振り上げた拳はなかなか下ろせない。
そういう話でしたね。
加藤清正(新井浩文)も言っていた。
「よっぽどなんだよな? 振り上げた拳をどう下ろしたらいいのか困っておるのだろう?」
鬱陶しいけど的確な意見を言う、きり(長澤まさみ)も言っていた。
「石田様、しまったと思っていらっしゃるのでは?
男の人って妙に誇り高いところあるからやめたくてもやめられないんですよ。
特に自分から言いだしたことだから」
戦争ってこんなふうにして始まっていくんですよね。
要するに権力者のプライドみたいな所で始まる。
そして、やめるのが大変。
太平洋戦争時の日本がそうだった。
もっと早く戦争を終わらせていれば、沖縄戦も広島、長崎もなかった。
この点で、当時の戦争指導者たちの責任は大きい。
暴力で問題を解決するのもいかがなものだろう?
前回も書きましたが、ここで三成(山本耕史)は負けている。
三成は言論で戦うべきだった。
清正も言っていた。
「力ずくで相手を倒そうなどとはお前らしくなかろう。
(それをするのは)どちらかと言えばわしだ」
寧(鈴木京香)も言っていた。
「伏見でいくさなどあってはならぬことだわ。
いくさのない世の中をおつくりになったのは殿下です。
殿下の命に逆らう者に味方などしてはいかん」
ここで、いくさを仕掛けたのが家康(内野聖陽)であったら、寧は三成を支持していたかもしれない。
暴力の使用。
言論による解決の否定。
三成も結局、政治力がなかったってことだろう。
三成は官僚であり、その能力は秀吉という政治家の後ろ盾があってこそ活きる。
それを見誤った。
大谷吉継(片岡愛之助)の言ったとおり、
「徳川内府が要となって秀頼様をお守りしていく。それ以外に豊臣の世を守る道はない」
と考えればよかったし、自分にどれだけの人望があるのか、客観視できればよかった。
まあ、これは結果を知っているわれわれだから言えることで、その時代に生きた人たちはまさに暗中模索、信繁(堺雅人)が言ったように「私には皆目わからぬ。霧の中だ」ったのだろうが……。
昌幸(草刈正雄)は軽やかですね。
すがすがしさすら感じられる。
どうすべきか迷っている息子たちとは対照的に即断即決。
「今更、徳川のために戦えるか。わしはこないだ刺客を放ったばかりだぞ」(笑)
だが、しばらくすると、信繁に言われたせいもあるが、
「真田安房守昌幸、参上仕った。徳川内府様のお命、身命を賭してお守り致す」(笑)
好きだわ~、この親父。
戦国時代の古参である昌幸には〝義〟なんてものはなく、飄々と世の中を渡り歩く。
三成もそれくらいの〝いい加減さ〟〝柔軟さ〟があればよかったのに。
歴戦の強者であるから、伊達政宗、細川忠興らも一目置いているようでもある。
やって来ると、たちまち軍議の中心に(笑)
やはり迫力、オーラが違うんだろうな~。
そういう話でしたね。
加藤清正(新井浩文)も言っていた。
「よっぽどなんだよな? 振り上げた拳をどう下ろしたらいいのか困っておるのだろう?」
鬱陶しいけど的確な意見を言う、きり(長澤まさみ)も言っていた。
「石田様、しまったと思っていらっしゃるのでは?
男の人って妙に誇り高いところあるからやめたくてもやめられないんですよ。
特に自分から言いだしたことだから」
戦争ってこんなふうにして始まっていくんですよね。
要するに権力者のプライドみたいな所で始まる。
そして、やめるのが大変。
太平洋戦争時の日本がそうだった。
もっと早く戦争を終わらせていれば、沖縄戦も広島、長崎もなかった。
この点で、当時の戦争指導者たちの責任は大きい。
暴力で問題を解決するのもいかがなものだろう?
前回も書きましたが、ここで三成(山本耕史)は負けている。
三成は言論で戦うべきだった。
清正も言っていた。
「力ずくで相手を倒そうなどとはお前らしくなかろう。
(それをするのは)どちらかと言えばわしだ」
寧(鈴木京香)も言っていた。
「伏見でいくさなどあってはならぬことだわ。
いくさのない世の中をおつくりになったのは殿下です。
殿下の命に逆らう者に味方などしてはいかん」
ここで、いくさを仕掛けたのが家康(内野聖陽)であったら、寧は三成を支持していたかもしれない。
暴力の使用。
言論による解決の否定。
三成も結局、政治力がなかったってことだろう。
三成は官僚であり、その能力は秀吉という政治家の後ろ盾があってこそ活きる。
それを見誤った。
大谷吉継(片岡愛之助)の言ったとおり、
「徳川内府が要となって秀頼様をお守りしていく。それ以外に豊臣の世を守る道はない」
と考えればよかったし、自分にどれだけの人望があるのか、客観視できればよかった。
まあ、これは結果を知っているわれわれだから言えることで、その時代に生きた人たちはまさに暗中模索、信繁(堺雅人)が言ったように「私には皆目わからぬ。霧の中だ」ったのだろうが……。
昌幸(草刈正雄)は軽やかですね。
すがすがしさすら感じられる。
どうすべきか迷っている息子たちとは対照的に即断即決。
「今更、徳川のために戦えるか。わしはこないだ刺客を放ったばかりだぞ」(笑)
だが、しばらくすると、信繁に言われたせいもあるが、
「真田安房守昌幸、参上仕った。徳川内府様のお命、身命を賭してお守り致す」(笑)
好きだわ~、この親父。
戦国時代の古参である昌幸には〝義〟なんてものはなく、飄々と世の中を渡り歩く。
三成もそれくらいの〝いい加減さ〟〝柔軟さ〟があればよかったのに。
歴戦の強者であるから、伊達政宗、細川忠興らも一目置いているようでもある。
やって来ると、たちまち軍議の中心に(笑)
やはり迫力、オーラが違うんだろうな~。
だとすると、三成はそれなりに魅力的な人物、少なくともその生き方に説得力ある人物である必要があります。
一応三成は「義の人」だ-そうした見方はよくありますが-と言いたいのでしょうが
>暴力の使用。 言論による解決の否定。
>三成も結局、政治力がなかったってことだろう。
よく知られた史実ながら三成は惨めであり、愚かでした。
いくら「義」だと言っても、今回で言えば大谷吉継くらいの現実的な感覚がバランスのとれたスタンスだと思います。
少なくとも私は愚かな人物には魅力を感じません。
主君の暴発に巻き込まれるという点では、信繁は赤穂浪士、たとえば大石内蔵助と似た立場にあると言えるかもしれません。
過去大河でも様々な角度からの「赤穂浪士物」がありましたが、古典的「忠臣蔵」に近いパターンだと吉良は悪ければ悪いほどよい、とされていました。
しかし、本作では家康をそこまで悪者にはしていません。
また、大坂の陣最後の突撃で家康を脅かしたとは言っても、今ひとつ及ばなかったとなると「本懐を遂げた」ということにもなりません。
今後、信繁たちにどのような説得力ある行動原理を与えてゆくのかに注目したいと思います。
おそらくは「義」ということなのでしょうが、「すがすがしさすら感じられる」昌幸親父が西軍につくのはよもや「義のため」ではないでしょうね(笑)。
そのあたりも興味深いところです。
ところで、物語も2/3になるというのにきりは一向に「信繁生涯のパートナー」らしさが見えません。
今回信繁に「客観的な視点」を買われての意見も素っ気なくありふれたものにしか思えませんでした。
予告によれば関ヶ原前夜には細川ガラシャのもとに身を寄せるそうです。
ひたすら危ういところを迷走させるという方針らしいことはわかりました。
いつもありがとうございます。
三成という人物は、<政治家の資質>を考える上で興味深い人物ですよね。
・人望
・力(資金力、軍事力)
・清濁併せ持つこと
・ご指摘の、大谷吉継くらいの現実的なバランス感覚
これらのいずれも十分ではありません。
唯一の拠り所は、「豊臣家のため」「義のため」。
でも、これだと人はついてこないんですよね。
人間の社会って(特に政治の世界は)、そんなに美しい世界ではありませんから。
もし、美しい世界に生きたいのなら、現実から距離を置くしかない。
信繁は、「(三成は)天下万民のために必要な人だ」と言っていましたが、果たしてそうなのか? という疑問もありますよね。
「お前が徳川殿を憎いと思っているのはよくわかった」と清正が言ったように<家康に対する私怨>かもしれませんし、<死ぬ間際の老人の世迷い言>で動いているのかもしれない。
追い詰められたラストでは、「どうせ腹を斬るなら徳川屋敷に攻め入り討ち死にするのみ」と私的な動機の本音を言いましたし。
>今後、信繁たちにどのような説得力ある行動原理を与えてゆくのか
おっしゃるとおり、信繁はまだまだ未熟なんですよね。
〝義〟について自ら検証する必要がある。
信繁は、上杉景勝や三成の悪い例を目にしているわけですし、純粋に〝義〟を信じてはいけない。
最終的にそこに至るとしても、もプラスアルファの何かが必要ですよね。
昌幸という〝義とは正反対のモデル〟もいるわけですし(笑)
きりの役割を三谷幸喜さんはどのように設定しているんでしょうね。
・危険な所に行って迷惑をかけるキャラ
・時として的確なアドバイスをおこなうキャラ
・息抜きのギャグ担当
こうしたワンポイントキャラなのか、さらなる深みを持たせるのか?
今後が楽しみです。