ダウンワード・パラダイス

「ニッポンって何?」を隠しテーマに、純文学やら物語やら、色んな本をせっせと読む。

21.11.05 時事的放談

2021-11-05 | 戦後民主主義/新自由主義
 いまの日本には問題が山積みで、しかも軽石みたいに湧いて出ては後から後から押し寄せてくるので、正直マコムロさんなんかにかまけている余裕はないし、たいていの人は話題にすること自体うんざりしてると思うんだけど、さっさとNYにいって目の前から消えてくれればともかく、誰かさんがあまりにも甲斐性なしすぎて下手すると無尽蔵に血税が横流しされかねぬ趨勢なので、いつまでも無駄に苛々させられますね。とにかく一刻も早く経済的・精神的に自立して(大人になって)身の丈に合った生活をしてください。久邇通子さんなどの例もあるんだから。
 じっさい、これまでに掛かった警備費を充当すれば漂着した軽石がすっかり除去できるなんて報道も出てますからね。どれくらい有意な試算か知らないが、それほどの巨費が湯水のように日々虚しく使われているってことです。
 この件については、「女性自身」のアンケートで見たこのコメントがいちばん的を射てると思った。
 「現状我々国民の税金で成り立っている以上、不透明な資金の流れや皇室の威光で人を動かすことはあってはならないことですから、宮家の行動を会計含め監査する体制・組織作りが重要かと思います。象徴である以上、国民の中で懐疑的な意見が増え始めたら成り立たないシステムです」(30代女性/会社員)
 はい。監査ですね。これまでは国民との皇族とのあいだに黙契というか、あたたかな信頼関係があって、とても良好だったのに、このたびのことでそこが根底から揺らいだわけだから、そういう動きが出てきて然るべきだと思います。




 さて。立憲民主党が議席を減らした要因について、いろいろと考えられるところだけど、ひどく卑小な(しかし重要な)一因として、以下のような記事も出てますね。


衆院選「民主党」案分票は400万票? 「有権者の思い反映されず」


毎日新聞 2021/11/4 19:02(最終更新 11/4 21:15)静岡
https://mainichi.jp/articles/20211104/k00/00m/010/199000c



 全国で400万票もの票が「案分票」となっていたら、公正な選挙と言えるだろうか――。10月31日に投開票された衆院選の比例代表で、立憲民主党と国民民主党がそろって略称を「民主党」として届け出たため、得票の割合に応じて票を振り分ける「案分票」が大量に生じた可能性がある。静岡県の場合、静岡市葵区で7955票もの案分票が発生。有権者の「1票」にかけた思いが正しく反映されなかったといえる。【石川宏】
 両党は公職選挙法に基づき、略称をともに「民主党」として中央選挙管理会に届け出た。中央選挙管理会は政党の略称について異議をとなえることができず、そのまま受理した。結果的に全国で膨大な案分票が出た。
 静岡県内は最多の静岡市葵区に続き、▽静岡市清水区が7463票▽静岡市駿河区が6764票▽沼津市が6896票▽三島市が4536票▽富士市(静岡5区)が8355票▽富士市(静岡4区)が630票――などが多かった。有効投票数に占める案分票の割合をみると、最も低かった静岡市葵区でも7・39%。一方、割合が高い富士市(静岡4区)は8・79%、三島市で8・78%だった。
 もちろん、県内だけの問題でなく、札幌市は7万2666票の案分票があり、開票終了が想定よりも約4時間遅れた。全国で7%の案分票が出たとすれば、合計は400万票を超え、共産党の総得票数とほぼ並ぶ。
 投開票当日、各市の選挙管理員会や投票所に対して、「間違って書いてしまった。分かりやすくしてほしい」(富士市)▽「この略称表記は正しいのか」(沼津市)――などの苦情や問い合わせが相次いだという。三島市選管の担当者は「『この政党に投票したい』という有権者の思いと違うところに票が振り分けられてしまう。解消する方法を検討してほしい」と話した。
 総務省選挙部管理課の担当者は「1992年の参院選でも日本新党と国民新党がともに『新党』を略称とした例があり、法律に基づき選挙事務を行っている。実際にどれだけの案分票が出たかは把握していない」と述べた。



(21.11.09に追加。読売新聞より。
「比例選に略称「民主党」、共産上回る4万2千票集まる…立民と国民に自動案分」)





 解散から総選挙まで12日しかなかったとはいえ、いずれ投票があるのはわかってるのに、どうして予め立憲と国民とのあいだでナシを付けてなかったのか……。これはたんに立憲に入るべき票が国民に移った可能性があるって話だけではなくて、死票が増えたってことだからね。票がもったいないのも勿論だが、「こんな基本のことがきちんとできない政党は大丈夫なのか?」と、有権者を不安にさせた面もあったと思う。ぼくだって不安になったからね。そんな立憲もたいがいだけど、あっさり受理する選管のほうもおかしい。どうにも釈然としませんね。
 あと、自民前職の細田博之氏(細田派の領袖)の地元である島根1区で、立憲前職の亀井亜紀子氏のほかに突如もう一人の「かめいあきこ(龜井彰子)」氏が立候補するという事態が起こり、しかもこの方、経歴がほぼ不明の上に、選挙ポスターが手描きであったりと、いろいろと謎が多く、一部では陰謀説も流れているとか……。
 なんだろうこれ。ロシアの選挙ではこういった事例が常套として見受けられるらしいんだけども。野党候補と同姓同名の候補者が2人も出てきて、しかも顔までそっくりとかね。さすがあちらは徹底してますが、それに日本が寄せていってどうするんだ。


 もうひとつは、投票時間の繰り上げですね。10月31日の讀賣新聞によると、
「31日投開票の衆院選で、総務省は、閉鎖時刻を繰り上げる投票所が全国で1万6967か所に上ると発表した。2017年の前回衆院選より257か所増えた。」
「茨城県では全投票所1368か所のうち1294か所で閉鎖時間が1~2時間、繰り上がる。宮崎県内の自治体には午後4時で投票終了する投票所もある。」
「総務省のまとめによると、投票所の総数は4万6466か所で、前回より1275か所減った。投票所数の削減や投票所の時間短縮は経費削減も目的とみられる。」
 とか。
 いや、当たり前みたいに書いてるけど、これは有権者から投票の機会を奪うっていうことなんだからね。そりゃ統計的にどれくらい有意な数になるかは不明だけども、これで投票率がいくらかは下がってるのは間違いない。
 「経費削減」が理由らしいんだけど、五輪に4兆円ぶっこんでバッハと身内で山分けしといて、こういうところの経費は削るか。本末転倒というしかない。


 総じて、「民主主義」の価値が切り下げられてるという印象があるんですよね。そこが気持ちわるくてしょうがない。今回述べた件は、ぼくのなかではみんな「民主主義の価値が切り下げられている。」という点で同列の案件なんだけど、見ていると、「左」を自認する方々はマコムロさんの件には寛大であるか黙認してるし、「右」を自認する方々は自民党に有利になることならすべてOKだから選挙の不正(っぽいこと)については完全スルーで今は立憲叩きに勤しんでるし、双方をおなじように憂えてる人ってものは見かけないね。


 ぼくはただ、自由で民主主義的で、しかも伝統があって「統合の象徴」としての天皇のいる戦後ニッポンが好きなんですよ。そして、その戦後ニッポンを支えてきたのは分厚い中間層だという確信がある。だから中間層を再建するためには相応の分配が必要だと思う。ただしそれは「ばら撒き」ではなく、健全な経済の循環のなかで給与として行きわたるのが望ましい。はなはだシンプルで当たり前のことを言ってるだけだと思うんだけどな。







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