうとしたことがバレて、宮澤の妻は激怒。
愛人の奥平礼央奈は手切れ金のマンションなどプライドが許さないから要らないと言い出す。
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こんなふうに悩んでしまう足立って、実はいいやつだったんですね。
家を売ることで幸せな家族をつくれる不動産屋の仕事を誇りにしていた。
しかし……そんな足立を三軒家万智(北川景子)は一喝!
「家を売ったくらいで、その家族を幸せにしたのは自分だとうぬぼれまくり、愛人に家がほしいと言われれば、これ幸いに家を売ろうとし、そのことで本宅が崩壊したら自分が愛人に家を売ろうとしたからだと、ウジウジウジウジ悩んでいる」
そう、足立のように悩むのは思い上がりなのだ。
家族の幸せも崩壊もすべてはその家族次第。
不動産屋はただ家を売るだけ。
このことを理解した足立は、手切れ金のマンションなんか要らないという愛人の奥平礼央奈に言う。
「そんなきれいごと言って何になるんですか!
捨てた女のプライドやイジなんか、今の宮澤様にはどうでもいいことです。
ここは割り切って取る物を取った方が奥平様のためです。
マンションを買いましょう」
この説得で礼央奈は心を動かされ、「わたしのことを考えてくれたのか?」と問う。
すると、足立はきっぱりと、
「私は幸せの伝道師ではありません。ただの不動産屋です」
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今まで僕は、三軒家万智も<家を売ることで人を幸せにしようとしている人>だと思っていました。
でも、違っていた!
そんなことはどうでも良く、ただ<家を売る人>だった!
今まで、このブログで書いてきたことを訂正します……(笑)
まあ、おそらく万智も<家を売ることで人を幸せに出来る>と考えていた時期もあったと思うんですよ。
でも、今回の足立のように裏切られ、傷ついて、そんなものは幻想であることに気づいた。
自分のやるべきことはただ家を売ることで、その後、人が幸せになろうが不幸になろうが関係ない、それは当事者次第だ、と割り切った。
ドライですね。
小気味いいほどドライ!
普通、ドラマの主人公と言えば、悩んだり傷ついたりして頑張って生きていく人物が多かった。
だが、万智の場合はそれがない。
完全にアンチ主人公。
それが万智のロボットっぽさにも繋がっている。
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最後は冒頭のナレーション。
「どん底の経済の時代に就職した20代30代。
彼らは理想を持たない。
バブル期を知る40代50代。
彼らはあきらめることが人生だと思っている」
見事な世代論ですね。
僕なんか「あきらめることが人生だ」と思っていますからね(汗)
そして、ナレーションは各登場人物論に移る。
「男たちはうわべの平和と建前が好きだ。
しかし、そんな彼らの価値観を根底から揺るがす女が現れた。
天才的不動産屋・三軒屋万智。
三軒屋万智によって、庭野は常識の後ろにある真実を垣間見た。
屋代もまた愛を求めたおのれの心がいかに渇き果てていたかを知った」
的確な登場人物紹介ですね。
まあ、脚本家本人が書いているのですから当然ですが(笑)
でも、脚本家・大石静が、時代や人間をどう見ているかがよくわかります。