特筆すべきは
小林聡美さんですな。


「紙の月」72点★★★★




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1994年、東京。
平凡な主婦・梨花(宮沢りえ)は

夫(田辺誠一)と二人暮らし。


梨花は「わかば銀行」の契約社員として
顧客の家に行って金融商品を紹介するなどし、
客からも信頼されていた。


そんなある日、
梨花は大学生の光太(池松壮亮)と出会い

彼と逢瀬を重ねるようになる――。



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「桐島、部活やめるってよ」吉田大八監督×角田光代原作。
原作は未読ですが
NHKのドラマでたまたま見ていた話で、
内容も「寂しい女が起こした横領事件」と、割と「ふ~ん」な題材。

なので、期待度そこそこだったんですが・・・

魅せますねえ、やっぱり。


吉田監督の、活字を映像化することに対する
意欲と果敢さは相当だなと感じました。

この映画では
一歩を踏み出してしまう主人公・梨花(宮沢りえ)の
その「一歩の瞬間」を、クールに鮮やかに描きとっている。
彼女がホームで振り返る、あのシーンにはグッとくる。

また、アラフォー女が20歳そこそこの大学生にときめく瞬間に
メランコリックでガーリーな音楽が流れたりして


うわあ、やってくれますねえ、と。

大島優子氏も“チャッカリ”な若い行員役として
魅力をうまく引き出されているし、
なにより主人公を追い詰めることになる
ベテラン行員・小林聡美氏の
静かな存在感が、すごすぎる。

この女と女の対立には



既成の悪役対立と違う、おもしろさがあります。

最後に
ちゃんと決着を着ける姿勢も、ありがたいですねえ。

★11/15(土)から全国で公開。
「紙の月」公式サイト