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炭焼き母ちゃんの奮闘記
スローライフ・エコライフ・エンジョイライフ

備長炭公園にて

2007-02-18 12:08:44 | 日記・エッセイ・コラム

備長炭公園は今までに何回か訪れたことがある。
梅料理の試食サービスと聞いて家族ででかけ、創作料理など堪能し、炭琴コンサートを聴き、1日楽しんだこともある。
龍神から田辺市内へ出る時は、道の駅でもあって、ちょうどよい休憩地点である。

今回訪れようと考えたのは、炭を取り扱ってくれているお客さんからの依頼によるもの。
『紀州備長炭』と書かれた”のぼり”が手に入らないか?と言う。
おそらくここには何本もの”のぼり”がはためいているだろう・・・とは思いつつ、我が家からはとても不便なところゆえ、行くタイミングをみつけれずにいたのだ。

案の定、ありました、ありました。入り口から駐車場に数本。
赤い生地に文字を黒と白で抜かれた”のぼり”が。
目立ちそうでいいなぁと思ったら、下部に”田辺市”とまで入っていた。
しゃーない、問い合わせは後日、市役所にするとして・・・公園内をグルッと散策。

私にとっては珍しくもない釜場の前を通り過ぎようとしたら・・・
炭焼きのおじさんと前を歩いていた観光客が話をしている。
立ち止まっておじさんの手元を見て、アッと思った。

直径25cm、高さ20cmくらいの株の炭。
壺状になっていて、そこに径1~2cm長さ30cm前後の炭をさしていた。
私もビンや壺、かごなどにさして部屋に飾ることは勧めているが、容器まで炭で作っちゃう、その技術にびっくりした。

観光のお客さんは、興味は示したものの、購入には至らず、立ち去ったあと、おじさんに話しかけてみた。
他の長い炭と一緒に釜の中で焼いて出来るのか?
穴はどうしてつくるのか?などなど。

炭焼きの妻であることを明かした上で、いろいろ教えてくれた。
「ただ炭を焼いてるだけより、たまにこんなん入れて楽しまなぁ」
「どんな形の炭が出来るか、楽しいでぇ・・・」
と言いながら、灰の中から出てくる、出てくる。変わった形の炭。
私は灰だし中にたまたま出来たのを取っているが、このおじさんはわざわざ原木の段階で出来上がりを想像して、釜に入れ、炭になるのを楽しんでいる。
趣味であり、アートだ。

釜の横に置かれた棚のコレクションに興味をもって眺めていたら、
「もっとすごい作品見たいか?」と聞いてきた。
倉庫に連れて行ってもらい、みせてもらう。
アートを越えた、見事な”炭の芸術品”の数々。

当初の目的以上のすごい、大収穫!!
自分なりの炭への楽しみ方があってもいいんだ、と確信がもてた気がする。