ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ノーコメントbyゲンスブール

2013-07-26 23:27:08 | な行

彼の“声”に浸る、という
珍しい経験ができたドキュメンタリーです。

**************************


「ノーコメントbyゲンスブール」69点★★★★


**************************


1950年代にデビューし、
作詞作曲家、シンガーであり、映画監督で画家であり、

ジェーン・バーキンの元ダンナであり、
シャルロット・ゲンズブール(ズ、だったよねえ。彼女は)のお父さんであり・・・と
91年に亡くなってもなおカリスマ・オーラを出し続ける
セルジュ・ゲンスブール氏のドキュメンタリー。

おもしろいのは、
彼が生前、自分について語った
録音テープなどを基に作られているところ。

独白に近い語りと映像で氏の人生を描いているので
なんだか本人が、いまここで語っているような
不思議なドキュメンタリーになってる。

彼の声と言葉に延々包まれ、
浸れる度がかなり高い。

単調な部分もあり、途中カクンとなりましたが
舞台で観衆を前に唄うシーンなど、
あまり見たことなかったし、

ユダヤ人としての戦争体験なども
正直に語っていて

ワルおやじという今まで感じてきた側面よりも
彼の「言葉」「詩人」の側面が
際立つ感じがしました。

あと「ゲンスブールと女たち」(11年)
かなり忠実に作られていたんだ、と改めて驚いた。
観たときはイマイチと思ったけど。(笑)すんません。


ちなみに、この“かっけー”宣伝素材の写真を撮ったのは
フォトグラファーの石田昌隆さん。

おなじみ『週刊朝日』「ツウの一見」でお話を伺ったところ
1988年にトーキョーで撮影したもので
その状況は、驚くべき偶然によるものだった・・・そうです。

8月上旬発売の週刊朝日に掲載されますので
どうぞご一読くだされ!


★7/27(土)からBunkamuraル・シネマで公開。ほか全国順次公開。

「ノーコメントbyゲンスブール」公式サイト
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする