さまようようで、謎かけのようで
やっぱりよくわからなかった(笑)
「ホーリー・モーターズ」60点★★★
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高級リムジンに乗り込む
主人公の“オスカー”(ドニ・ラヴァン)。
最初は銀行家だと思うが、
実は俳優らしい。
運転手のセリーヌ(エディット・スコブ)と
ときどき会話を交わしながら
オスカーはリムジンのなかでメイクをし、衣装を替え、
次々に別の人物に成り代わっていく――。
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レオス・カラックス13年ぶり(!)の長編です。
オムニバス映画「Tokyo!」(08年)のなかの「メルド」に
近い雰囲気はありますが
う~ん、なんとも形容しがたい、不思議な作品というしかない(笑)
いくつもの短編をつないだようでもあり、
全てがもの悲しく、苦しげで
「過去」を感じさせます。
正直、第一回遭遇としては
「よくわからなかった。でもシーンは焼き付いている」なんですよねえ。
冒頭、カラックス本人が登場。
そして
夢の中のような映像に引き込まれ、
一転してパリの街を流す巨大リムジンになる。
乗っている男は俳優らしく
あるときは銀行家になり
あるときは老婆として橋の上で物乞いをし
なんとメルドにもなる(笑)
1日に何役もこなす彼の
どれが本当の人生なのか?
次第に虚実が曖昧になっていく・・・という展開。
おそらく全てが「役」であり
監督は主人公に
「なにかをやり直したい」「人生を何度も生きたい」という
叶わぬ願望を体現させているのかなア。
考えどころはたくさんあり、
ちょっと1回では理解できず
途中でガクンと睡魔が!カラックスなのに・・・
そんなワシに助け船を出してくださったのが
おなじみ『週刊朝日』の「ツウの一見」でお話を伺った
作家の桜井鈴茂さん。
桜井さんの
「こういうことじゃないかな」に
なんとなくモヤモヤが溶けて
ひざをポンッ!でした。
来週発売の『週刊朝日』に掲載されますので
これは必読、かもしれませんぞ。
★4/6(土)から渋谷ユーロスペース、新宿シネマカリテほかで公開。
「ホーリー・モーターズ」公式サイト