声がね、よかったんですよ。
「風立ちぬ」72点★★★★
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1920年代の日本。
飛行機を愛する堀越二郎(声・庵野秀明)は
設計者になるため大学に進学する。
上京の汽車のなかで、二郎は
ある少女と出会う。
その後、大学を卒業し
念願の設計者となった二郎は
軍需産業のエリート技師となり、美しい飛行機を作ることに邁進する。
そして10年後。
二郎は美しく成長したあのときの少女・菜穂子(声・滝本美織)と
再会するのだが――。
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宮崎駿監督「ポニョ」以来5年ぶり(そんなになるか!)の新作。
初めて実在の人物をモデルにした話ですが
現実と夢の世界を自由に行き来し、
もちろん空を飛び
ファンタジックでありつつ、
これまでにない大人の男女を描いていて新味がありました。
126分と意外に長いんですが
展開はサクサクと早い。
いままでの宮崎作品の描写が
そこここに生かされているのが嬉しくもあり。
(「集大成」と感じると、やや寂しくも感じるんですがね(苦笑)
それに
「エヴァ」庵野秀明監督の声が想像以上によい効果!
「トトロ」での糸井重里効果再び、と感じました。
飛行機などの“音”にも注目っす。
あと
地震の描写がすごかった・・・。
と、安定と見応えは十分ですが
飛行機と戦争、という根幹部分はやはりぼかしてある。
「飛行機は必ず戦争や殺戮の道具になってしまう」とわかっていても
「美しい飛行機を作りたい!」と走らずにいられない主人公。
そのアンビバレントな思いを
突き詰めることなく、素直に描いてるので
「もののけ姫」のような
見ているこちらが苦しくなるような突き詰め方はない。
あれは
やるほうも相当な体力がいるのだな・・・と改めて感じました。
でも、お願いですから
まだまだ作って。
突き詰めなくても、いいっすから!
★7/20(土)から全国で公開。
「風立ちぬ」公式サイト