ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

パリよ、永遠に

2015-03-04 22:57:38 | は行

武器も暴力も脅しもなしで
相手を説得することなんて、できるのか――?

いまこそ、学びたいですね。


「パリよ、永遠に」66点★★★☆


******************************

1944年8月25日、未明のパリ。

敗北目前のヒトラーから「パリ壊滅作戦」を命じられた
ドイツ軍人ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍(ニエル・アレストリュプ)は

その作戦の無意味さを重々承知しながらも
職務を果たすべく、動いていた。

そんな彼の前に現れたのは
パリ生まれのスウェーデン総領事
ラウル・ノルドリンク(アンドレ・デュソリエ)。

パリを守りたい総領事とドイツ将軍の
一夜の駆け引きが始まった――!

******************************


「ブリキの太鼓」、そして近作
「シャトーブリアンからの手紙」の
フォルカー・シュレンドルフ監督作品。


パリを爆破してしまえ!というヒトラーから
パリを守った人物のお話で

「パリは燃えているか」に描かれたエピソードでもあり
知っている方は知っている。

そんな歴史の重要な一幕を
二人の主要人物のたった一晩の対話で見せるという、
究極に静かで、洗練されたネゴシエーション劇。

武器ではなく、脅しでなく、
対話だけで相手の心を動かし、説得し、
危機を回避することなど、本当にできるのか……?!

歴史の結末はわかっていても
超ハラハラします。

渋みありまくりな俳優二人の演技といい
見応えあるんですが
いかんせん、映像の動きが少なく
しかも画面が夜で、少々眠気が・・・・・・(あわわ。すいません

とにかく
大人の映画です。


★3/7(土)からBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。

「パリよ、永遠に」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする