ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡

2010-09-08 20:12:35 | は行
音楽がいいので
まずは先入観ナシで見て欲しいと思います。

「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」81点★★★★


アフリカ、コンゴの首都キンシャサの路上で
生活する障害者バンドのドキュメンタリーです。


障害者バンドったって
暗いとこなんかまるでナシ!
とにかくメンバーは明るくタフで前向き。
で、音楽がサイコー!

彼らの音楽は
まさに「社会の底辺での体験」から生まれてくるもの。

ビートも歌詞の中身にも
誰の心にも響く豊かさがあってスゴイ。

「人生には運の回る日ってのがある」
とか


「昨日はトンカラ=段ボールで寝たオレが
今日はマットレスで寝てる。

これはお前にもあり得ることなんだ。
人生に遅すぎることは絶対ない

なんてね。

こういう歌を聴いて
暴力や貧困にまみれた路上の人々は
共感し、勇気をもらい

ストリートチルドレンたちは
「ああ、ギャングに入っちゃいかんのか」と
学んだりするんです。

まさに路上の父であり、教育者。


空き缶に一弦張っただけの楽器を自在に操る
天才少年などなど

ゴミためのような環境で輝く
ダイヤモンドな才能に感激します。
すごすぎる!


この映画を撮ったフランス人監督たちの尽力で
彼らの音楽は世界に知られ、
いまや世界30カ国をツアーしてまわる人気者に。

日本ツアーも始まるのでぜひ!
詳細はこちら
ワシも行く予定。


ちなみにバンド名の
ベンダ・ビリリとは「外側を剥ぎとれ」という意味。
中身を見ろ、というメッセージか。
センスいいね


★9/11からシアターイメージフォーラムほか全国順次公開。

「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」公式サイト


で、映画を見て興味をひかれたら
コンゴという国の状況についても
知りたくなると思います。

今週の「週刊朝日」(9/17号)ツウの一見に
JICA職員でキンシャサ事情に詳しい
飯村学さんのお話載せてます。


すごくためになると思います。

また発売中の「AERA」(9/13号)には
監督インタビュー記事も載ってます。


いかに現地がヤバいところか
わかると思います。
ぜひ合わせてどうぞ!
コメント (4)
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