アートのようなコント(笑)

「さよなら、人類」69点★★★★




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家でワインのコルク栓を開けようとしている中年男は
力んだとたん、倒れてしまう。

しかしキッチンで鼻歌を歌っている妻は



夫の異変に気づかない。
病院のベッドにいる老女は
いままさに命を終えようとしているが
宝石でいっぱいのカバンを抱きしめたまま
絶対に離そうとしない――。

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「愛おしき隣人」(07年)の
ロイ・アンダーソン監督の新作。

第71回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞(グランプリ)を
受賞してます。


まず
写真集のような、フレーミングバッチリに決まった静止画が
目を釘付けにする。

それが動き出して
シュールな大人コントをする……といった感じを
イメージしてもらうといいと思います。

全39シーンを、固定カメラで
1シーン1カットで撮影しているそうで

なんというか、1シーンがそれぞれ
人間の、人類の、標本箱のような。


描かれるのは
死や孤独にまつわるものが多い。

それぞれに皮肉とユーモアが効いていて
かつシュールな感覚もあり。

ロイ・アンダーソン監督はCM畑の人でもあるので
確かに、一つ一つがよくできたCMみたいでした。
ビジュアル的にも好きなんですが
ちょっと、39シーンは長かったかな。
★8/8(土)からYEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開。
「さよなら、人類」公式サイト