これはよかったなア。
「さよならくちびる」76点★★★★
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「二人とも、ホントに解散の決意は変わらないんだな?」――
2018年、夏。
ハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)のデュオ<ハルレオ>は
インディーズでCDを出し、これから!というときに
解散することになった。
マネージャーでローディー兼運転手のシマ(成田凌)は
そんな二人を連れて、解散ツアーに出る。
車中でも険悪ムードな二人だが
彼女たちには
そこに至るまでの、かけがえのない時間があった。
それは、一人で曲を作り、歌っていたハルが
レオを誘った、あの日に遡る――。
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小松菜奈×門脇麦がデュオを演じ、
秦基博×あいみょんが、彼女たちが劇中で歌う楽曲を提供した、という作品。
これが、予想以上に、
すごくよかった。
最初は「女子二人のデュオが、男(成田凌)の出現で危うくなる?」とか
なんかドロッドロな女子っぽいイメージを持ってたんですが
いや、もっと「純度」が高かった。
音楽も、猛烈にいいけど、
とにかく
ぶっきらぼうで、行間なくて、愛想ないけど、
身ひとつあれば、なんでもできる。
そんな若者の感じ、希望と、刹那が映ってると感じました。
特に
ぐるぐる、うねうね、もやもやと
一直線に行けばいいのに、遠回りしてしまう、若さゆえのあの感じが
普段はだる~な感じでも
ステージでは蛍のような、やさしいけれど凜と光りを放つ
門脇麦氏に、象徴されてる気がしました。
てか
小松菜奈氏の歌声も魅力的だけど
門脇さんも、歌うますぎ!(笑)
<ハルレオ>として、ライブハウスをめぐるうちに、
二人の歌の経験値があがり
同時に我々も、だんだん彼女たちの歌を憶え、
そして「あれ?」と気づくとファンになっているという
この構造も、シンプルにして
ヤラレタ感じでした。
映画は解散ツアーの道中に、
2人のこれまでの物語が挟まるという構成なんですが、
この過去パートは
小松菜奈氏の髪型の変化だけで
年月の経過を表現している。
この手法は
写真家・奥山由之氏が製作して、けっこう巷で話題の
ネバー・ヤング・ビーチの「お別れの歌」のPVと同じ作り。
映画のスタイリングを、同じスタイリスト伊賀大介さんが手がけているようで
なるほどー。納得いたしました。
★5/31(金)から全国で公開。