ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ルージュの手紙

2017-12-09 00:25:33 | ら行

予想以上に、いい映画!


「ルージュの手紙」72点★★★★


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助産婦として働きながら
シングルマザーとして一人息子を育てた
49歳のクレール(カトリーヌ・フロ)。

ある日、彼女のもとに
一本の電話が入る。

電話の主は
父の元妻で30年前に姿を消した
血のつながらない母ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)。

「会いたいの」と言う電話だった。

30年も経ったいま、なにをいまさら……と思いつつ
しぶしぶ会いに行ったクレールは

ベアトリスに
「自分は末期ガンで、後がない」と聞かされる――。


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ルージュの伝言、じゃないですよ(笑)


血のつながらない母(カトリーヌ・ドヌーヴ)と娘(カトリーヌ・フロ)の
なんやかんやの117分。

「地上5センチの恋」(06年)にはじまり
「大統領の料理人」(12年)
そして
「偉大なるマルグリット」(16年)

カトリーヌ・フロって、いいんだけど、
ちょっとおもしろみがないな~と
思っていたんですが(ごめーん

そんなイメージが、今回、
役柄にピタリとハマったのが勝因ですねえ。


生真面目なカトリーヌ・フロと、
奔放で気ままなカトリーヌ・ドヌーヴの凸凹コンビっぷりが可笑しく、
予想以上におもしろい。

口の悪いドヌーヴの毒舌っぷりも
彼女が言うとなんか憎めないというか。

二人の会話の噛み合わなさ、

助産婦であるフロの
仕事場の様子として挟まれるリアルな出産シーンに
シンプルに熱い思いが込み上げるし
(実際にリアル妊婦による出産だったらしいす)

フロの息子役
「あの頃、エッフェル塔の下で」(15年)の
カンタン・ドルメール君もいい味。


全編、ちょっとほろ苦く
かつ、人生にほんのり紅をさすようで
タイトル、うまく重なっていました。


それにねー
主人公の住む街がなんだかうちの近辺に似ている気がして
すごく親近感(笑)。
この家庭菜園も、近所で借りてた区の菜園に似てるわ-とか。

そして仏映画のお約束、
ワインもたっぷり登場いたしますよー。


★12/9(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「ルージュの手紙」公式サイト
コメント
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