アニメとかドラマとか映画で羨ましいなと思うのは、A地点にて誰かがしゃべり、いったん切って、そのセリフの続きをつないだときに、場面がB地点に移っていても違和感なく見てられるってことである。この手法は、2人の人物が移動しながら話している時などにも使われる。専門用語でどういうんだろうと調べてみたが、wikipediaには「カット割りによる時間経過」とだけ記してあった。「ジャンプカット」とはまた別で、あまりにありふれた手法ゆえ特別な呼称はないらしい。
ビジュアルは情報量が多い。背景をみれば場所が変わってるのは文字どおり一目瞭然なのだ。だからしぜんに話がつながるのだが、これをコトバでやろうと思ったら厄介で、小説でやってみたこともあるが、難しい。段落ごとバサッと切って、2行ほど空けて次の段落に移るってのがいちばん手っ取り早いけど、それだと滑らかな持続感が出ない。
「たとえばだけどさ、たとえばだけど……」とキマリがちょっと遠い目をして呟くように言ったとき、4人は採氷の現場におり、まだ日は高かった。それに続けて、「日本に帰らないで、もっと南極にいようよー」というようなことをキマリは述べたらしいのだが、それは表立っては描かれない。
次のシーンは、日向の「はあ?」という呆れ声からはじまる。
4人はべつの場所にいて、日はもう翳りを帯びている。これはそのような光のもとでこそ綴られるべきシーン。地味ながら印象ぶかい名場面のひとつだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/fd/b345a1b3e965ec463ae351c68ca397b1.jpg)
「だから、部屋も空いてるわけだし、ここからならずっと動画も送れるわけでしょ。いまぜったい帰らなきゃいけないってこと、ないでしょ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/70/7cd1799d34f9eaf5b9983b1ce40cf123.jpg)
「ん。」
キマリ、いったんは顔を近づけようとして、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/07/72d290491796a9e730128307ed5040e5.jpg)
「い、痛くするつもりでしょ。」
「しない、しない。」
「う……」真に受けて顔を近づける。なんとも正直な人である。そんでもって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/43/a7d32556ef05a5bc99182610dd5b02e7.jpg)
ぺしっ
手袋をしてる分だけましであろうか
「う、うそつきー。うぎゃー。」
「当たり前だ。いま帰らなかったら来年まで帰れないんだぞ。」
やっぱり日向はちょっぴり荒い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/a4/e278c0b24fcaa0fb238a2222ed9f4e4b.jpg)
「わかってるよ、大丈夫。私、空が暗かったらずっと寝てられる自信あるから。」
「学校はどうするの。戻った時にはみんな卒業よ。」と報瀬。
「家族はどうするんです?」と結月。
「ゆづのドラマは?」と日向。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/da/5ebabce1a3c489a58aacdf2f59087763.jpg)
「それは……」
この顔を見た結月。ふっと微笑んで、
「まあ、私も帰りたくないって気持ちはありますけど。」
「じゃあ、また来てくれる?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/68/38e5e262b644553cfbc880a34123b9db.jpg)
「え? ああ、いいですよ?」
結月のこの、「何を当たり前のことを訊くんだろうこの人は?」みたいな感じの答え方が好きだ。
「越冬だよ! この4人でだよ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/d4/a67ba88fd000b61338d0455b94c7d481.jpg)
「わかってる」
日向の「わかってる」にも安定感が漂う。
「絶対だからね! 断るのなしだからね!」
かんじんの報瀬が、「はいはい。」と、あしらうような言い方をするので……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/86/c01c2e246a679ac80f6105991b9a9deb.jpg)
「本気で訊いてる。」
むにゅ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/f3/b03a09ec7f43f0a7849815d6a95f6031.jpg)
「本気で答えてる。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/ce/3e38327fe3f0b9f11cfc068afe3f539b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/ae/1e2dc9452def6fdcbc6a6b94f71d9c86.jpg)
「ならよし! うひひ。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/6e/97dd5ca5b6e7c28bd8a22a72b07b2b41.jpg)
全員で寝転がって……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/53/4d6b875b481ea809e70516628e2b5498.jpg)
「それより、どうするんですか。隊長に言われたじゃないですか。最後にやりたいことがあったら言えって。」
「最後か……」
キマリのこの「最後か……」のところから、挿入歌「ONE STEP」がはじまる。8話で甲板に出て波をかぶったとき以来だ。この最終話では、これまでクライマックスシーンを彩ってきた挿入歌がぜんぶ使われ、フィナーレを飾る。
ビジュアルは情報量が多い。背景をみれば場所が変わってるのは文字どおり一目瞭然なのだ。だからしぜんに話がつながるのだが、これをコトバでやろうと思ったら厄介で、小説でやってみたこともあるが、難しい。段落ごとバサッと切って、2行ほど空けて次の段落に移るってのがいちばん手っ取り早いけど、それだと滑らかな持続感が出ない。
「たとえばだけどさ、たとえばだけど……」とキマリがちょっと遠い目をして呟くように言ったとき、4人は採氷の現場におり、まだ日は高かった。それに続けて、「日本に帰らないで、もっと南極にいようよー」というようなことをキマリは述べたらしいのだが、それは表立っては描かれない。
次のシーンは、日向の「はあ?」という呆れ声からはじまる。
4人はべつの場所にいて、日はもう翳りを帯びている。これはそのような光のもとでこそ綴られるべきシーン。地味ながら印象ぶかい名場面のひとつだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/fd/b345a1b3e965ec463ae351c68ca397b1.jpg)
「だから、部屋も空いてるわけだし、ここからならずっと動画も送れるわけでしょ。いまぜったい帰らなきゃいけないってこと、ないでしょ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/70/7cd1799d34f9eaf5b9983b1ce40cf123.jpg)
「ん。」
キマリ、いったんは顔を近づけようとして、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/07/72d290491796a9e730128307ed5040e5.jpg)
「い、痛くするつもりでしょ。」
「しない、しない。」
「う……」真に受けて顔を近づける。なんとも正直な人である。そんでもって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/43/a7d32556ef05a5bc99182610dd5b02e7.jpg)
ぺしっ
手袋をしてる分だけましであろうか
「う、うそつきー。うぎゃー。」
「当たり前だ。いま帰らなかったら来年まで帰れないんだぞ。」
やっぱり日向はちょっぴり荒い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/a4/e278c0b24fcaa0fb238a2222ed9f4e4b.jpg)
「わかってるよ、大丈夫。私、空が暗かったらずっと寝てられる自信あるから。」
「学校はどうするの。戻った時にはみんな卒業よ。」と報瀬。
「家族はどうするんです?」と結月。
「ゆづのドラマは?」と日向。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/da/5ebabce1a3c489a58aacdf2f59087763.jpg)
「それは……」
この顔を見た結月。ふっと微笑んで、
「まあ、私も帰りたくないって気持ちはありますけど。」
「じゃあ、また来てくれる?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/68/38e5e262b644553cfbc880a34123b9db.jpg)
「え? ああ、いいですよ?」
結月のこの、「何を当たり前のことを訊くんだろうこの人は?」みたいな感じの答え方が好きだ。
「越冬だよ! この4人でだよ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/d4/a67ba88fd000b61338d0455b94c7d481.jpg)
「わかってる」
日向の「わかってる」にも安定感が漂う。
「絶対だからね! 断るのなしだからね!」
かんじんの報瀬が、「はいはい。」と、あしらうような言い方をするので……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/86/c01c2e246a679ac80f6105991b9a9deb.jpg)
「本気で訊いてる。」
むにゅ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/f3/b03a09ec7f43f0a7849815d6a95f6031.jpg)
「本気で答えてる。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/ce/3e38327fe3f0b9f11cfc068afe3f539b.jpg)
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「ならよし! うひひ。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/6e/97dd5ca5b6e7c28bd8a22a72b07b2b41.jpg)
全員で寝転がって……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/53/4d6b875b481ea809e70516628e2b5498.jpg)
「それより、どうするんですか。隊長に言われたじゃないですか。最後にやりたいことがあったら言えって。」
「最後か……」
キマリのこの「最後か……」のところから、挿入歌「ONE STEP」がはじまる。8話で甲板に出て波をかぶったとき以来だ。この最終話では、これまでクライマックスシーンを彩ってきた挿入歌がぜんぶ使われ、フィナーレを飾る。