ダウンワード・パラダイス

「ニッポンって何?」を隠しテーマに、純文学やら物語やら、色んな本をせっせと読む。

21.11.01 衆院選の結果を受けて

2021-11-01 | 戦後民主主義/新自由主義





猫=リュック・ポンティ
@nasitaro
消費税は19%に変わり、もっと解雇しやすく、給料は更に少なくなりますよ。でも自分で選んだんじゃ仕方ないよね。




怪老医@doctor0621
@doctor0621
戦前は大政翼賛会が8割以上を占めたらしい。日本人のような農耕民族は上に従う気質が強いのかもしれない。
絶望的な厭世気分に陥っている。
選挙で大きな不正があったわけではないなら、これが現実なのだろう。




世に倦む日日
@yoniumuhibi
経団連会長がこの選挙結果を「大いに歓迎」とコメントしている。実際そうだろう。逆風に見えた新自由主義が選挙で勝利するという絵になったのだから。大喜びだろう。経団連も連合も。経団連が「大いに歓迎」ということは、われわれにとって最悪の結果になったということだ。




猫=リュック・ポンティ
@nasitaro
悪夢の自民党政権がこれから四年間続きます。






☆☆☆☆☆☆☆☆


 というわけで、今回の衆院選は以下の結果に。()内は公示前の議席数。




自民党   261議席(276)
立憲民主党  96議席(109)
日本維新の会 41議席( 11)
公明党    32議席( 29)
国民民主党  11議席( 8)
共産党    10議席( 12)
れいわ新選組  3議席( 1)
社民党     1議席( 1)
無所属    10議席( 12)





 自民は微減ながらも「絶対安定多数」をぴったり確保して(「安定多数」については上の表を参照)、公明党と併せて国会運営には何ら支障なし。維新は4倍増で第三党へと躍進。立憲民主が13議席減。あと目につくのは、れいわ新選組が議席を3つに増やしたことくらいか。
 自民党内で目を引いたのは、現役の党幹事長・甘利明氏の小選挙区での落選。甘利氏は比例区で復活当選したものの、幹事長辞任の意向を首相に伝えたとか。ほかには知名度の高い石原伸晃、野田毅氏らも落選。野党のほうでは、立憲民主党の小沢一郎氏も小選挙区で落選とのことで(比例で復活)、これにはぼくなども「ひとつの時代が終わったか」と多少の感慨を抱かせられた。平成後期生まれには伝わりにくいやもしれぬが、小沢一郎といえば、かつて「政界再編」のキーパーソンだった政治家である。党の副代表・辻元清美氏も維新旋風に呑まれて小選挙区で落選、比例区での復活もかなわなかった。


 当ブログでは選挙に向けてあれこれ述べてきたけれど、おおむね予想どおりの結果である。自民が少し減らして維新が躍進するだろうと思っていた。立民はいくらなんでも100を超えるだろうと思っていたので、いくぶん意外だったが、総じてさほど驚くところはない。


 ひとつには、野党第1党たる立憲民主党に、まったく魅力がなかったからである。魅力もなければ迫力もない。「是が非でも政権を取って自民党政治を終わらせ、日本を良い方向にもっていく!」という気概がぜんぜん感じられない。これでは自民批判の受け皿にはなれない。
 日本維新の会は、当ブログにてしつこく述べてきたとおり「新自由主義」を推し進める会派で、この路線でいけば格差社会がいよいよ酷くなる……より分かりやすくいえば「日本全体がブラック化する」わけだが、見た目が派手で、勢いがあるのは確かだから、そりゃ大衆受けはよいだろう。なんでも地元大阪ではほぼメディアをジャックしているそうだし、吉本芸人の援護射撃もあるし、とうぶん進撃は止まらぬだろう。


 この結果には驚いてはいないし、上でツイートを引用させて頂いた「怪老医」さんのように「絶望的な厭世気分に陥っている。」わけでもないのだが、「困ったなあ。」とは思っている。これでまた格差が広がり、国際競争力は落ち、国力が衰えていくのが目に見えているからだ。まるで選挙に合わせたかのような京王線での事件のような忌まわしい犯罪が、これからいよいよ増えていくだろう。この国はさらに貧しく、下品に、粗暴になり、下級国民は本当に暮らしにくくなる。それはやっぱり困ったことだ。


 当面は、岸田文雄首相の良識と知性と力量に期待をつなぐより仕方がないか……。元来これは「文化ブログ」の筈なのだけれども、もうすこし政治の話を続けてみたい。





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