ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アメリカン・アニマルズ

2019-05-17 23:14:32 | あ行

 

監督はドキュメンタリー畑の人なのか。

なるほどねー。

 

「アメリカン・アニマルズ」69点★★★★

 

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2004年、米ケンタッキー州。

大学生のウォーレン(エヴァン・ピーターズ)とスペンサー(バリー・コーガン)は

退屈な日常に飽き飽きし

「特別な人間になりたい!」と夢見ていた。

 

そんなある日、二人は大学の図書館に

時価1200万ドル近い貴重な本があることを知る。

 

警備もさほどではない、一介の大学図書館に?

これは・・・・・・

盗んで、大金を手にして、自力で未来を掴むしかねえべ?

 

と、二人は仲間を引き入れ

大胆不敵な強盗計画を実行しようとするのだが――?!

 

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2004年に実際に起こった

大学生による「稀覯本強奪事件」を描いた作品です。

実話が基というので

ふむふむ、と観たのですが

 

 

う~ん、まず単純に

ちょっとイメージとは違った。

 

たとえばカンニング事件を描く「バッド・ジーニアス」(18年)のような、

軽妙かつマジでハラハラ&胸すく犯罪もの・・・・・・ではないんですよね。

 

計画も雑だし(笑)

 

 

ただ、冒頭の「実話基、ではなく、“実話そのもの”」という

テロップはホント。

というのも

実際に事件を起こした本人たちが

ガチで登場するという(すげえ!)。

 

どうやってくどいたんだろう?

証言する家族とかも、本物なんだよね? いや、家族は違うのか?

 

と、観ながら混乱もする

フィクション部分とリアルのこの交差は、ちょっとなかったな、という。

監督のバート・レイトン氏は

ドキュメンタリー畑で活躍してきた方だそうで

なるほどね、という感じ。

 

犯行までの運びが退屈なのも

「やるのか?」「マジでやるのか?」「やるだろ?」「ホントにやるのか?」――という

若者たちのリアルな逡巡、であるわけで。

 

実際に犯行は行われたのか?その結果は?――がミソなので

楽しめるとも思いますが

 

多分に、これは

「あんなことしちまった」という振り返りと「その結果」を見せつける

教訓譚だな、との印象になりました。

 

主犯の一人を演じるのが

「聖なる鹿殺し」(18年)

不気味~な青年を演じ、めちゃくちゃ印象を残した

バリー・コーガンで

やっぱいいよね、彼!

 

★5/17(金)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。

「アメリカン・アニマルズ」公式サイト

コメント
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