ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

メッセージ そして、愛が残る

2010-09-24 22:09:36 | ま行

ジョン・マルコヴィッチの存在感が
どでかいですね。

「メッセージ そして、愛が残る」68点★★☆

フランスで120万部突破という
ベストセラー小説の映画化です。


NYの敏腕弁護士ネイサン(ロマン・デュリス)は
ある事情から妻クレア(エヴァンジェリン・リリー)や娘と別れ
空虚な日々を送っている。


ある日、彼のもとに
医師と名乗るケイ(ジョン・マルコヴィッチ)が訪ねてくる。

ケイは自分の特殊な能力について語り出した。
「私には死期の迫った人間がわかる」

はあ?
胡散臭いケイにお引き取り願うネイサンだが
次第に、ケイの言葉が気になってくる。

ケイは自分に何かを伝えようとしているのか?
いったい何を――?


リー・ピンビンの叙情的で美しい映像にのせて
静かに始まる冒頭から突然の衝撃、
そしてまた静とショックの緩急が続き

終始落ち着いた語り口ながら
どこか不安な予感がつきまとう印象。


「死」についてとことん考えさせ
“いまの生を正しく享受せよ”というのが
作品を貫くメッセージですね。


非常に哲学的な示唆をしながら
「シックスセンス」的ミステリ娯楽の要素もあり
最後に「えっ」という驚きがあります。


ジョン・マルコヴィッチが
謎めいた導き役に適任。

ただ彼の言葉や行動が少々、思わせぶりすぎて
序盤から中盤にかけて
相当にまどろっこしくもあるんですが

それもラストを迎えるころには
「ああ、この経過も必要だったんだな」と
納得できるものでありました。


ジョン・マルコヴィッチの言う
「死とは水平線で見えなくなる船のようなもの。
見えなくなっても、いなくなったわけじゃない」
のセリフは名言だなあ。


ただテーマがテーマだけに
最近身近な人を亡くした人にはつらいと思う。
愛猫との最期の瞬間を思い出して
涙してしまいましたハイ。


★9/25からTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開。

「メッセージ そして、愛が残る」公式サイト
コメント (2)
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