平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

パラサイト 半地下の家族~人間の深層心理に根ざしたもやもやとした何か

2021年04月17日 | 洋画
 米国アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した韓国映画「パラサイト~半地下の家族」

 半地下の家族は、
 大学生を装って家庭教師になり、
 美大生を装って絵画教師になり、
 今までいた運転手を罠にはめて運転手になり、
 今までいた家政婦をクビにして家政婦になり、
 金持ちの家に入り込んで寄生(パラサイト)する。

 知らず知らずのうちに見知らぬ家族がパラサイトしてる。
 ううっ、怖い……。
 でもコメディタッチで描かれているから笑ってしまう部分もある。
 でもこの家族、心のうちに狂気を秘めている感じがするから、どこか怖い。
 コメディタッチだけど怖い。
 不思議な感覚の作品だ。
 …………………
 
 象徴的なのは「窓」である。

 金持ちの家には一面に広がる大きな窓がある。
 窓の外には、豊かな芝生と計算され尽して配置された木々──
 美しく造園された庭がある。

 一方、半地下の家族の住んでいる窓は隙間のようで小さい。
 窓から見えるのは、通行人の足、
 台に上がれば、酔っ払いがゲロしたり小便をしている姿が見える。
 大雨が降れば、水が窓から入って来て家がプールのようになる。

 見える風景がまったく違う金持ちと半地下の家族。
 その格差の中で、半地下の家族は次第に怒りと憎悪を募らせていく。

 そんな静かな緊張感の中、物語を大きく動かすのは──
「金持ちの家の地下に住むもうひとつの家族」だった。

 おおっ、怖い。
 地上→半地下→地下。
 という三重構造。

 韓国の富裕層は、北朝鮮のミサイル攻撃や税務署の税金徴収から逃れるために家に地下室を造っているらしい。
 だが作中の金持ち一家は前の所有者から家を買ったので、地下室の存在を知らない。
 自分の家に地下室があって、そこに人が住んでいることを知らない……!
 地下に住んでいる人間はときどき地上に出て来て食料を調達する。

 くううっ……これで恐怖は頂点に達する!

 この3者の関係がどのように崩れて、どんな結末を迎えるかはネタバレになるので書かないが、
 何だろう、この観た後のモヤモヤした感じは?
 テーマ=「格差社会」と断定してしまえばスッキリするのだが、それだけでは収まらない感じもある。
 地上→半地下→地下。
 ここには人間の深層心理に根ざした何かがある。

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汚染水海洋放出~ゆるキャラ「トリチウム」に制作費3億! 受注は電通!

2021年04月15日 | 原子力発電・反対
 福島第一原発の汚染水(またの名を処理水)を海洋放出。
 汚染水には放射性物質「トリチウム」が含まれているのだが、
 その安全性をアピールするために復興庁が打ち出したのがこれだ!

 

 ゆるキャラ「トリチウム」!

 これで「トリチウムは安全ですよ~」とアピールするつもりらしい。
 復興庁はこんなことを期待しているのかね?
「うわ~、トリチウム可愛い!」
「海洋放出される汚染水にはトリチウムが含まれているんだけど飲んでも大丈夫なんだって!」
「じゃあ飲んでみよう。ゴクゴク」

 んなわけあるかーーー!

 政府の説明は──
・原発のトリチウムを含んだ水は外国でも海に放出しているから大丈夫
・日本は国際基準をさらに厳しくした処理水を流すから大丈夫
・IAEA(国際原子力機関)もアメリカも支持しているから大丈夫
 ってものなんだけど、本当にそうなのかね?

 自民党の「処理水等政策勉強会」の衆議院議員・山本拓ですらこんなことを言ってるぞ。
「断っておきますが、自分は原発推進派です。菅首相も支持しています。
 ただ、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多いので、国民に事実を伝えるべきだと思っています。
 東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を2次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。
 2次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です」

「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。
 ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。
 通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。
 でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。
 処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」

 山本拓の言っていることが確かだとしたら、政府や東電はこの件の説明すべきだろう。
 何しろ菅義偉は、コロナ対策でもそうだが、科学やファクトに基づかないで政治的に物事を決めるヤツだからな。
 今回の件も、おそらく東電や原子力ムラあたりから泣きつかれたのだろう。
 ……………

「海洋放出は福島の漁民の方に説明して理解を得てからおこなう」
 という漁民の方への約束も反故。
 これ、「説明なく強権的に物事をすすめる」菅の悪い所がよくあらわれている。
 日本学術会議の時もそう。
 ほんと言葉を持たない、説明しない総理大臣だ。
 この人、おかしな所で強情・頑固だよね。
 で一度決めたら強権的に推し進める。

 ちなみに、
 このゆるキャラ「トリチウム」の制作費は3億700万円らしい。
 これにはアピール映像制作費やチラシ代も含まれているのだが、高すぎないか?
 で、これを受注したのは、オリンピック開会式でもおなじみの──電通!!

 何でもかんでも、電通、電通、電通、電通、電通、電通、電通、電通、電通!

 しかも放射能のアピールに「ゆるキャラ」を持って来るというセンス!
 政府は海洋放出した際は風評被害が起きないようにアピールすると言っているが、
 こんなセンスじゃ風評被害は収まらないよ。
「布マスクを配れば国民の不安は一気に解消されますよ」と言ってアベノマスクを配った経産省総理秘書官のセンスによく似ている。

 もうイヤだ。
 制作費3億700万の明細を知りたいが、
 おそらく電通は相当な中抜きをしているんだろうな。

 そうして、この国はどんどん衰退していく。
 僕はこの国が急成長している時代を知っているから、それを実感しているんです。

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映画「空母いぶき」~自衛隊、専守防衛で戦わば。「今後の外交交渉に影響する戦闘は極力回避せよ」

2021年04月14日 | 邦画
 映画「空母いぶき」
 原作コミックでは、尖閣をめぐる中国との戦いになっているのだが、
 映画では謎の海洋国家・東亜連邦との戦いになっている。

 さて、他国からの侵攻を受け「防衛出動」が発令された時、日本政府はどう反応したか?

 日本政府
「今後の外交交渉に影響する戦闘は極力回避せよ」
「戦闘から戦争に発展する行動は避けよ」

 正しい反応だと思う。
 国家間の紛争の最終的な解決手段は「外交交渉」。
 あくまで局地戦の「戦闘」に抑え、国と国が全面的に戦う「戦争」は避ける。
 劇中でタカ派の閣僚が「これではこのいくさは負けるぞ。全軍をあげて戦うのみ」と息巻いていたが、これは愚か。
 全軍で戦えば「戦争」になってしまう。
 あるいは、ひとりの閣僚はこんなことを言っていた。
「グローバル化の現在、国と国との全面戦争は国際経済に多大な影響を及ぼす」
 これがグローバル化の時代の戦争のリアリズムだと思う。

 アメリカの反応は──
「自制的な行動を求める。グッド・ラック!」
 おいっ、日米同盟はどうした?(笑)
 でも現実はこんなもんじゃないかな?
 紛争や局地戦は当事国に任せる。
 全面戦争になった時は、調停などに乗り出す。
 仮にアメリカと中国が全面戦争したら世界はボロボロになるからね。
 ネトウヨ界隈が言っている「アメリカが中国をやっつけてくれる」は幻想だ。
 ……………………

 では、秋津(西島秀俊)が率いる空母いぶきと護衛艦の自衛隊はこの事態でどう戦ったか?

 いぶきのスタンスはあくまで「専守防衛」だ。
 日本政府の命令
「今後の外交交渉に影響する戦闘は極力回避せよ」
「戦闘から戦争に発展する行動は避けよ」
 に従って戦う。

 そのために行なったのは──
・敵ミサイルの迎撃
・敵艦の無力化(撃沈ではない)
・いぶきに襲い来る敵潜水艦の魚雷を護衛艦が代わりに受ける。
・なおも魚雷を放とうとする敵潜水艦に味方潜水艦が体当たり。
 途中、敵潜水艦を沈める機会はあったのにそれをしない。
 撃墜された敵戦闘機のパイロットは助けるし、
 捕虜になった敵が味方を銃で殺害したのに報復しない。

 まさに「専守防衛」に徹した「自制的な戦い」だ。
 高性能のミサイルや魚雷をぶっ放して敵をやっつければスカッとするだろうが、
「戦争に発展すること」を避けるために愚直に戦い続ける。
 仲間を理不尽に殺されたら怒りも湧いて来るが、あくまで冷静に対処する。

 映画「空母いぶき」はこのような作品だった。

 僕はこの作品の日本政府や自衛隊の対応を「是」とする。
 国際世論もこんな日本の姿勢を支持するだろう。
 一時のスカッとする爽快感は道を誤らせる。

 さて仮に現実でこういう事態に陥った時、
 日本政府、自衛隊はどう対応し、国民はどのような反応をするのだろう?

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青天を衝け 第9回「栄一と桜田門外の変」~人物描写が薄くて、ただただ困惑……

2021年04月12日 | 大河ドラマ・時代劇
 人物の掘り下げがイマイチなんだよなあ……。

 たとえば、今回の主役の井伊直弼(岸谷五朗)。
 前回までは、家定(渡辺大知)にワン! と言って大老になった茶歌ぽんだったのに、
 今回は開国政策と粛清が信念である重厚な人物に。
 この変化は何なのか?
 どうして直弼は変わったのか?

 平岡円四郎(堤真一)は今回の安政の大獄で江戸を追われるのだが、「必ず戻ってくる」と語る円四郎の思いが伝わって来ない。
 橋本左内(小池徹平)も深く描かれることなく、あっけなく捕まり、死んでしまった。
 美賀君(川栄李奈)が円四郎のことを「絶対に許さない」と言った理由もわからない。
 一応「将軍争いに引っ張り込んだから」という理由が語られてはいるが、それは円四郎に向けられる怒りなのか?

 水戸斉昭(竹中直人)の死に際のキスもなあ……。
 おそらく竹中さんのアドリブなんだろうけど、奥方との交流がほとんど語られていないので、その必然を感じない。
 竹中さん、死に際でただ死ぬわけにも行かず、何かやらなくては……って思ったのかな?
 将軍・家定もこのままフェイドアウト?

 いずれにしても、
 総じて役者さんたち、気持ちをつくれなくて苦労している感じ。
 脚本のセリフとト書きに従って、ただロボットのように動いている。
 これでいいのか?
 美賀君と円四郎の関係とか、人間関係を今のうちにしっかり描き込んでおかないと、後々苦労しそう。
 改めて書くが、「こんばんは、徳川家康です」も要らない。
 ああいうお勉強タイムは、本編終了後の「紀行」でやればいい。

 浅い、ちぐはぐな脚本とドラマづくりに困惑している。

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「進撃の巨人」がついに完結!~個人的には『超大型巨人』が好き!

2021年04月10日 | コミック・アニメ・特撮
 コミック『進撃の巨人』がついに完結したそうだ。
 諫山先生、お疲れ様でした!

 僕はアニメ『進撃の巨人』ファイナル・シーズンの現在、公開されている分までを見ている。
 ラストはアニメで見ようと思っているので、コミック最終話を読むのはとりあえず保留。

 それにしても、アニメのファイナル・シーズン公開分までを見ての話だけど、
 壮大なストーリーだなあ。
 後半の展開までを想定して前半のストーリーを作っていたとしたら、とんでもない構想力!
 前半の伏線が後半でどんどん回収されていく。
 前半と後半では世界がガラリと変わる。
 後半前のエピソードは「ええっ、そうだったの!?」の連続!

 ネタバレにならない程度に中盤~後半のキイワードを羅列していくと──

・壁の向こう側には海があり、海の先には××がある。
・悪魔の民族
・記憶の支配、改変
・戦士と兵士

・進撃の巨人
・超大型巨人
・鎧の巨人
・女型の巨人
・獣の巨人
・車力の巨人
・顎の巨人
・戦槌の巨人

 個人的には『超大型巨人』が好き!
 大きすぎてメチャクチャ動きが鈍い。
 動きが鈍くて硬化できないので簡単に立体機動装置の刃の餌食になりそう。
 それをガードするのは体から放出される高熱と蒸気。
 大きすぎて動くたびに大量のエネルギーを消費するので、
 常に体が燃焼して蒸気をあげている。
 動くたびに体が燃焼するので、どんどんやせていく(笑)
 だから長時間の戦闘は無理。
 すごいな……。
 長所と弱点が裏表で同居している。
 で、その超大型巨人は×××××で、やがて××××がなる。

 ううっ、もっと語りたい……!
 でもネタバレになるので我慢する……!    

『進撃の巨人』を読んだり見たりしないのは人生の損だと思うなあ。

 それでは聴いて観て下さい!

 進撃の巨人OP 紅蓮の弓矢(YouTube)
 家畜の安寧、虚偽の繁栄、死せる餓狼の自由を♪
 後半は女型の巨人との戦いです!


※追記
 さらにネタバレ。
 エレンやアニについて、ある程度知識を持っている方限定にネタバレすると──

『進撃の巨人』は究極のロボット漫画ですかね?
 巨大ロボット漫画を突き詰めていくと、おそらくこうなる。
 まあ、ロボット漫画と決めつけてしまうと、この壮大な作品が卑小になってしまうんですけど……

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イミテーション・ゲーム~エニグマを解読した天才数学者アラン・チューリングの物語

2021年04月08日 | 洋画
 第2次世界大戦におけるドイツの暗号機エニグマのをめぐる物語は面白い。
 映画『イミテーション・ゲーム』では、いよいよ天才アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)の登場だ。

 チューリングは実在の人物。
 彼は現在のコンピューターの前身である演算マシーンを使ってエニグマの暗号を瞬時に解こうとする。
 エニグマを解読できれば、ドイツ軍の作戦や部隊の動きを把握できてさまざまな対応が出来るのだ。
 そしてチューリングは試行錯誤の末、マシーン・ボンブを開発してエニグマの暗号解読に成功する。
 結果、後の評価に拠れば、ドイツの敗戦が2年早くなった。

 ここまでで言えば、チューリングは英雄であり、成功の生涯だったかに見える。
 しかし、多くの天才数学者がそうであるように、チューリングの生涯は悲惨であった。
 2つのことが彼の精神を蝕んだのだ。

 ひとつはエニグマ解読に成功したことを極秘にされたこと。
 英国軍とMI6は、ドイツとの戦争を有利に展開するために「エニグマ解読」を秘匿する。
 もし解読されていることが知られたら、ドイツはエニグマを使わなかったり、改良したりするからだ。
 英国軍はエニグマ解読の結果を大きな作戦で効果的に使おうとする。
 解読されていないことを知られないために、わざと味方の犠牲を出したりする。
 チューリングは悩む。
 エニグマ解読で敵の動きや作戦がわかっているのに味方が犠牲になってしまうことに罪悪感を抱く。

 チューリングの精神を蝕んだもうひとつのことは、彼がゲイであることだった。
 当時の英国ではゲイであることは法律で罰せられていた。
 チューリングは自分の秘密を隠す。
 一時、同僚の女性ジューン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)に魅かれて婚約したりするが、結局は破談。
 やはりチューリングは男性しか愛せなかったのだ。
 そして孤独の中で荒んでいく。
 このあたりは映画『ボヘミアン・ラプソディ』で描かれたフレディ・マーキュリーに似ている。
 フレディ(ラミ・マレック)もメアリー・オースティン(ルーシー・ポイントン)に魅かれたが、結局はダメだった。

 ハードな人生だな……。
 チューリングは国家と社会的偏見・差別の被害者だった。
 天才ならではの鋭敏さもチューリングを追い込んでいった。
 結果、彼は自殺。
 ゲイを治すための薬物治療(←そんなものがあるのか?)もされたらしい。

 唯一の救いは、エニグマ解読で終戦が2年早まったという後の評価。
 そして彼の恋したジューンの存在。
 自分がゲイであることを告白したチューリングをジューンは受け入れ、こう言う。
「わたしは普通の結婚なんて望まないって言ったでしょう? わたしはあなたと結婚したいのよ!」
 こんなことも言っていた。
「あなたが普通でないから世界は素晴らしい!」
 しかし、チューリングはこんなジューンも拒む。
『ボヘミアン・ラプソディ』のメアリーもそうだが、やはり女性は強いね。

 余談だが、
 トップシークレットであるチューリングと彼のチームのことが公になったのは21世紀になってから。
 英国はエニグマ解読を第2次世界大戦後も秘匿し、エニグマを暗号機としてインドなどの第三世界に提供していたらしい。
 そうすれば相手の情報はすべて筒抜けになるからだ。

 やはりエニグマをめぐるドラマは闇が深く、枚挙に暇がない。

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「ドラゴン桜」の再放送やってるよ!~ガッキーがヤンキー、長澤まさみが可愛いっ!

2021年04月06日 | 学園・青春ドラマ
 TBSの夜12時、『ドラゴン桜』の再放送をやってる!
 25日からの新作『ドラゴン桜』の番宣なんだろうけど懐かしい。

 2005年放送の作品なのか。
 長澤まさみ、可愛いっ!
 ガッキーがヤンキーやってる! しかも性格が悪い役!
 萌える、萌えるぜえぇーーーっ!

 山Pはどうでもいい。
 小池徹平ちゃんもどうでもいい。
 中尾明慶くんもどうでもいい。
 理由=男だから!

 途中のワンシーン。
 どこかで見たことの景色だなあ、と思って見ていたら、何と僕の家の近くだった。
 秋のお祭りの神輿のコース。
 昨年はコロナで中止になったけど、今年はやれるのかな?
 …………………

 せりふは現在だとヤバめなせりふが多いな。

「バカとブスこそ東大へ行け」
「女は愛嬌」
「頭に行くべき栄養が胸と尻に行っちゃったの?」


 今だと完全なセクハラ発言。
 新作『ドラゴン桜』はこれらをどう処理して描くのか?

 現在にリアリティをもって響くせりふもある。

「社会のルールは頭のいいやつによって作られている」
「社会のルールは頭のいいやつに都合のいいように作られている」
「頭のいいやつはルールをうまく利用して得をしている」
「頭を使わないやつは一生ダマされ損して負け続ける」
「ダマされたくなかったら東大へ行け」


 ここで言う『頭のいいやつ』を『上級国民』と言い換えれば、2021年にリアリティのあるせりふになる。
 政治家、官僚、大企業、セレブリティ──
 彼らは自分に都合のいい法律やルールをつくり、そこから利権を得て僕たちの血税を分け合っている。
 僕たちに来るのは、そのおこぼれ。
 庶民はおにぎり1個を盗んだだけで逮捕されるのに、
 上級国民は法律の網をかい潜り、詭弁を弄し、忖度もされて罪を免れる。

 こんな社会だからこそ、
 2021年に新作『ドラゴン桜』が作られるのには意味がある。
 さて、どんなメッセージが語られるのか?
 新作には、てち(平手友梨奈)も生徒役で出るのか!
 これまた楽しみだ。

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青天を衝け 第8回「栄一の祝言」~おれはおのが力で立っていた。青い空に拳を立てていた

2021年04月05日 | 大河ドラマ・時代劇
 栄一(吉沢亮)は千代(橋本愛)に旅の途中で岩山に登って見た景色を語る。
「あの空一面の青は苦労しねえと見られねえ景色だ。
 おれはおのが力で立っていた。青い空に拳を立てていた」

 おおっ、だから『青天を衝け』なのか!
 これが作品全体のモチーフ。
 人生を山登りにたとえるのはよくあるが、いかにも青春真っ盛りという感じ。
 若くてエネルギーのかたまりの栄一はまだ見ぬ景色に心をときめかせている。

 千代とは結婚。
 千代に思いを寄せていた喜作(高良健吾)は千代を賭けて剣術で戦い、栄一に判定で勝つが、千代に言う。
「あいつにはおめえのようなしっかり者の嫁がいた方がいい」
 喜作、イケメン!
 まあ、これもよくあるパターンではあるが。

 千代の兄(田辺誠一)に、栄一と千代が結婚の許しを乞うた時はこんな感じ。
「兄ぃ、お千代を俺の嫁に下さい!」
「兄様、千代も……!」
 すると兄ぃ。
「おまえら思い合っていたのか!
 栄一は俺の同志で弟分だ。そういうわけなら認めぬわけにはいかぬだろう」
 兄ぃ、鈍すぎ……。
 長七郎(満島真之介)や周囲はとっくに気づいているのに。

 白無垢を着た千代の嫁入り道中はなかなかよかった。
 沿道で祝福する村人たち。歌を歌う子供たち。
 嫁を迎える渋沢家の者は家の前で待っていて挨拶。
 栄一の母(和久井映見)は千代の手をとって家の中に導く。
 今作はこういう描写をしっかり描くんだなあ。
 かつての風俗・風習がわかって勉強になる。
 ………………………

 慶喜パートは〝茶歌ぽん〟井伊直弼(岸谷五朗)が登場!
 今までの井伊直弼は権謀術数の悪党として描かれていたが、
 今作では、茶や和歌や能の好きな、およそ政治向きでないただの小心な男。
 周囲は大老に抜擢された直弼を「この難局にあたれる器ではない」と陰口をたたき、直弼も「そうだよな」と思っている。

 そんな直弼を抜擢したのは将軍・家定(渡辺大知)。
 抜擢した理由は、
 慶喜(草彅剛)を絶対に将軍にしたくないから。
 直弼なら言うことを聞いてくれそうだから。
 こういう人事っていつの時代にもあるよな。
 天下国民のことを考えるのなら有能な人材を登用すべきなのに、個人の思惑・私怨で人事を行なってしまう。

 小心で器の小さい人物が権力をもったらどうなるか? の歴史的検証でもある。
 直弼は十四代将軍に徳川慶福を据えると、一橋派の粛清を始めた。
 直弼は権力に酔い始めたのかな?
 自分の一言で周囲が黙り、そのとおりです、と言い始める。
 人事も自分の思うがまま。
 徳川斉昭(竹中直人)も松平慶永(要潤)も慶喜も引退・蟄居に追い込めた。

 一方、弾圧すれば、大きな反動・反発が起きるのが歴史の常。
 その反動・反発が怖いから為政者はもっと過激に弾圧する。
 かくして怒りと憎しみの連鎖。
 だから「安政の大獄」
 そして「桜田門外の変」。

 小心で器の小さい人物が権力をもったらどうなるか?
 次回はさらにそれが見られそうだ。

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売られたケンカは受けて立つ!~週刊文春、五輪組織委員会の「発売中止・回収」要求に反論

2021年04月03日 | 事件・出来事
 週刊文春がボツになったMIKIKOさんの開会式プランを暴露したことで五輪組織委員会が抗議だそうだ。

 その抗議と要求内容は──
1.本件記事が掲載されている週刊文春4月8日号を直ちに回収し、今後の販売を中止すること
2. 本件ネット記事を直ちに削除すること
3. 保有している内部資料を直ちに廃棄し、今後、その内容を一切公表しないこと

 これに対して文春は反論。

『2020年5月に責任者が佐々木氏に交代し、MIKIKO氏が演出チームから排除され、演出の内容はMIKIKO氏チームの案と別物になっています。
 排除の過程で葬り去られてしまったMIKIKO氏の案はIOCからも高い評価を受けていました。
 この提案がどのようなものであったのか、その骨子を報じることは、広く国民の知る権利に応えるものです。

 侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報道することには高い公共性、公益性があります。
 著作権法違反や業務妨害にあたるものでないことは明らかです。

 小誌の報道に対して、極めて異例の「雑誌の発売中止、回収」を求める組織委員会の姿勢は、税金が投入されている公共性の高い組織のあり方として、異常なものと考えています。
 もし、内部文書を基に組織の問題を報じることが、「著作権法違反」や「業務妨害」にあたるということになれば、今後、内部告発や組織の不正を報じることは不可能になります。

 小誌は、こうした不当な要求に応じることはできません。

 東京オリンピックは、誰のためにあるのか。組織委員会や電通、政治家など利益を得る一部の人々のために、オリンピックがあるのではないか。
「週刊文春」は、組織委員会の要求を拒否し、今後もオリンピックが適切に運営されているのか、取材、検証、報道を続けてまいります。』


 いやあ、一分の隙もない見事な文章だ。
 さすが訴訟慣れ、ケンカ慣れしている週刊文春!

 まあMIKIKO案がボツになっていないのなら業務妨害になると思うよ。
 しかし東京五輪の開会式は「オリンピッグ発言」で辞めた佐々木宏氏の案をベースにおこなわれるらしいので問題はないだろう。
 むしろMIKIKO案を越えるプランをつくって見せればいいだけの話。

 五輪組織委員会は説明が足りない。
・なぜMIKIKOさんが何の説明もなく理不尽に下ろされたのか?
・佐々木宏氏や開会式に出る芸能人の選定で政治家の口利きがあったらしいが、それは本当か?
・なぜこんな内部リークがたびたびなされるのか? 組織委員会内部の現状はどうなっているのか?

 週刊文春も書いているとおり、
 僕たちの税金が使われている事業なのだから、組織委員会はこれらのことを説明する必要がある。
 五輪組織委員会は文春に抗議するのではなく、文春が報じた疑惑について反論しろ。

 これは推測だが、
 森喜朗が言ってた「わきまえない女」ってMIKIKOさんのことじゃないの?
 森喜朗一派とMIKIKOさんの価値観の違いが今回の一連の騒動の根本だと僕は思っている。

 それにして五輪組織委員会はバカだねえ。
 抗議文を送ったことで火に油を注いでしまった。
 テレビなども大きく報じていないから、スルーしていればイチ週刊誌の記事で済んだのに。

 文春はまだ弾丸(たま)を持ってるよ。
 五輪組織委員会のメチャクチャが次々と暴露される。
 一方、組織委員会には弾丸がないし、叩けば埃の出て来そうな組織だから防戦一方になる。
 頼みの綱は政府だが、森喜朗がいなくなった今、どこまでフォローしてくれるか。
 森喜朗の退場はパンドラの箱を開けた。

 このケンカ、週刊文春の勝ちだろう。
 政治家をバックにして偉そうにしているエリートさんが雑草&ゲリラの文春に勝てるわけがない。


※参照記事
「週刊文春」はなぜ五輪組織委員会の「発売中止、回収」要求を拒否するのか(週刊文春)

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東京五輪人件費、1人1日30万円!~もう利権オリンピックなんかやめちまえ!

2021年04月01日 | 事件・出来事
 オリンピックの運営を企業委託する際の人件費が毎日新聞のスクープで明らかにされた。
 内部資料を極秘入手したのだ。

 人件費単価は──
「運営統括」(企業の部長級に相当)……日給30万円
「チーフ」            ……日給20万円
「ディレクター」         ……日給20万円

 これ『月給』じゃなくて『日給』でっせ。
 オリンピックが2週間だとしたら、
「運営統括」           ……420万!
「チーフ」「ディレクター」    ……280万!
 2週間でそんなにくれるのなら、僕にやらせてくれー!
 むかし5000人くらいのイベントなら仕切った経験あるからさー。

 組織委員会はあくまで見積もりのための参考値と説明している様だが、ずいぶん大ざっぱな見積もりだな。
 しかも契約企業との守秘義務があるということで実際の金額は非公開だそうだ。
 えっ、それでいいの?
 税金を使っている事業でそんなことが許されるの?

 これがオリンピック利権である。
 オリンピックの名の下にお金を湯水のように使い、周辺はハイエナのようにたかりまくる。
 結果コンパクト五輪と言われた当初予算7500億が、はるかに越えて3兆(東京都負担含む)だ。
 国オンリーだと1兆5000億くらいらしい。

 まあ、民間企業でこんな予算オーバーをやったら担当者はクビになるよ。
 普通は「はるかに予算オーバーしているから、この人件費を抑えましょう」みたいな発想になる。
 というか担当者は「どうしよう? どうしよう?」って眠れない日が続くはず。
 大会組織委員会の担当者はどういう神経をしているのか?
 自分の腹の痛まないカネだからどうでもいいってか?
 あるいは、
 最終的に誰かが予算オーバーの責任を取るのかね?
 何かうやむやで終わりそうな気がする。

 おそらくこんなボロ儲けがあるから、いまだにオリンピックにこだわるヤツがいるんだろうな。
 オリンピックの理想、アスリートの努力と頑張りの裏で蠢く、カネ! カネ! カネ!
 そんな連中が仕切っているオリンピックが素晴らしいものになるとは思えないんだけど……。


※関連記事
 東京五輪人件費「一人1日30万円」 組織委内部資料、実額は非公表(Yahooニュース)
 
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