ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮

2013-04-24 23:11:51 | ら行

さあ、マッツ・ミケルセンですよ!(笑)


「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」69点★★★★


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1766年、デンマーク。

英国王太子の娘カロリーネ(アリシア・ヴィカンダー)は
デンマーク王・クリスチャン7世(ミケル・ボー・フォルスガード)のもとに
嫁いでくる。

だが夫となった王は精神不安定で
無礼な振る舞いをする男だった。

がっかりしたカロリーネは
失意のまま王の子を出産し、孤独な日々を送っていた。

そんなとき
夫がドイツ人医師ストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)を
王宮に連れてくる。

侍医となったストルーエンセは
やがてカロリーネと出会い――?!

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デンマークでは誰もが知っているという
デンマーク王室最大のスキャンダル史実を

ラース・フォン・トリアー製作総指揮、
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(スウェーデン作品のほうね)の脚本家が監督した作品。


で、うーむ力作・・・・・・ではあるんですが
「すげえタイトル」と思ったものが
あながち外れてないのがいいのか悪いのか(笑)

デンマークの歴史を知ったのはよいんですけど
「ホントにホントの話?」と言いたくなる内容なんですよね~。

18世紀後半、
理不尽な政治と貧困にあえぐデンマーク国民を
自由にしようと願った
ドイツ人医師(マッツ・ミケルセン)。

頭の弱いデンマーク王をうまくコントロールし、
国民によき方向へと改革を進めた……のに、
王妃と恋に落ち、全てが崩壊してしまう……。

愛欲ドロドロ話ではなく、
高潔な理想と国家の改革、という気高きストーリーが軸にあり、
最初はそこに好感が持てるのですが、

いざ関係を持ってしまえば
やはり溺れざるを得ないのが男女のさが・・・というやつなんでしょうか

次第に「国なんてどうでもいい」と
流れていく水は止められない。

そこのところが
微妙な鑑賞後感となるんですね。

たかが愛のために・・・と思うか
愛こそすべて!と思うか。

見る人の意識に相当寄るんじゃないかなあと。


いいところはたくさんあって
自然光を生かした絵に
スーラーの絵画のような美しい風景シーンがサッとはさまり、息を飲むし、

マッツ・ミケルセンの存在感はもちろん
カロリーネ王妃役のアリシアは
「アンナ・カレーニナ」にも出演した注目女優だし

ちょっとお弱いデンマーク王役の
ミケル・ボー・フォルスガードもなかなかよい。
本作が映画初出演にして
ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)を受賞したそうです。

★4/27(土)からBunkamuraル・シネマほか全国順次公開。

「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」公式サイト
コメント
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