ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

恋愛戯曲 私と恋におちてください。

2010-09-25 14:24:53 | ら行
深キョンはカワイイですけどね。


「恋愛戯曲 私と恋におちてください。」50点★☆


鴻上尚史監督が
2001年と06年に上演された
自身のヒット舞台を映画化したものです。


売れっ子脚本家の谷山(深田恭子)は
新ドラマの脚本が一文字も書けず
スランプに陥っていた。

そんな彼女のもとに
プロデューサー向井(椎名桔平)が送り込まれる。

「書いてもらうためならなんでもします!」という向井
谷山はこう言う。
「じゃあ、私と恋におちて」

えええ~??センセイそれはちょっと……というお話。


思ったよりクスッと笑いもありましたが

深キョン×椎名桔平という
主演キャスティングのビミョーさを覆す、とまでは行かなかった。


いや、椎名桔平はコメディけっこう
がんばってるんですが
やっぱり役者の化学反応の火薬不足ってやつでしょうか。


舞台っぽいのも承知の上だったし
深キョンの衣装替えも楽しいけど

いろんな意味でイメージ通りなのが惜しい。


ただ
現在進行形のドラマのなかで
谷山が生み出すドラマが演じられ
さらにそのなかでまた舞台劇が演じられる、という

入れ子構造に工夫があり
かつ
うまくさばいているとは思いました。


作家の生みの苦しみを
自分自身を投影させたような主人公に託す、という点でも

スケールは小さいけど
テーマとしては
「脳内ニューヨーク」といえなくもない……か?


遅々としてゲンコーが進まない谷山に
向井が「時間がないんですから(そのなかで精一杯の)」的発言をして

谷山が
「あなたは本気でクリエイティブをしようと思ってない!」
激昂するシーンがあるんですが

コレなんか
物作りの末端に関わる一人として
結構身にしみました。


モノ作りに携わる人、業界関係者などには
特にツンとくるものあるかもしれません。


★9/25からヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開中。

「恋愛戯曲 私と恋におちてください。」公式サイト
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする