ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

イカリエ-XB1

2018-05-17 12:42:49 | あ行

これは惹かれるビジュアル!

 

「イカリエ-XB1」69点★★★☆

 

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22世紀後半(2163年)に、世界で初めて生命調査の旅に出た

宇宙船イカリエ-XB1。

 

15年に渡る旅をともにするのは

40人の個性豊かな乗組員たちだ。

 

互いを気遣い、共同生活を送る彼らだが

次第にストレスが溜まっていく。

 

そんななか、気晴らしもかねたダンスパーティーが開かれた。

久々に明るい気分が船内に満ちていたそのとき

突如「緊急事態発生!」の警報が鳴り響く。

いったい、何が起こったのか――?!

 

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「2001年宇宙の旅」にもインスピレーションを与えたという、

1963年製作のチェコのSFのデジタル・リマスター版。

 

 宇宙船の乗組員らしき男性が

「地球が消えた!」と叫ぶ冒頭から、

ジワジワと狂気に犯されてゆく乗組員、そして起こる事故・・・・・・

いまにも通じるSFの素が詰まっている!と驚きです。

 

もちろん派手なCGとかはなく、モノクロームで静か系SFなんですが

独特の視覚効果がおもしろく、美しい。

 

船内のデザイン、宇宙船やロボットの造形、光の使い方など独特で斬新で

めまいがするような幻想的な感じもあります。

 

電子音楽も独特で

手がけた音楽家はヤン・シュバンクマイエルの初期短編アニメーションなどにも

楽曲を提供している方だそう。

 

ただ

こうした斬新さやめまい感、けっこう構成にもあらわれていて

前後したり、シーンが挿入されたりで

あまりわかりやすく物語が進まないんですよね~(笑)

 

ゆえについ、うつらうつら・・・となるんだけど

(試写室でもけっこうな寝息が聞こえていた・・・笑)

 

ハッと目をあけると、電子音とモノクロの宇宙が広がっていたりして

うわーなんだっけ、ここ?という不思議さも悪くない。

 

まあワシ

「2001年宇宙の旅」に

何度寝落ちしたかわからないので(苦笑)

ファーストコンタクトはこんなものかもしれません。

 

★5/19(土)から新宿シネマカリテほか全国順次公開。

「イカリエ-XB1」公式サイト

コメント
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