あのアプリを
よくお話にしたなあと。
「ねこあつめの家」70点★★★★
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佐久本(伊藤淳史)は
スランプ中の小説家。
担当編集者ミチル(忽那汐里)は
佐久本をやる気にさせようとするが
なかなかうまく行かない。
あるとき
佐久本は田舎の一軒家を借りて、創作活動に励むことにする。
すると、家の庭に
猫がやってきて――?!
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まずは
ねこ、てんこ盛り!(笑)
「先生と迷い猫」のドロップさんとか
「世界から猫が消えたなら」の子猫役をしたキャベツさんとか
CHOYA梅酒のCMのシナモンさんとか
総勢18匹が見られる!ってことで
★も加点ですがな(笑)
伊藤淳史氏演じる小説家のスランプ描写が
やや長い気もするんですが、
猫によって人が何かに気づき、再生するストーリーに無理がなく
よく、あのアプリをこんなお話にしたなあと思う。
猫映画は、猫好きにとって
「どれだけ猫が出てくるか」も大事だけど
やはり「それが猫でなきゃならなかった」必然性の自然さが大事ですからね。
その点、猫ビギナーの佐久本と猫との共演は
なかなかうまい感じでした。
さらに、随所に“猫好き”を納得させる
細かい配慮がされている点がスゴイ。
まずは忽那汐里氏演じる編集者が
鏡を使って、猫を光で遊ばせるという
なかなか高度な技を披露したり(笑)、
近所のペットショップ店員(木村多江)のアドバイスが、また的確で
「ああ、よくわかってらっしゃる・・・」と、うなずくことしきり。
佐久本が彼女のアドバイスで
「猫のきもち」わかり度をあげていくにつれ、
どんどん庭に猫が集まってくる・・・という。
庭に集まってくるのは、つまり外猫なわけですから
近所の苦情が出ないように
食べ終わったごはんは出しっ放しにしないとか
庭はいつでも、きれいにしてあるし
(夢がない?いや、実写化というのはそういうものですよ。笑)
猫度を上げていく佐久本がペットショップでアルバイトをし
「あ、子猫にミルクはあげちゃだめですよ」とか
お客さんにアドバイスするのもハハハ(笑)。
昨年末に発売されたAERA別冊「ニャエラ」で
この映画について取材をさせていただきましたが
一番驚いたのが、制作側の「猫好きを納得させるための気遣い」。
猫好きならすぐに
「え~。こんなことないよ」「ダメだよ」と気づいてしまうようなことを
絶対にしない、が大事なんだそうです。
さらに
「絶対に“かわいそう”なことにしないこと」。
ほらほら
ワシが常日頃言ってるじゃないですか(笑)
そういうのは見たくないんですよ、って。
そんな苦心と配慮で作られた映画なので
猫好きに安心して進められる「猫映画」ですな。
★4/8(土)から新宿武蔵野館ほか全国で公開。
「ねこあつめの家」公式サイト