平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

鎌倉殿の13人 第20回「帰ってきた義経」~九郎、ようがんばった! さあ、話してくれ、どのように平家を討ち果たしたのかを!

2022年05月23日 | 大河ドラマ・時代劇
「九郎、ようがんばったな。
 さあ、話してくれ、どのように平家を討ち果たしたのか。
 お前の口から聞きたいのだ」

 サブタイトルは『帰って来た義経』。
 帰って来たのは義経の首だったのか……。

 平泉にやって来て、穏やかになった義経(菅田将暉)。
 畑仕事に従事して暮らしていくつもりらしい。
 コオロギを退治する方法を考案したりして、前回、時政(坂東彌十郎)が諭したように、知恵を使い工夫して、いくさ以外の道を歩み出したようだった。
 しかし──
 義経は心の炎は消えていなかった。
 心の底で燻っていて、義時(小栗旬)にこんなことを言った。
「平泉に手を出したら、その時は鎌倉が灰になるまで戦ってみせる」
 そのための戦術まで考えていた。
 それは梶原景時(中村獅童)が見たら、この策の見事さが一目でわかるというもの。
 いくさの天才・九郎義経は死んでいなかった。

 人を信じないで物事を見ることも義経は学んだ。
 義時が唐突に持ち出した静御前(石橋静河)の話を疑い、その意図を読み取った。
 物事の裏を読む力を身につけた義経は最強だろう。
 だが、義経はもはやどうでもよくなっていた。
 ドロドロした現実と立ち向かう意思や気力を失っていた。
 自らの思いを全うした静御前の生き様・死に様が頭にあったのかもしれない。
 里(三浦透子)の告白が追い打ちをかけたのかもしれない。
 義経は里に怒りをぶつける。
「お前が呼んだのか!? 兄の策ではなかったのか!?」
 いくさの天才・義経は里の手玉に取られていた。
 ここでは愚かだった自分を思い知ったことだろう。
 同時のショックも。
 自分は妻にも騙され、裏切られていた。
 すべては虚し。
 もしかしたら義時が行き来した隠し通路で義経は逃げられたかもしれない。
 しかし、現実に抗うことをしなかった。
 義経、最期の策は弁慶の仁王立ち。
 最期の打ち上げ花火を大はしゃぎして見る義経。
 見事な義経像ですね。
「いくさの天才」「悲劇の貴公子」として描かれるのではなく、
「周囲に騙され裏切られてヘトヘトになった明るい虚無の男」として描かれた。

 一方、義時の策を見破った義経だが、頼朝のあくどさ、したたかさには及ばなかったようだ。
「この首で平泉を守れるなら本望だ」
 義経は自分が死ねば平泉は安泰と考えていた。
 しかし頼朝(大泉洋)は──
「九郎を勝手に殺したことで平泉を攻める大義名分ができる。あくどいか? あくどいよのお!」
 義経の死を利用した次の策を考えていた。
 義経はこれを読めなかった。
 …………………………………

 そして義時。
 静御前の話で義経の憎しみに火をつけて
「上手く運んだようだ」
 ますます謀略に手を染めるようになってしまった。
 この謀略は義経に見破られていたが、変わってしまった自分を義時はどう考えているのか?
 新しい世を作るためには仕方ないと考えているのか?

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コミック原作で「進撃の巨人」最終話を読む!~「憎悪」「自由」「愛」という連立方程式をどう解くか?

2022年05月21日 | コミック・アニメ・特撮
『進撃の巨人』
 原作のコミックで最終話まで読んだ。
 何しろアニメは来年(2023年)3月オンエア、それまで待っていられない。

 ネタバレになるので詳しくは書けないが、メインモチーフは「憎しみ」「怒り」だろう。
 アニメ版でオープンになっているエレン(CV梶裕貴)の思考の推移書くと──

・母親を殺された憎しみ→巨人を駆逐する
・巨人とは何かを知る→巨人を生みだした人間や国家への憎悪
・仲間・パラディ島の人間を守る→そのために島の外の人間を駆逐する

・巨人を生み出したもうひとつの存在・始祖ユミルとの共感→憎悪のユミル→ユミルとの共闘

 憎悪から世界の破壊へ。
 これは他のアニメなどでもよくあるモチーフだ。
 これに加えて『進撃の巨人』では「自由」というモチーフが入って来る。
 以下アニメ版ですでに描かれていることだけを語ると──

・自由への意思→壁の外に出たい→壁の外は楽園ではなかった→むしろ悲惨だった→失望
・自分を縛っている血・未来を知る→しかし、これらからは本質的に逃れられない
・エレンが自由になるためにはどうすればいいのか?
・始祖の支配から唯一逃れているアッカーマンという存在~ミカサ(CV石川由依)、リヴァイ(CV神谷浩史)

 そして最後。
「憎悪」「自由」に加えて「愛」というモチーフが入る。
 憎悪と愛は裏返し。
 憎悪に燃えて「地鳴らし」をするエレンの裏には「愛」がある。
 それは親子愛・仲間への愛(友情)・異性への愛(ミカサ)
 ……………………………
「憎悪」「自由」「愛」──
 これらの連立方程式を一気に解くのが『進撃の巨人』の最終回だ。
 とはいえ、これらがすべてきれいに解決する答えなんかあるわけがない。
 ボロボロと抜け落ちていくものがある。
 悲惨もある。
 それは作品の余白・行間になって、見る者、読む者にいろいろ想像させたり、考えさせたりする。
 それが作品を豊かにしている。

 その他のモチーフもある。
・生きる意味、生きるということ、ありふれた日常
・記憶
・争いはなくならない
・生物が脊椎・骨格を持つということ
・世界樹? 北欧神話?

 いろいろな角度から読み解けて実に豊かな作品だ。
 そして原作を読んで、ますますアニメ版への期待が高まった。
 原作コミックのひとコマで描かれている場面はアニメ版でどう描かれるのだろう?
 少しネタばらしすると、ミカサの封印されていた記憶のシーンは泣ける!
 彼らには別の選択肢があったのではないか、と考えてしまう。

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Oヘンリー「賢者の贈り物」「最後の一葉」~お洒落! 見事なたとえ表現にワクワクする!

2022年05月18日 | 短編小説
 Oヘンリーの名短編『賢者の贈り物』
 妻の美しい髪と夫の祖父から譲り受けた見事な金時計の話だが、その素晴らしさを表すたとえが素晴らしい。

 ところでヤング夫妻には自慢の宝がふたつあった。
 ひとつはジムの金時計。もうひとつはデラの髪。
 もしシバの女王が向かいの部屋に住んでいてデラの髪を見たら、女王は自分の宝石を無意味と思うだろう。
 ジムの金時計は、もしソロモン王が自分の財宝の管理人をしていてジムの金時計を見たら、王はうらやましく思うだろう。


 何とたとえにシバの女王やソロモン王を登場させている。
 こんなたとえもある。
 夫への贈り物を買うために髪を切ったデラが自分の顔を鏡で見た時のつぶやきだ。

「まさかこんな頭だからと言ってジムに殺されることはないでしょう。
 でもコニー・アイランドのコーラス・ガールくらいのことは言われるかもしれないわ」


『コニー・アイランドのコーラス・ガール』
 いかにもアメリカ! って感じのするたとえだ。

 ………………………………………………

 同じくOヘンリーの『最後の一葉』

 グリニッチ・ヴィレッジに住むふたりの女性画家の話だが、そのひとりジョンシーが肺炎にかかってしまう。

 医者が『肺炎』と呼ぶ目に見えない冷酷な侵入者が、この芸術家村を歩きまわって氷のような手であちこちの人間に触った。
 (中略)
 肺炎氏は騎士的な老紳士と呼べるような手合いではなかった。
 カリフォルニアの微風で血の薄くなっている小柄な小娘などは年寄りのいかさま師には正々堂々の獲物とは言えなかった。
 だが彼はジョンシーに襲いかかった。
 彼女は寝込んでペンキを塗った鉄のベッドの上で動けなくなった。


 肺炎を『侵入者』『騎士的な老紳士とは言えない手合い』『年寄りのいかさま師』と人にたとえている。いわゆる擬人化表現だ。

 たとえではないが、こんな表現もある。
 ふたりの画家・ジョンシーとスーの出会った時の描写だ。

 ふたりは八番通りの「デルモニコ」食堂の定職を食べている時に出会い、
 芸術やチコリ・サラダやビショップ・スリーブ型のドレスの趣味が一致するのを知って、共同でアトリエを持つことにした。


 画家のふたりが意気投合した理由が『芸術』の他に『チコリ・サラダ』や『ビショップ・スリーブ型のドレス』!
 何とお洒落な表現!
 凡庸な作家だと『ふたりは知り合い、芸術観が一致してアトリエを持つことにした』みたいな表現になってしまう。
 文章は、チコリ・サラダやビショップ・スリーブ型のドレスを加えるだけでお洒落になる。

『賢者の贈り物』も『最後の一葉』もストーリーやオチが広く知られている作品。
 でも小説の愉しみってストーリーだけじゃない。
 見事なたとえやお洒落な文章にワクワクするのも小説の楽しみ方。

 神はディティルに宿る。
 ディティルにこそ光輝くものがある。

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鎌倉殿の13人 第19回「果たせぬ凱旋」~大人に翻弄される子供の義経

2022年05月16日 | 大河ドラマ・時代劇
 こうなってしまった理由を義経(菅田将暉)に尋ねられて義時(小栗旬)は言う。
「九郎殿はまっすぐすぎるのです」
「人をお信じになりやすいのです」

 したたかな大人、特に後白河法皇(西田敏行)にしてやられた感じですね。
 ずるい大人、源行家(杉本哲太)にも手のひら返しされた。
 義経はいくさの天才だが、大人の世界では子供なのだ。

 そんな義経とは対照的に頼朝(大泉洋)はしたたかだ。
 後白河法皇が『頼朝追討の宣旨』を出したことを義時に問い詰めさせて
「されど、わが主は疑うておりまする」
「九郎殿を捕らえるために西国諸国に守護・地頭を置きたい。これ、すべて法皇様のため」
 と西国諸国の統治権を認めさせてしまった。
 これが政治だ。
 義経はこういう政治的な駆け引きができないのだ。
 義時はこういう政治的な駆け引き・交渉ができるようになってひと皮剥けた。

 それにしても大人の世界というのは厄介だ。
 鎌倉に帰って兄に会うだけのことなのに「受領」や「伊予守」になったり、「父親の供養」という理由をつけなくてはならない。
 それは八重(新垣結衣)も指摘していて、子供はごめんなさいと謝れば仲直りできるのに大人の世界では難しい。

 頼朝は「信」「不信」の間で揺れている。
 本当は義経を信じたいのだ。
 しかし後白河法皇の画策などが「不信」へ導いてしまう。
 そんな頼朝を八重は諫める。
「相手を信じる心が勝ることが大切です」
 でも人を信じ過ぎるとしてやられるんですね。
 頼朝のような権力者だと、それが命取りになる。
 人が生きるとは厄介だ。

 板東武者たちは義経討伐について「いくさはなりませぬ!」
 源氏同士が戦うことに反対しているのかと思いきや、
 いくさを止めたのは、義経が強すぎるから。笑
 後白河法皇が鞠を脇に挟んで脈を停めたことに対して、
 ナレーションの長澤まさみさんは「真似をしてはいけない」笑

 父上・時政(坂東彌十郎)はいぶし銀の魅力。
 尋ねて来た義経を「偽物の義経」と言ってニヤリ。
「本物の義経」なら捕らえなくてはならないが、「偽物」だから捕らえなくていいのだ。
 別れ際には──
「九郎殿の知恵があれば生きていける」
「自信は経験を重ねることで生まれる。まだまだこれからじゃ」
 時政は「ひたすら生きろ」と義経に言っている。
 いくさしか能のない義経がいくさ出来なくなっても、生きていれば別の道を見つけられる、
 それがまったく知らない道であっても経験を重ねれば自信になる、と諭している。
 生きることは厄介だ。
 時にはすべてが失われた気持ちになる時があるだろう。
 そんな時は、この時政の言葉を噛みしめたい。

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「銀河英雄伝説」で政治を学ぶ~独裁者はいかにして誕生するか?

2022年05月13日 | 小説
『銀河英雄伝説 黎明編』の序章・銀河系史概略には、銀河帝国の創始者ルドルフがいかにして「独裁者」になったかが書かれている。

「閉塞した時代の状況に窒息するような思いを味わっていた銀河連邦の市民たちは、この鋭気に富んだ新しい英雄を、歓呼とともに迎えた。
 ルドルフは、いわば濃霧のたちこめる世界に登場した輝ける超新星であったのだ」


「ルドルフの登場は、民衆が根本的に、自主的な思考とそれにともなう責任よりも、命令と従属とそれにともなう責任免除のほうを好むという、歴史上の顕著な例証である。
 民主政治においては失政は不適格な為政者を選んだ民衆自身の失政だが、専制政治においてはそうではない。
 民衆は自己反省より、気楽かる無責任な為政者の悪口を言える境遇を好むものだ」


「強力な政府を。強力な指導者を。社会に秩序と活力を」

・閉塞した時代に強い指導者を求める心
・自分で考えることの放棄。誰かに思考を委ねること

 これが「独裁者」を誕生させる土壌である。
「民衆が根本的に、自主的な思考とそれにともなう責任よりも、命令と従属とそれにともなう責任免除のほうを好む」というのは『奴隷の自由』と言われているエピソードを思い出させる。
 奴隷解放されたアメリカの奴隷は急に自由を与えられて、自分が何をしていいか、わからず、不安になり、結局、奴隷の境遇に戻っていった。
 完全な自由って不安なんですよね。
 だから何かに身を委ねた方が楽。
 身を委ねるものは、会社とか宗教とか、いろいろあるが、一番大きなものは「国家」。
 自分は「御国のために働いているんだ」「御国のために死ぬんだ」と思えれば、惨めな人生も無意味な死も克服できる。

 さあ、これらを踏まえて、僕たちはどう生きていく?

『銀河英雄伝説』田中芳樹・著は、すぐれた政治学・歴史学のテキストでもある。
 これからも折にふれて書いていきます。

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プーチンの戦勝記念日演説を聞いて「憲法9条」の効用をあらためて知った!

2022年05月11日 | 事件・出来事
 ロシアのプーチンの戦勝記念日の演説は次のようなものだった。

「ドンバス、クリミアを含む我々の領土への侵略準備が公然と進められていた。
 危険は日ごとに増していった。
 ロシアは侵略に対して先手を打つことにした。
 それはやむを得ない唯一の正しい判断だった」


 さて、この演説を「ウクライナ」ではなく、「日本」に当てはめてみよう。

「樺太、北方四島を含む我々の領土への侵略準備が公然と進められていた。
 危険は日ごとに増していった。
 ロシアは侵略に対して先手を打つことにした。
 それはやむを得ない唯一の正しい判断だった」


 憲法9条を変えて、戦争できる国にするというのはこういうことである。
 こちらにその気がなくても、敵に攻める口実を与えてしまう。
 ところが憲法9条があれば、相手はこうした難癖をつけられない。
 仮にプーチンが「樺太、北方四島を含む我々の領土への侵略準備が公然と進められていた」と言って来たら、
「いやいや、プーチンさん、わたしたちには憲法9条があって侵略戦争などできないんですよ」と言い返せる。

 プーチンはこんな難癖もつけていた。

「ウクライナは核兵器の取得までほのめかしていた」

 これも「日本」に当てはめてみよう。

「日本は核兵器の取得までほのめかしていた」

 現在、日本のタカ派が主張している「核保有論」「核共有論」はこういう難癖の可能性を高くする。
 ところが現在の「非核三原則」を堅持していれば、「日本は核兵器を持つことなどできません」と言い返せる。

 えっ、こんな理屈、頭のおかしい独裁者の前では無意味?
 そうかもしれない。
 でも、抑止力にはなり得る。
「日本は憲法9条を盾にして国際世論を味方につけて来るだろう」
「憲法9条があるから言いがかりをつけにくい。こちらに攻める正当性はあるのか?」
 侵略者はこんなことを考えるはず。
 こんなにお金のかからない抑止力はないだろう。

 ちなみに日本の軍事費は世界第5位だ。
 安倍晋三を始めとするタカ派は軍備費UPを主張しているが、
 世界第5位の軍事費で足りないとすれば、どこかにムダがあるはず。
 アメリカの言われるままに使えない戦闘機を買わされていないか?
 商社や政治家が中抜きしていないか?
 戦闘機や空母よりもドローン100万機の方が有効じゃないの?

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鎌倉殿の13人 第18回「壇ノ浦で舞った男」~義仲は死に平家は滅んだ……この先、私は誰と戦えばいいのか?

2022年05月09日 | 大河ドラマ・時代劇
「義仲は死に、平家は滅んだ。この先、私は誰と戦えばいいのか?
 私はいくさ場でしか役に立たん」

 いくさの天才・義経(菅田将暉)の言葉である。
 こんな義経を梶原景時(中村獅童)はこう評価。
「勝利のためなら手段を選ばず、人の情けを蔑ろにする」
 だが、義経には「人の情け」はあったようだ。
 処刑直前の平宗盛(小泉孝太郎)親子を会わせて、
「今宵はゆっくり語り合うがよい」
 この情けは義経が生来持っていたものなのか?
 それとも、
 自分がもたらしたいくさの悲惨や頼朝(大泉洋)に拒まれた悲しみに拠って得たものなのか?

 義経はこんなことも言っていた。
 義時(小栗旬)にいくさの悲惨を責められると、
「勝たなければ意味がない。いくさで死んだ者の命が無駄になる」
 これは戦争指導者が陥りがちな言葉ですね。
 これで戦争がズルズルと長期化する。
 義経はたまたま勝ったからいいが、太平洋戦争の戦争指導者たちは、この言葉で戦争を長引かせた。
 現在のプーチンも、おそらくそうだろう。

 いずれにしても義経の鬼神のようないくさをヒロイックに描くのではなく、悲惨と後味の悪さで描いたことには好感を持てる。
 …………………………

 梶原景時のスタンスが面白い。
 屋島攻めで嵐の中を義経が舟で向かった時は、
「命を落とせばそこまでの御人だったってこと」
 頼朝から総大将を命じられた時は小芝居をうって、場を「義経が総大将」という空気にした。
 景時は義経を武人として認めている。
 だが一方、頼朝の前では先程の評価で義経を貶めている。
「勝利のためなら手段を選ばず、人の情けを蔑ろにする」
 本来なら、九郎殿のいくさぶりは素晴らしかった、と褒めるべきだが、それをしなかった。
 実に冷静で客観的な意見。
 これは、いったい何なのだろう?
 誠実に客観的事実を述べただけなのか?
 モーツァルトに対するサリエリのような天才に対する嫉妬なのか?
 武人同士の権力争いで義経を追い落とそうとしたのか?
 義時には「おふたり(頼朝と義経)は神より選ばれた方、そんなふたりが並び立つはずがない」と言っていたが。
 景時は「神の意思」というものを基準にする人ですよね。

 頼朝は義経のことで怒りつつも、政子(小池栄子)の前では「平家が滅んだ……!」と涙を流した。
 一方、宗盛を前にした時は「何の怒りの憎しみも湧いて来なかった」
 目的を達成するとはこういうことなのだろう。
 すべての行ないは虚しさに向かう。
 諸行無常。
 山に登っている時は大変だが、実は楽しい。
 目標を達成した頼朝はどこへ向かうのか?

 義経も景時も頼朝も、豊かな人物描写でしたね。
 さまざまな角度から人物を描いている。

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朝ドラ「ちむどんどん」若手女優陣がすごい!~黒島結菜、川口春奈、上白石萌歌、松田るか、工藤美桜、池間夏海!

2022年05月05日 | その他ドラマ
 朝ドラ『ちむどんどん』がすごいことになっている!

 物語は……まあ、普通の朝ドラなんですよね。
 ヒロインが自分の道を見つけて奮闘していく物語。
 前作『カムカム・エブリバディ』のような斬新さがない。

 では何がすごいかというと、女優陣がすごい。
・黒島結菜さん
・川口春奈さん
・上白石萌歌さん
 という豪華三姉妹。
 物語はヒロイン暢子の物語というよりは三姉妹の物語になりそう。
 そんな姉妹の母親は仲間由紀恵さん。
 仲間由紀恵さんもお母さんをやるようになったのか……。

 そして!
 川口春奈さんの恋のライバル役で、松田るかさん♪
 松田るかさんは沖縄出身!
『スカーレット』に続き、朝ドラ2本目。

 そして!
 現在、高校対抗の料理対決でヒロインたちのライバルを務めているのが
・工藤美桜さん
・池間夏海さん
・水嶋凜さん
 工藤美桜さん、ライバル校の南山原高校の料理部のひとりの役なのだが、端役で使うとは何という贅沢な使い方。
 今後も登場するのだろうか?

 池間夏海さんは南山原高校の料理部の部長でお嬢様役。

 

 最初見た時、誰だ、この美少女は!? 10代の頃の浜辺美波じゃないか? と思った。

 水嶋凛さんは斉藤由貴さんの娘さんなんですね。
 あらためて見ると、目元とか斉藤由貴さんに似ている。

・高田夏帆さんは暢子と同じ山原高校料理部部長で出演!

 というわけで『ちむどんどん』は若手女優陣がすごいんですよ~!
 ちむどんどんして来たぞ~!
 NHKにしてみれば、今後の朝ドラヒロインのオーディションの意味合いもあるんでしょうね。
 実際に現場で使ってみて、演技力や人柄を確かめている。

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憲法記念日~戦後日本の恩恵を受けてきた僕としては、なかなか現行憲法の価値観を捨てられない

2022年05月03日 | 事件・出来事
 本日は憲法記念日。
「ウクライナ侵攻」で改憲の気運が高まっている。
 具体的には9条の改定だ。
 
 自民党は9条に「自衛隊」の明記するだけ、と言っているが、これで終わるはずがない。
 最終的に目指すのはアメリカと共に戦う「軍隊」を持つことだろう。

 さて、ここで立ち止まって考えてみよう。
 ここで軍事費UPに舵を切ったら、日本経済はますます衰退するぞ。
 消費税は20%かな?
 社会保障はどんどん削られていくのかな?
 貧困者は「経済的徴兵制」で仕方なく軍隊に入ることになるのかな?
 それでよければどうぞ。
 
 そもそも昭和の高度経済成長は「戦車より生活」の方針で進んだから成し遂げられた。
 だから繰り返しになるが、日本経済はますます衰退するぞ。
 えっ、現状でも経済成長をしていない?
 そんなことは利権漁りばかりの政治家と潤沢な資本があるのに画期的な商品開発を怠ってきた大企業の経営者に言ってくれ。

 それに日本は現状でも世界の軍事費5位の国だ。
 仮に軍事費を上げても、どうせ使えない戦闘機を割高で買わされるだけ。
 割高で買った分、政治家や商社にキックバックか?
 というか毎回書くが、
 どんなに立派な兵器を持っていても日本海側の原発を破壊されたら、それで終わり。
 安全保障を言うのなら、日本海側の原発をどうするのか、説明してもらいたいものだ。

 軍隊を持たないと他国にバカにされるという意見もある。
 でも、日本の経済成長は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われて賞賛されたんだぞ。
 経済や優れた商品で賞賛されるという道もあるし、過去の日本はそれをやって来た。
 …………………………………………

 今の日本は大きな転換期に来ている。
 安倍晋三は「戦後レジュームからの脱却」と言っているが、
 まさに戦後日本を捨てるかどうかの岐路。
 戦後日本の恩恵を受けてきた当方としては、なかなか捨てられない。

 一方、今の若い人たちはその恩恵を受けて来なかったから、戦後の価値観を憎んでいるのかな?
 日本が衰退しているのを肌で感じているから、いろいろ足掻いているのかな?
 軍隊に入って「御国」のために死ねれば、つまらない人生も少しはマシになると思っているのかな?
 それとも自分は安全な所にいて軍師・参謀気取りで戦争を語っているだけなのかな?
 いずれにしても「国」と「個人」を同一視するのはやめた方がいいですよ。
 
 本日は憲法記念日。
 安易な改憲論に飛びつかず、改憲によるプラスマイナスも考えて、
 憲法についてじっくり考えてみましょう。

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鎌倉殿の13人 第17回「助命と宿命」~どうぞ皆に信じる心をお示し下さい!

2022年05月02日 | 大河ドラマ・時代劇
「義高(市川染五郎)を討て」と頼朝(大泉洋)に命じられる義時(小栗旬)。
 この命に義時は葛藤する。

 恐怖・強権政治ですね。
「この鎌倉で頼朝に逆らって生きていけんのだ!」
「鎌倉は怖ろしい所だ……」
 今のプーチン政権下のロシアもこんな感じなのだろう。

 人は権力を持つと狂い始める。
 万能感を持ち強権をふるうが、
 同時に自分のまわりがすべて敵に見えて脅え始める。
 完全に不信のかたまりになる。
 それは清盛しかり、信長しかり、ヒトラーしかり、スターリンしかり、プーチンしかり。
 そんな頼朝に政子(小池栄子)は言う。
「どうそ皆に信じる心をお示し下さい!」

 頼朝には頼朝の論理がある。
「人の世を治めるには鬼にならねばならぬのだ」
「父を殺された武士の恨みは深いのだ」

 実際、父・義仲(青木崇高)を殺された義高の恨みは深かった。
「私は鎌倉殿を許しはしない!」
 そんな義高に対して義仲は遺言を遺した。
「鎌倉殿を仇と思うな」「源氏同士で荒そうな」「源氏の悲願の平家打倒を見届けよ」
 大きな人物ですね、義仲は。
 私怨よりも自分の理想や大局を見ている。

 義時も手を汚してしまった。
 冤罪で武田信義(八嶋智人)の嫡男・一条忠頼(前原滉)を殺害。結果、信義は頼朝に屈服した。
 義高のクビを取った藤内光澄(長尾卓磨)を殺害。
 不本意なことをしてしまった理由は「北条」のため「家族」のためだ。
「私にはここ(鎌倉)しかない」からだ。
 さて、ここから義時はどう生きる?
 ここで踏みとどまるか? 手枷が解けてどんどん謀略に荷担していくか?

 そんな中、頼朝の従者・安達盛長(野添義弘)は正気を保っている。
 義高を殺す頼朝に違和感を抱き、義時たちの企てを外から協力。
「冠者殿に生きのびてほしいのは私も同じ」
「これ以上、皆の心を鎌倉殿から離したくない」
 協力したのは頼朝を思っての行動だったんですね。
 恐怖政治はいずれ頼朝に跳ね返って来ることを盛長はわかっている。

 政子は自分の言葉の重みを知った。
「断じて許しません!」という自分の言葉が藤内光澄の死を招いてしまった。
 義時に『御台所の言葉の重さ』を諭される政子。
 権力を持つ者の言葉は重いのだ。
 何気なく発した言葉で下は動く。
 森友事件をめぐる安倍晋三の言葉で財務省が公文書改ざんをおこない、赤木俊夫さんが自殺されたように。
 そして義時は自分に言い聞かせるように、さらに政子に言った。
「我らはかつての我らではないのです」
 これは哀しいですよね。
 以前の普通の生活の方がどんなに楽しかったことか。
 義時たちはこれを失ってしまった。

 そして義経(菅田将暉)をめぐるフラグ。
「ひよどり越えの方が響きがいい。馬で駆け下りた方が絵になる。歴史はこうして作られる」
 と絶好調の義経。
 後白河法皇(西田敏行)から「京の安寧を任す」と言われて検非違使に。
 これは頼朝の怒りを買いそうだ。
 比企能員(佐藤二朗)は娘を義経に嫁がせて源氏の外戚になり、ポスト北条を画策。
 しかし、義経は静御前(石橋静河[)に出会ってしまった。
 これも火種になりそうだ。
 ……………………………

 はあ……。
 今回は盛りだくさんでしたね。
 登場人物のさまざまな思いが交錯して、実に密度が濃かった。
 権力を持つとはどういうことかも考えさせられた。
 個人的には義高逃亡を見て見ぬふりをした安達盛長に救われた。

 義高の殺害に関しても史実の行間を読んだ見事な作劇。
 伊豆山権現への逃亡~政子は信じられるが義時は信じられない~単独で信濃への逃亡の流れはおそらく作家の創作だろう。

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