ダウンワード・パラダイス

「ニッポンって何?」を隠しテーマに、純文学やら物語やら、色んな本をせっせと読む。

SF作家おすすめ40

2024-05-08 | 雑読日記(古典からSFまで)。
 世界的ベストセラー『三体』が文庫化されたのでさっそく読んだら、これがべらぼうに面白く、久しぶりにSF好きの血が騒ぎだした。訳者の大森望氏がいうように、「話の骨格は、セーガン『コンタクト』とクラーク『幼年期の終わり』と小松左京『果しなき流れの果に』を一緒にしたような、古風な本格SF」なのかもしれないが、ふだんSFを読まない層までをもこれほど惹きつける手腕は並大抵のものではない。これを読んでSFに興味をもった若い読者もいるのではないか。
 ところが改めて調べてみると、「これ一冊あれば」と言いたいようなSFのガイドブックが見当たらない。ハヤカワ文庫から『海外SFハンドブック』というのが出ているが、初版が2015(平成27)年といささか古いし、内容もちょっと物足りない。こんなときは自分で試作するしかない。
 リストアップの順番は、生年順ではなく、「ぼくがいま面白いと思う」指数と「SF史上の重要性」指数との合計による。なお、2024年5月現在、主要な著作が新刊として入手できない作家は、いかに面白かろうと重要だろうと泣く泣く落とした。




01 劉慈欣(1963~) 『三体』


02 ロバート・A・ハインライン(1907~1988) 『月は無慈悲な夜の女王』『異星の客』『夏への扉』
03 アーサー・C・クラーク(1917~2008) 『幼年期の終わり』『都市と星』『2001年宇宙の旅』
04 アイザック・アシモフ(1920~1992) 『われはロボット』『鋼鉄都市』『銀河帝国興亡史(ファウンデーション・シリーズ)』


05 グレッグ・イーガン(1961~) 『宇宙消失』『ディアスポラ』『祈りの海』『しあわせの理由』
06 テッド・チャン(1967~) 『あなたの人生の物語』『息吹』


07 ダン・シモンズ(1948~) 『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』『エンディミオン』『エンディミオンの覚醒』


08 ウィリアム・ギブスン(1948~) 『ニューロマンサー』『クローム襲撃』
09 ブルース・スターリング(1954~) 『スキズマトリックス』
10 ニール・スティーヴンスン(1959~) 『ダイヤモンド・エイジ』『クリプトノミコン』『スノウ・クラッシュ』


11 レイ・ブラッドベリ(1920~2012) 『火星年代記』『華氏451度』『刺青の男』
12 スタニスワフ・レム(1921~2006) 『ソラリス』『完全な真空』
13 P・K・ディック(1928~1982) 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』『高い城の男』『トータル・リコール』
14 カート・ヴォネガット(1922~2007) 『タイタンの妖女』『スローターハウス5』


15 ジョージ・オーウェル(1903~1950)『1984』
16 ストルガツキー兄弟(1925~1991/1933~2012)『ストーカー』


17 アーシュラ・K・ル=グィン(1929~2018) 『闇の左手』『所有せざる人々』
18 ジェイムス・ティプトリー・ジュニア(1915~1987) 『愛はさだめ、さだめは死』『たったひとつの冴えたやりかた』
19 コニー・ウィリス(1945~) 『ドゥームズデイ・ブック』『航路』『ブラックアウト』『オールクリア』


20 パオロ・バチガルピ(1972~) 『ねじまき少女』
21 ラメズ・ナム           『ネクサス』


22 J・G・バラード(1930~2009) 『結晶世界』『クラッシュ』
23 ブライアン・オールディス(1925~2017) 『地球の長い午後』
24 ウィリアム・バロウズ(1914~1997) 『裸のランチ』


25 グレッグ・ベア(1951~2022) 『ブラッド・ミュージック』『永劫』
26 ロジャー・ゼラズニイ(1937~1995) 『伝道の書に捧げる薔薇』
27 ハーラン・エリスン(1934~2018)『世界の中心で愛を叫んだけもの』


28 フランク・ハーバート(1920~1986) 『デューン 砂の惑星』
29 アルフレッド・ベスター(1913~1987) 『虎よ、虎よ!』
30 ジェイムズ・P・ホーガン(1941~2010) 『星を継ぐもの』
31 ジョン・ヴァーリー(1947~) 『逆行の夏』
32 オースン・スコット・カード(1951~) 『エンダーのゲーム』


33 ダグラス・アダムス(1952~2001) 『銀河ヒッチハイク・ガイド』


34 トム・ゴドウィン(1915~1980) 『冷たい方程式』
35 ダニエル・キイス(1927~2014) 『アルジャーノンに花束を』

36 マーサ・ウェルズ(1964~) 『マーダーボット・ダイアリー』
37 アンディー・ウィアー(1972~) 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』




番外
危険なヴィジョン〔完全版〕1~3
アンソロジー短編集 ハヤカワ文庫










 「新刊で入手できるもの」という条件を入れると、とたんに限定されてしまう。時代を超えて読み継がれていくというのは大変なことだ。誰か重要なひとを忘れているような気もするが、とりあえず今回はここまで。






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