ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

SHORT PEACE

2013-07-16 23:35:22 | さ行

非ジブリなジャパニーズアニメーションにも
希望が持てますねえ。


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「SHORT PEACE」71点★★★★


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大友克洋氏ら4人の監督による、4編の短編アニメーションのオムニバス。

見ごたえありました。
トータル84分なのが惜しいような。

3本は江戸や昔話の時代を描く
ザ・ニッポンな作品で


「九十九」(森田修平監督)は武骨な男の“特技”に意外性があり
からくりのような仕掛けも楽しい1本。
ベースとなるテーマは「千と千尋の~」に似てますが。

「火要鎮」(大友克洋監督)は
屏風絵の遠近法を使った見事な作画で、
浄瑠璃のような世界。

これは、アートの粋ですハイ。


そして「ガンボ」(安藤裕章監督)。
昔話の鬼の恐怖を生々しく描いていて
白熊の闘いに胸が苦しくなるけど、実に心に残る。

大友克洋氏原作の「武器よさらば」(カトキハジメ監督)は
崩壊後の東京をあっかるく描き
懐かしきサイバーパンクの時代を思い出しました。

原作が描かれたのは30年前ですから!
「オブリビオン」の無人型偵察ポットはこれが元ネタだろう!て(笑)

ただ
残念なのはオープニング(森本晃司監督)。
作品がどうのではなく、
1話めと似た“仕掛け”があり、
せっかくの本編の驚きへの効果が薄れる感が。

でも、これを観ると
ニッポンのアニメーションの未来は明るい!と思えて
チョットウレシイデス、ハイ。


★7/20(土)から公開。

「SHORT PEACE」公式サイト
コメント (4)
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