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ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

2018-05-01 21:35:17 | あ行

 

いや~、この話は当然

リアルタイムで知ってますからねー。

 

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」77点★★★★

 

*********************************

 

1970年、アメリカ・オレゴン州。

トーニャ・ハーディングは

白人の低所得層である母ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)のもとに生まれた。

 

母に暴力を振るわれながら育ったトーニャだが

幼いころからスケートに興味を示し、4歳で才能を開花させる。

 

ラヴォナはそんな娘を「貧困脱出のカギ」とにらみ、

コーチをつけ、特訓をする。

 

そして1991年。

成長したトーニャ(マーゴット・ロビー)は

全米選手権でアメリカ人で初めてトリプルアクセルを成功させ、

一躍注目を浴びるのだが――?!

 

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とにかく主演の

 

マーゴット・ロビーが素晴らしい!

 

彼女の熱演で

がらっぱちで下品なイメージの人物に(失礼!

新たな命が吹き込まれてる。

……ただ、この話のすべてが、真実かどうかは、そりゃわからないけどね。

 

 

1994年に起きた

ナンシー・ケリガン襲撃事件は当然、リアルタイムで知ってたけど

(ええ、けっこうフィギュアスケートに夢中な女子でしたw

 

改めて見ると本当に格好の少女漫画ネタみたい。

 

そもそもが

あまりにスキャンダラスで、色物的に見られがちな話だけど、

そこをワザと安っちく、自虐的笑いにしている脚本の愉快さと

マーゴット・ロビーの熱演に引っ張られて

 

この話の、まったく別の側面も見えてくる。

 

つまり

当時、遠い異国の我々でもうっすら抱いていた

トーニャ・ハーディングという人への印象――

 

演技からも見える典型的な“アメリカ”っぽさというか、荒っぽさや大味さ、

上品や優美とはまるで逆の

言ってしまえば

うーん「お里が知れる」的な粗忽さ?(ごめん!)

 

それが

やはりお里=家庭環境にある、ということなのかなあと。

そして「そういう目で見られる」こと自体が

彼女が課された役割であり、差別だったんだなあと

つくづく、気の毒に感じてしまいました。

 

 

母親のモンスターっぷりと

(演じるアリソン・ジャネイの重低音な迫力!「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンドといい勝負!

その影響下での幼少からの体験が

“だめんず”を許してしまう、自己評価の低い女性へと彼女を作り上げてしまった、

そのを悲しさとあわれさ。

 

なんといっても

自国アメリカでもこんなにも嫌われ、冷遇されていたとは……。

その、気の毒さに胸の奥がツーンとしました。

ちなみに

トーニャの幼少時代を演じるのは

「gifted/ギフテッド」で大注目されたマッケナ・グレイスちゃんです。さすが、光るわー。

 

★5/4(金・祝)から全国で公開。

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」公式サイト

コメント (2)
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