ドラマ「やまとなでしこ」の神野桜子(松嶋菜々子)はこんな女性だ。
「恋なんかに落ちちゃダメ。あんなもんに落っこちるから人生とっ散らかるのよ。
舞い上がったり落ち込んだり、そんなの単なるエネルギーのロスよ。
本当に幸せになりたかったら一時の病気よりも冷静な判断力。
どんな誠実な男よりも信じられるのはお金。お金は絶対に裏切らない」
「今、何と? このわたくしが失恋?
失恋というのは、恋を失うというあの失恋かしら?
恋なんていうものはね、人間もどきにするものじゃなくてお金にするものなの。
お金は女を裏切らないの。私の辞書に『失恋』なんて言葉はないの」
桜子という主人公は画期的だ。
何しろ恋愛ドラマなのに恋愛を否定してしまうのだから。
当然、桜子は貧乏人の魚屋の中原 欧介(堤真一)を否定する。
「中原欧介、究極の貧乏で苦労しすぎて幻覚でも見たんじゃないの? おーほほほっ!」
「この人は貧乏が趣味なの。貧乏が生きがいなの。貧乏じゃないと生きていけないの」
↑
見事なせりふ!笑
脚本は中園ミホさん(相沢友子さんも5話・8話を担当している)。
「やまとなでしこ」の中園ミホさん、せりふが冴えまくってるなぁ!
こんなせりふもある。
「バッカじゃ中目黒! 何祐天寺(なに言うてんじ)!」
※東京に住んでいないとわからないかもしれないが。
一方、「貧乏が生きがい」の中原欧介を好きになる女性が出て来る。
桜子の後輩CAの塩田若葉(矢田亜希子)だ。
若葉は言う。
「がんばってお店を続けましょう! わたしは魚屋の欧介さんが好きなんです」
若葉ちゃん、良い子だ。
魚屋を手伝ってくれるし、すべてを受け入れてくれるし、
僕を含めた世の男たちはほとんど〝若葉ちゃん派〟だろう。
だが最終的に欧介が選んだのは桜子。
数学の研究で魚屋をやめてニューヨークに行くことをためらう欧助に桜子は言う。
「要するに数学から逃げてるだけでしょう! 一歩踏み出しなさいよ!」
「何がニューヨークよ! 何が数学よ!
ニューヨークに行ったってまた逃げて帰ってくるんじゃないの?
とっとと行っちまえ! 行くなら一生帰って来るな! 今度は絶対逃げんなよ!」
この桜子の言葉の方が若葉の言葉より、欧介の心に染み込んだんですね。
なにしろ若葉の言葉は──
「がんばってお店を続けましょう!」
「数学にのめり込んだら欧介さんはわたしが見えなくなる」
「わたしは魚屋の欧介さんが好きなんです」
欧介は現状維持より一歩踏み出すことを選んだ。
魚屋よりニューヨークに行って数学の研究をすることを選んだ。
その時、傍らにいるべき女性は──桜子。
「やまとなでしこ」ひさしぶりに見たが面白かった。
ともかく神野桜子というヒロインが強烈で素晴しい。
神野桜子はひとつの時代をつくった女性像になった。
※追記
桜子のキャラクターについて書き加えておくと──
・桜子がCAになったのはファーストクラスのお金持ちと親しくなれるから。
・過労で倒れたのに病院から抜け出して合コンを掛け持ち。
・東十条さん(東幹久)との結婚が決まっているのに、
「結婚式の前日まで、さらに上の男を探すのよ!」と言って合コン。
このバイタリティと貪欲さ──桜子さんから学ぶことはたくさんある。
日本がまだ元気だった時代の象徴でもある。
「恋なんかに落ちちゃダメ。あんなもんに落っこちるから人生とっ散らかるのよ。
舞い上がったり落ち込んだり、そんなの単なるエネルギーのロスよ。
本当に幸せになりたかったら一時の病気よりも冷静な判断力。
どんな誠実な男よりも信じられるのはお金。お金は絶対に裏切らない」
「今、何と? このわたくしが失恋?
失恋というのは、恋を失うというあの失恋かしら?
恋なんていうものはね、人間もどきにするものじゃなくてお金にするものなの。
お金は女を裏切らないの。私の辞書に『失恋』なんて言葉はないの」
桜子という主人公は画期的だ。
何しろ恋愛ドラマなのに恋愛を否定してしまうのだから。
当然、桜子は貧乏人の魚屋の中原 欧介(堤真一)を否定する。
「中原欧介、究極の貧乏で苦労しすぎて幻覚でも見たんじゃないの? おーほほほっ!」
「この人は貧乏が趣味なの。貧乏が生きがいなの。貧乏じゃないと生きていけないの」
↑
見事なせりふ!笑
脚本は中園ミホさん(相沢友子さんも5話・8話を担当している)。
「やまとなでしこ」の中園ミホさん、せりふが冴えまくってるなぁ!
こんなせりふもある。
「バッカじゃ中目黒! 何祐天寺(なに言うてんじ)!」
※東京に住んでいないとわからないかもしれないが。
一方、「貧乏が生きがい」の中原欧介を好きになる女性が出て来る。
桜子の後輩CAの塩田若葉(矢田亜希子)だ。
若葉は言う。
「がんばってお店を続けましょう! わたしは魚屋の欧介さんが好きなんです」
若葉ちゃん、良い子だ。
魚屋を手伝ってくれるし、すべてを受け入れてくれるし、
僕を含めた世の男たちはほとんど〝若葉ちゃん派〟だろう。
だが最終的に欧介が選んだのは桜子。
数学の研究で魚屋をやめてニューヨークに行くことをためらう欧助に桜子は言う。
「要するに数学から逃げてるだけでしょう! 一歩踏み出しなさいよ!」
「何がニューヨークよ! 何が数学よ!
ニューヨークに行ったってまた逃げて帰ってくるんじゃないの?
とっとと行っちまえ! 行くなら一生帰って来るな! 今度は絶対逃げんなよ!」
この桜子の言葉の方が若葉の言葉より、欧介の心に染み込んだんですね。
なにしろ若葉の言葉は──
「がんばってお店を続けましょう!」
「数学にのめり込んだら欧介さんはわたしが見えなくなる」
「わたしは魚屋の欧介さんが好きなんです」
欧介は現状維持より一歩踏み出すことを選んだ。
魚屋よりニューヨークに行って数学の研究をすることを選んだ。
その時、傍らにいるべき女性は──桜子。
「やまとなでしこ」ひさしぶりに見たが面白かった。
ともかく神野桜子というヒロインが強烈で素晴しい。
神野桜子はひとつの時代をつくった女性像になった。
※追記
桜子のキャラクターについて書き加えておくと──
・桜子がCAになったのはファーストクラスのお金持ちと親しくなれるから。
・過労で倒れたのに病院から抜け出して合コンを掛け持ち。
・東十条さん(東幹久)との結婚が決まっているのに、
「結婚式の前日まで、さらに上の男を探すのよ!」と言って合コン。
このバイタリティと貪欲さ──桜子さんから学ぶことはたくさんある。
日本がまだ元気だった時代の象徴でもある。