平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第21回「敗戦の責任」~「切腹を申しつける」「有り難く承りまする!」

2013年05月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 三郎(工藤阿須加)の死。
 八重(綾瀬はるか)にもらった南天の刺繍を握り締め、力をもらって必死に戦う。
 そして戦死。
 結局、下々の者は上の者の<権力争い>や<愚かさ>のために犠牲になっていく。
 三郎の死がどのようにドラマティックに描かれても、この事実は変わらない。
 薩摩・長州、幕府・会津のどちらが正しかろうが、下の者は上の人間の捨て駒でしかない。
 ちなみに、これは現代の視点で書いています。

 神保修理(斎藤工)の切腹。
 これも現代から見ると理不尽だ。
 だが、この理不尽さを「有り難く承りまする」と言って死ぬことが<武士の誉れ>となってしまう所が封建時代。
 容保(綾野剛)もね、どんなにきれい事を言っても、会津をさらなる戦禍に巻き込んだし、彼自身は明治まで生き、七十七歳の天寿を全うした。
 結局、下の者は上の人間の捨て駒でしかない。
 上の人間はきれいな言葉を並べて下の人間をダマし、犠牲にする。
 ちなみにこれは今回のドラマの趣旨から離れた私個人の意見として書いています。

 こんなせりふも飛び交った。
「肝を据えろ! にしは会津の男だべ!」
「先に死んだ者の命はどうでもいいと言うのか!?」
「にしは腰抜けか! ならぬものはならぬ!」
 戦争映画でも出て来るせりふ。
 日本人の精神構造と言ってしまえばそれまでだが、相変わらすの精神論。
「ならぬものはならぬ」という精神も第一話では美徳として描かれていたが、今回はマイナスに働いた。
 物事に合理的に対処しようとする尚之助(長谷川博己)の姿勢の方が正しい。

 この世は愚かさで溢れている。

 八重も、この状態になっても
「私もお父様の言う事が正しいと思いやす。何年も都をお守りしてきた会津が朝敵のはずはねえ! 敗れたままでは殿がお城から逃げたままでは会津の誇りは……」
 と他の会津の人間と同じ言葉しか言えないのはどうなんだろう?
 リアリズムとしては正しいのだろうが、主人公としては物足りない。
 主人公は自分の言葉を持ってこそ、主人公になる。

 もう一度繰り返しますが、この世は愚かさで溢れている。
 人は世の中の愚かさに翻弄され、生きて死んでいく。ただ、それだけ……。


 これからもこういう愚かさ・理不尽さを会津の人は体験していくんでしょうね。
 会津に光はあるのか?

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「進撃の巨人」~「紅蓮の弓矢」のパロディ動画を集めてみた!

2013年05月26日 | コミック・アニメ・特撮
 アニメ「進撃の巨人」の主題歌「紅蓮の弓矢」。
 前回もこれのMAD動画(パロディ映像)として「進撃の国防軍」「進撃の自民」を紹介しましたが、今回もさらに。
 皆さん、力作です!

「進撃の熊者」
 熊本のゆるキャラ・くまモンで作った「進撃の巨人」!
 くまモン、幅広く活動してますね!

「進撃のアンパン」
 なぜか妙に合っています! アンパンマンなのに……!
 ニコ動のコメント付!

「進撃のミッフィ」
 これも人気キャラクター・ミッフィを使った進撃の巨人!
 ゆる~く歌詞に合わせている所が素晴らしい!

「進撃のサイヤ人」
 ドラゴンボールなら絶対に合いますよね。
 外国人のコメントも多い!

「進撃のカイジ」
 逆境無頼カイジの「進撃の巨人」
 ギャンブルシーンはやはり生死を賭けた戦いなんですね。
 上手く合っています。

「進撃のインド人」
 何とインド人です!
 アニメのスピードについて来られるとはさすが世界に誇るマサラムービー!

「進撃の珠里奈」
 まもなくAKB48選抜総選挙が行われますが、SKE48・松井珠里奈さんの「進撃の巨人」!
 やっぱり松井珠里奈はカッコイイ!
 その他にも総監督高橋みなみさんを題材にした「進撃のたかみな」がありますが、クォリティはこちらの方が高いとか。

 さて、最後の極めつけは
「進撃の絹ごし豆腐」(笑)
 絹ごし豆腐が……!
 こうなると何でもありですね!


 いずれにしてもこれらの作品に取り組む職人さんの腕と情熱は素晴らしい!

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「進撃の巨人」を考える②~壁が意味するもの

2013年05月24日 | コミック・アニメ・特撮
 巨人の出現により、人類は壁の中に閉じ込められている。
 では<壁>が象徴するものとは何か?

 壁の外は巨人が溢れていて怖ろしい場所だ。
 逆に壁の中は一応安全だ。
 僕のように外の世界が嫌で、原稿を書いてかろうじて生きて、引きこもっている人間にとって、<壁の外>は現実社会のように思える。
 クラスに馴染めなかったり、いじめを受けている人には、<壁の外>は学校だろう。
 あるいは、仕事がうまくいかなかったり、怒られてばかりの人には、会社が<壁の外>になる。
 競争社会、欲望社会、格差社会、差別社会、弱肉強食・弱き者が食い物にされる社会。
 このように<壁の外>が意味するものとは、各自が接している現実社会に他ならない。
『進撃の巨人』が多くの共感を集めているのには、この作品の世界観がわれわれが感じている<残酷な現実>を反映しているからなのだろう。

 では、この<残酷な現実>を前にして、作品は何をしろと言っているのか?
 第6話でエレンの死を知ったミカサは力尽き、絶望して巨人に食われようとする。
 しかし、なぜか潔く食われることを許さず抵抗してしまう。
 その時にミカサは自問する。
「あきらめたはずなのになぜ立ち上がる? 何のために? 生きる意味などどこにもないのに。何で私は?」
 次の瞬間、エレンがミカサの心の中に現れてこう叱咤する。
「戦え! 戦え! 戦うんだ!」
 エレンは、かつて誘拐犯に襲われたミカサに次のようにも言っていた。
「戦え! 勝てば生きられる! 戦わなければ生きられない!」

 この作品のメッセージは「戦え!」なんですね。
『エヴァンゲリオン』の碇シンジが「逃げるな、逃げるな、逃げるな」と自分に言い聞かせたように、現実に立ち向かうことを主張している。
 僕などは
「そうは言っても、現実はひとりが立ち向かっても変えることなんかできないし、『進撃の巨人』でもたくさんの兵士が食われ、敗北しているわけだし」
 などと思ってしまいますが、作品を見続けてしまうのはエレンの「戦え!」という叫びにどこか感じるものがあるからなんでしょうね。

 <壁の外>に出るか、出ないか。
 これが各人に問われている気がします。


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「進撃の巨人」を考える~巨人が意味するもの

2013年05月23日 | コミック・アニメ・特撮
 アニメ「進撃の巨人」の巨人が象徴するものとは何だろう?

 ひとつは<巨人伝説>。
 ストーンヘンジを始めとして、世界各地には巨人が造ったとされる建造物が数多くある。
 北欧神話にはオーディーンが巨人の国を旅したり、魔法の槌を持ったトールが巨人と戦ったというエピソードがある。
 つまり巨人とは、人間の潜在意識の中に記憶されている超古代の存在なのだ。
 もしかしたら人間は巨人と共存して生活していたかもしれない。
「進撃の巨人」の映像と物語は、そんなわれわれの中に刻まれた過去の記憶をよみがえらせてくれる。

 さて、この作品で<巨人>は次の様に設定されている。
・むきだしの裸
・知性なし~鎧巨人などは違うようだが。
・生殖器なし~どのように発生したかは不明。
・男性体型~女性体型はない。
・人間以外に興味を示さない~襲って喰らうのは人間のみで、近くに鹿や馬がいても決して襲わない。
・高温
・驚異的な生命力~首の後ろを斬られる以外、いくらでも再生できる。

 上手い設定ですね。
・裸であること
・知性や生殖器がないこと。
 つまり、われわれ人類の正反対の存在で、人類を完全否定している。
 なぜなら人類は衣服を着て、羞恥心や知性を持ち、生殖器を持っているから。
 犬や猫などの動物なら、ある程度の思考力はあるようだし、生殖器も持っている。
 だから同類として理解出来るし、受け入れられる。
 しかし、巨人はあまりにも人間からかけ離れすぎていて、完全に得体の知れない存在。
 だから怖い。
 知性でもあれば話し合うなどの余地もあるが、それも出来ないし、人間だけを襲う理由も解らないから、ただただ怖い。
 理解不能の未知なる存在ほど怖ろしいものはないのだ。

・生殖器がなくて、どのように発生したかわからない。
・驚異的な生命力で首の後ろを斬られる以外、いくらでも再生できる。
 という設定は<ウィルス>や<細菌>を思わせる。
 過去、コレラ、ペストなどは人間の命を奪ってきたし、現在では鳥インフルエンザ、エボラウィルスなどの脅威があり、人類の天敵は<ウィルス>や<細菌>ではないかと言われている。
 おそらく<巨人>の設定は、<ウィルス>や<細菌>をイメージして作られているのだろう。

 というわけで、人間が持つ恐怖のあらゆる要素を集約して作られた<巨人>の設定、お見事です。
 そして作品は実に面白い。
 まずアニメでハラハラドキドキしたいので、コミックの原作は未読なのですが、今後どのようなドラマが描かれるのか楽しみです。


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BKB! BKB! バイク川崎バイクさんって面白い!~めちゃイケ! 期末テストSP

2013年05月22日 | 監督・俳優・歌手・芸人
『めちゃイケ! AKB48期末テスト』で一躍注目された川栄李奈さん。
 しかし、注目されたのは川栄さんだけではない。
 先日放送された番外編『超もったいないSP』に登場したお笑い芸人・バイク川崎バイクさん。
 面白いなーー、この人。
 すごく新しいし。

 ネタのコンセプトは<何でも略すとBKBになる>。
 少しわかりづらいが、わかりづらいからこそ、理解するとハマる。
 たとえば、こんな感じ。

 今回のめちゃイケ!のテストについてバイク川崎バイクさんはこうコメントする。
「今日のテストの解答はバカな答えばかり」(<バカな、答え、ばかり>が略すとBKBになる)
 そして、観客といっしょに「BKB! BKB! BKB!」とコールする。
 これ、文字に起こしても面白さが伝わらないのですが、実際に見てみると面白い。

 この面白さを知ってもらうためにもっと書きます。
 AKB48の北原里栄さんを評して
「べっぴん、きたりえも、べっぴん」→「BKB! BKB! BKB!」
 大島優子さんの体型を評して
「ボン・キュッ・ボン」→「BKB! BKB! BKB!」
 キンタロー。さんを評して
「バカで、顔がデカくて、ブス」→「BKB! BKB! BKB!」

 この面白さが少しはわかってもらえたでしょうか?
 敢えて解説すると
①北原里栄・大島優子・キンタロー。といった世の中の現象を「BKB」という言葉の中に集約してしまう面白さ!
②「BKB! BKB! BKB!」と観客といっしょにコールする一体感!

 この観客と一体になる方法として、バイク川崎バイクさんはもうひとつネタを用意している。
「バイクだけに~」と川崎さんがフルと、観客は「ブンブン」と手でバイクのアクセルをふかすマネをするのだ。
 ここで観客に面白い現象が生じる。
 つまり、「ブンブン」を出来る人と出来ない人が出てくる。
 今回の番組でも、川崎さんを知っているNMB48の山本彩さんは「ブンブン」をリアクション出来る。
 一方、川崎さんを知らない人は「ブンブン」をやるタイミングがわからず、出来ない。
「ブンブン」を出来る人は優越感に浸れ、出来な人は取り残されたようで悔しくなり、自分も「ブンブン」をやりたくなる。
 実際、番組でもAKBの島崎遙香さんが出来なくて、タイミングを教えてもらっていた。

 面白いギャグの仕掛けですね。
 観客をネタで笑わせるだけでなく、「BKB! BKB! BKB!」とコールさせて一体化し、「ブンブン」を出来る人と出来ない人とで差別化を図る。
 この差別化については、<ぱるる>と聞いて島崎遙香だとわかる人、わからない人が出てくる感じに似ている。
 今やお笑いは、ネタを聞いて笑っているだけではダメなのである。
 観客が参加して一体化し、さらに参加するために努力を必要とする。
 そんな疲れるお笑いはご免だといういう人もいるだろうが、バイク川崎バイクさんは、今後のお笑いを左右するまったく新しい形の笑い。
 今後、関西圏で熱狂的に支持されて終わるのか、今回の『めちゃイケ』出演を機に全国区になるのか実に興味深い。
 
 いずれにしてもバイク川崎バイクさん、要注目です!


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しゃべくり007~ロバート秋山さんの梅宮辰夫さんのモノマネは斬新だ!

2013年05月21日 | バラエティ・報道
 モノマネ芸はつねにバラエティに富み、進化している。

 たとえば昨日(5/20)の『しゃべくり007~1人のものまねしかできない選手権』でイチローのモノマネをしたニッチローさん。
 彼は形態模写だけで、しゃべらない。
 司会に質問されても、しゃべらず、イチローがするような仕草で返す。
 仕草で返せない内容の時は、隣の人間に代わりに答えてもらう。
 たとえば「学生時代に野球部だったんですか?」と尋ねられたら、隣の人に小声で伝えて「サッカー部でした」と言ってもらう(笑)
 決してしゃべらないモノマネ、これはこれで面白いし、新しい。

 ロバート秋山さんの梅宮辰夫さんのモノマネも斬新だ。
 何しろ梅宮辰夫さんの顔写真を切り抜いたものをお面のように着けるだけ(笑)
 秋山さんの裸になった上半身が梅宮さんに似ているから成り立つモノマネなのだが、顔写真のお面を着けるだけのモノマネなんて……!

 八幡カオルさんは勢いだけで、ほとんど似ていないというモノマネ(笑)
 樹木希林さんのモノマネをした時のオチは、いつも同じで「何かいやらしいわね」(笑)
 おまけにほとんど似ていないから、モノマネが終わった後、変な空気になる。
 そこで、まわりは「八幡さん、帰って下さい」「二度と来ないで下さい」というツッコミが出来る(笑)
 これはこれで新しい。

 このように日々、進化している(?)モノマネ。
 昨日の『しゃべくり』では、複合技・合わせ技も登場した。
 たとえば、樹木希林さんとドラえもんの共演とか、イチローと梅宮辰夫さんの共演。
 モノマネでなければ、テレビでほとんど見られない夢の共演だが、これら接点のない両者が絡んで何が生まれるかという面白さがある。

 テレビの世界はちょっとした工夫とマイナーチェンジ、夢のコラボで新しいものがどんどん生まれてくる。
 逆に工夫のないもの、変化のないものは飽きられて取り残される。

 お面を着けるだけのモノマネ!
 うーん、実に斬新で、これまでのモノマネの概念を壊している!


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八重の桜 第20回「開戦! 鳥羽伏見」~このいくさの行き着く先は地獄だ!

2013年05月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 鳥羽伏見の戦いを見事に描きましたね。
 西郷(吉川晃司)が平和的解決でなく、幕府とのいくさにこだわるのは
「人は大きく変わるのを怖れる」
 だから、幕府を完膚なきまでに打ちのめし、もはや徳川の世でないことを示さなければならない。
 すなわち
「国を更地に戻すには血を流す必要がある」。

 明治維新が<革命>か<改革>であるかは、歴史家によって意見の分かれる所ですが、日本の場合は面白いですね。
『フランス革命』『ロシア革命』、いずれも古い秩序の象徴である王室を滅ぼした。
 ところが、日本の明治維新では皇室を残し、立憲君主制に移行した。
 これが、維新が<改革>だと言われる所以ですが、一方で幕府を倒すという<革命>の要素をもある。
 いったい、明治維新はどちらなんだろう?
 こういう西洋の歴史モデルに当てはめること自体が間違いなのか?

 ちなみに自民党の憲法改正草案・前文にはこんな表記。
「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される」。
 このように自民党も新たに<天皇>を持ち出して来ている。
 日本の歴史においては<天皇>がさまざまな形で登場してくるんですね。

 さて話を鳥羽伏見に戻すと、この一連の動き、すべて西郷の手のひらの上で転がっているような感じですね。
 慶喜(小泉孝太郎)は必死に抵抗するが、役者は西郷の方が上、「もはや戦うしかない」所に追い込まれる。
 そして鳥羽伏見で幕府軍が敗走すると、西郷は
「機は熟した。ここで錦旗をあげれば、われらは官軍、慶喜は朝敵」とほくそ笑む。
 今回は、歴史のダイナミズムが見事に描かれていて、特に面白かった。

 林権助(風間杜夫)に関しては、身につけていた鎧が昔ながらの物であった所が興味深かった。
 これは会津が近代装備ではなかったことの象徴。
 どんなに会津魂があり、精神力があっても武器の優劣には勝てないというシビアな歴史の現実。
 もし装備で劣る者が活路を見出すとしたら、敵の側面を突こうとした新選組のようなゲリラ戦法しかない。

 会津の八重(綾瀬はるか)パートも、会津が前近代的あったことを描いていく。
 何しろ八重たちがしていたことは、お守り作りと歌。
「使う武器は違うけんじょ、私たちの思いは同じですね」という八重と中野竹子(黒木メイサ)の心の交流はあったが、竹子が持っているのは近代装備からは程遠い薙刀。
 <昔ながらの鎧><お守り><和歌><薙刀>。
 おまけに会津は朝廷に歯向かう逆賊で、精神的支柱も弱い。
 これでは会津が勝てるわけがない。

 悲愴な歴史がいよいよ始まる……。

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八重の桜 第19回「慶喜の誤算」~右の男を撃て。もうひとりは俺が斬る!

2013年05月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 覚馬(西島秀俊)に迫る浪人武士ふたり。
 覚馬はほとんど目が見えない。
 すると時栄(谷村美月)が拳銃を構えて
「一発もはずしませぬ!」
 覚馬は自分の刀に手を掛けて
「右の男を撃て。もうひとりは俺が斬る!」
 カッコイイなぁ。
 幕末の都で悪と戦う、目の見えない孤高のヒーロー・山本覚馬!
 それを助ける小田時栄。
 こんな感じでスピンオフドラマを作ってくれないかなぁ。木曜8時の枠あたりで。
 そうしたら「八重の桜」の番宣にもなると思うし。
 こんなことを考えてしまった。
 前回も書きましたが、大河ドラマとはいえ、こういう活劇シーンが毎回どこかにあっていいと思うんです。
 別にチャンバラはしなくてもいいですから。
 こういうシーンを入れることで作品にメリハリが出て、歴史パートも活きてくると思うんですよね。

 さて今回は容保(綾野剛)。
 徳川と京の都を守るために<挙藩出陣>(=全会津軍を都に動員すること)を決意!?
 うーーん……。
 この作品を見始めた頃は、会津の「ならぬものはならぬ」や容保のブレない姿勢に共感していたが、最近は愚直すぎるように思えてきた。
 もっと世の中の流れに合わせて柔軟に対処すればいいのに……。
 会津の頼母(西田敏行)のように「幕府がなくなった今、京都守護職の役目も終わった」「全軍を会津に引き揚げる」という<正論>を主張する者もいたのに。
 八重の父・権八(松重豊)はこんなことを言っていた。
「会津藩主としてご家命に従うだけだ」
 まあ、当時の武士の価値観からしたら仕方がないのだろうが、これも危険。
 戦争に突っ走っていった戦前の日本を想起させる。
 リーダーは時として道を誤る。
 その誤った判断で苦しむのは、常に庶民や下々の者。
 容保の場合は仕方ないのかもしれないし、我々はその後の歴史を知っているから言えるのもしれないが、容保はもう少し会津の民のことを考えたり、他人の意見に耳を傾けるべきだったように思われる。
 それは現在でも同じで、安倍総理、くれぐれもあなたの理想のために国民を戦争に巻き込むようなことはやめて下さいよ。

 八重(綾瀬はるか)が中野竹子(黒木メイサ)が「鉄砲にも会津の魂があります!」と言った<会津の魂>という言葉もどこかうさんくさい。
 後の<大和魂>を思わせる。
 この大和魂のために何人の人が死んでいったか?
 最近、日本人の魂や精神とかを言い出す政治家が出て来たが、大丈夫か?

 今作の脚本・山本むつみさんにはこうしたイデオロギー的な背景はなく、バランス良く幕末の歴史を描いていると思うが、容保の民のことを考えない姿勢や八重の父・権八の「ご家命に従うだけだ」という盲従には危ういものがある。


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八重の桜 第18回「尚之助との旅」~朝敵を討つ旗印。帝の兵である官軍はこの錦旗を掲げるのや

2013年05月06日 | 大河ドラマ・時代劇
「ええじゃないか」を煽って民衆を世直しに誘導する西郷吉之助(吉川晃司)。
「直せば使える」と言って壊れた銃を安く買う大山弥助(反町隆史)。
 岩倉具視(小堺一機)は錦の御旗を作るように大久保一蔵(徳重聡)に指示。
 そう言えば、西郷は慶喜を討つといった朝廷工作もやっていたし、土佐藩との駆け引きも。

 これらの動きを見ていると「会津、何をやってるんだ?」と言いたくなってしまいますね。
 倒幕の包囲網がじわじわと迫っているのに、何ら手を打てていない。
 前回、ドイツの商人カール・レーマンから買った銃は間に合いそうもない。
 その銃を買ったせいで予算が無くなり、尚之助(長谷川博己)の献策は見送りに。
 物事が悪い方へ悪い方へと転がっている。
 そして大政奉還の提案。
 慶喜(小泉孝太郎)はこの提案に乗って逆手にとろうとしているようだが、結局は受け身の対応、後手後手でしかない。

 悪循環、受け身、後手、無策……。
 陰謀、駆け引きの権力闘争の中で、会津の剛直な清廉潔白ぶりは無力。
 政治の世界ではもっとずるく、汚い手を使ってでも立ちまわるべきなのに……。

 この作品『八重の桜』が今ひとつ盛り上がらないのは、このせいでしょうね。
 見ていて高揚感がない。
 もちろん<敗者の悲劇>というドラマは後の戊辰戦争で描かれて胸を打つものになるのでしょうが、今はそこに至るまでの過程の時期。
 ここで、これら薩摩を中心にした倒幕の動きに、会津がこんな対応をしたとかが描かれれば、それなりのドラマになるのでしょうが、描き切れていない。
 覚馬(西島秀俊)は「西郷、待て!」ということしか出来ない。

 一方、主人公の八重(綾瀬はるか)も政治の舞台から離れた会津にいるため、主人公として機能していない。
 今回のサブタイトルが『尚之助との旅』なので夫婦のドラマを期待したが、結局は木村銃太郎と二本松少年隊の紹介がメインになってしまった。

 というわけで、この作品、もう少し<時代劇>や<講談調>にしてもいいと思う。
 たとえば覚馬が薩摩の人間に斬られそうになった時、大垣屋清八(松方弘樹)が格好良く助けたようなシーン。
 これぞ<時代劇>!
 さすが松方弘樹!
 このシーンだけ、僕は身を乗り出して見てしまいました。
 あるいは夫婦のドラマとかでももっとあざとく。
 でも、これじゃあ、<大河ドラマ>ではないか……。
 まあ、人気の新選組もあまり活躍させず、坂本龍馬も背中だけで描いている作品ですからね、その制作意図と志はわかるのですが……。
 でも、ここまで来た以上、変に視聴者に迎合するのではなく、貫いてもらった方がいいのかな……。

 ともかく早く八重に主人公として覚醒してもらいたい。


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