劇中歌で昭和歌謡が流れ
試写室が、笑いで揺れました(笑)
「嗤う分身」70点★★★★
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厳しい管理体制が敷かれ、
労働者がネジの一部のような暗~い社会。
ある会社に勤めるサイモン・ジェームズ(ジェシー・アイゼンバーグ)は
要領悪く、孤独な日々を送るダメ男。
密かに想いを寄せる同僚のハナ(ミア・ワシコウスカ)に
声をかけることもできない。
そんなある日。
会社に彼そっくりの男
ジェームズ・サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)が
入社してきて・・・?!
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「自分そっくりな人間が現れる」
ドッペルゲンガーものって
けっこうがっかりすることが多いんですが
これは久々にイケました。
ジェシー・アイゼンバーグ演じる主人公の
哀れなほどのダメ加減に引き寄せられてしまい、
さらに
徹底した美術、世界観に加点、という感じ。
全体にモスグリーンをさらに数段落としたような暗い色味で
昔の絵本のなかのSF社会みたいなイメージ。
ミヒャエル・エンデの『モモ』とかかな。
旧式な機械が地鳴りのようにグワングワン鳴り響くなか、
ミア・ワシコウスカ嬢の
ひんやりした冷たい美しさも、世界にマッチしている。
そして、そこに
なぜか昭和な日本歌謡が流れる(笑)
全てがちぐはぐで、シュールで不安で、
ストレスで、ホラー。
そこがいい。
“世界観”のほうがストレンジなので
自分そっくりな人間の登場にも全然動じないんですよ(笑)。
話としては
「で?」がないとはいえないんだけど(苦笑)
でも、この世界造型は一見の価値ありデス。
★11/8(土)からシネマライズほか全国で公開。
「嗤う分身」公式サイト