予想以上に、いい映画!
「ルージュの手紙」72点★★★★
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助産婦として働きながら
シングルマザーとして一人息子を育てた
49歳のクレール(カトリーヌ・フロ)。
ある日、彼女のもとに
一本の電話が入る。
電話の主は
父の元妻で30年前に姿を消した
血のつながらない母ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
「会いたいの」と言う電話だった。
30年も経ったいま、なにをいまさら……と思いつつ
しぶしぶ会いに行ったクレールは
ベアトリスに
「自分は末期ガンで、後がない」と聞かされる――。
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ルージュの伝言、じゃないですよ(笑)
血のつながらない母(カトリーヌ・ドヌーヴ)と娘(カトリーヌ・フロ)の
なんやかんやの117分。
「地上5センチの恋」(06年)にはじまり
「大統領の料理人」(12年)
そして
「偉大なるマルグリット」(16年)と
カトリーヌ・フロって、いいんだけど、
ちょっとおもしろみがないな~と
思っていたんですが(ごめーん)
そんなイメージが、今回、
役柄にピタリとハマったのが勝因ですねえ。
生真面目なカトリーヌ・フロと、
奔放で気ままなカトリーヌ・ドヌーヴの凸凹コンビっぷりが可笑しく、
予想以上におもしろい。
口の悪いドヌーヴの毒舌っぷりも
彼女が言うとなんか憎めないというか。
二人の会話の噛み合わなさ、
助産婦であるフロの
仕事場の様子として挟まれるリアルな出産シーンに
シンプルに熱い思いが込み上げるし
(実際にリアル妊婦による出産だったらしいす)
フロの息子役
「あの頃、エッフェル塔の下で」(15年)の
カンタン・ドルメール君もいい味。
全編、ちょっとほろ苦く
かつ、人生にほんのり紅をさすようで
タイトル、うまく重なっていました。
それにねー
主人公の住む街がなんだかうちの近辺に似ている気がして
すごく親近感(笑)。
この家庭菜園も、近所で借りてた区の菜園に似てるわ-とか。
そして仏映画のお約束、
ワインもたっぷり登場いたしますよー。
★12/9(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
「ルージュの手紙」公式サイト