ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ダンシング・チャップリン

2011-04-13 20:43:54 | た行

周防正行監督の新作は

ドキュメンタリーと舞台シーンの
2部構成という
ちょっと珍しい映画です。


「ダンシング・チャップリン」65点★★★


1991年にフランスで初演された
バレエ作品「ダンシング・チャップリン」。

「街の灯」「キッド」「モダン・タイムス」など
チャップリン映画の名シーンで構成された舞台を
映画化しようという試みで


前半は
映画作りに奔走する周防監督と

チャップリン役ダンサーのルイジ・ボニーノと
監督の妻である草刈民代の
リハーサルなどを描くドキュメンタリー。


そして
できあがった舞台を見るのが後半、

……というわけですが

映画としてはやはり
前半のドキュメンタリーが
圧倒的におもしろいですねえ。


まず映画化にあたって
元ネタの作者(=巨匠振付師ローラン・プティ)に
許可を取るところから
始まるわけですが

まあこの交渉がえらく大変そうなんですよ。


特に舞台場面をどう映像化するかで
監督との意見が分かれるところの
駆け引きなんぞ
相当にハラハラしました。


監督だって意地があるけど
ヘタに巨匠のご機嫌を損ねたら
「なら、この話はナシ!」って
なりかねないしねえ(ヒヤヒヤ)


こうした交渉シーンや
ダンスリハーサルの苦労などの伏線が
後半の舞台に効いてくる、というのが
見どころですね。



どんな映像表現になったかは
ぜひ見ていただきたいですが

まあ正直、
舞台を見た、という感じではありました。


ただ
この形態でなければ
バレエによほど興味がある人以外は
見なかっただろうな、と思うので

その点は十分、成功といえるでしょう。


なにより
こんなにも美しく輝く奥さんの姿とその功績を
フィルムに残したいと思うのは
まったく当たり前の欲求ですよ。


それほどに民代さん
輝いていますから。

語学も堪能で
ダンサーたちと
しっかりコミニュケーションを取る様子も
カッコイイし

意外によく笑うことに
驚いたりもして。


いいですね、キレイな奥さんて。
他人のだけど。


★4/16から銀座テアトルシネマほか全国で公開。

「ダンシング・チャップリン」公式サイト


どうでもいいけど
話題の「ブラック・スワン」(5/11公開)を
民代さんが見たらどう感じるのかなあと
すごく気になっている。

どこかでコメントとかしてるかな。

「ツウの一見」で取材したかったなぁ。

ちなみにプレスシートのこのデザインも
好きです。

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