ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

クレイジー・ハート

2010-03-26 02:27:54 | か行
ようやく見たぞー
今年のアカデミー賞主演男優賞作品

「クレイジー・ハート」68点★★☆


オスカー受賞のジェフ・ブリッジス
確かに歌、うまっ!


彼が演じるのは
かつての人気カントリー歌手。

しかし57歳になった彼は
地方のうらぶれたステージを
ドサ回りする日々で

に溺れ、ステージはグダグダ。


そんな彼がサンタフェで
地元紙の記者ジーン(マギー・ギレンホール)に出会い
久しく忘れていた“愛”
目覚めていくが・・・という話。



ジェフ・ブリッジス、
歌だけでなく
しゃがれて、潰れて、枯れかけた
オヤジの色気をムンムン出してます。


まあサブキャラのコリン・ファレルも
歌、うまっ!
びっくりしましたけどね。


しかしですね~
どうも“映画”として心に響いてこんのです。


ストーリーもエピソードも
なんかどれもが
「見たことある感じ」で新味がない。

なおかつ
いいことも悪いことも
どうもトントン拍子に進みすぎる。


過去の栄光を背負ったうらぶれ中年男

運命の女性と出会う

無理がたたって病気

実の子どもにン十年ぶりに連絡


・・・などなど
ほらアイテムのひとつひとつが
いちいち定石なんですよ。


これじゃまるでミッキー・ロークの「レスラー」と
同じじゃないですか。

それならミッキー・ロークの
くたびれ加減のほうがホンモノだったよー

あーこれなら
返す返すも彼に去年のオスカーを
あげて欲しかったなあ。←しつこい。


しかしながら
これが高評価、となると

言っちゃなんですが
どうもアメリカ人の心のひだは
日本人より幅広~くできてんじゃないかと
思わざるを得ないです。


「幸福の黄色いハンカチ」
「イエローハンカチーフ」みたいなね。

まあカントリーはアメリカ人の心の演歌っていうし
日本人にはわかりにくい感覚が
あるのかもしれませんね。

ともかく歌は聞き応えあり、です。


★6月からTOHOシネマズシャンテほかで公開。

「クレイジー・ハート」公式サイト(まだ英語版です)
コメント (2)
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