ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

運命のボタン

2010-03-28 18:58:25 | あ行
起承転結の「起」だけで
破綻していくSFを見るほど
つらいものはない・・・


「運命のボタン」41点★


1976年、米ヴァージニア州に住む
ノーマ(キャメロン・ディアス)のもとに
奇妙な赤いボタンのついた箱が送られてくる。

それはなんと「運命のBOX」。

「ボタンを押すと
あなたは現金100万ドル(約1億円)を
手にすることができる

「ただし、世界のどこかで
あなたの知らない“誰か”が死ぬ
というものだった。

家計に苦しむノーマはボタンを押すのか?

そしてもし、あなたなら
さあ、どうする??


なんだか「デス・ノート」みたいな話ですが
掴みはすごくおもしろい。


それもそのはず
原作は「アイ・アム・レジェンド」の原作者でもあり
あのレイ・ブラッドベリに
「20世紀で最も重要な作家の一人」と言わせた
リチャード・マシスン。

ただし
原作は謎が残されたままで

それを35歳の監督が
自分なりの結末や謎解きを加えて映画化した・・・
というワケなんですが

それが
あまりにもおそまつ・・・


ボタンを前にした人間の葛藤はおもしろいけど
その後に
火星探査やら、妻ノーマの過去の秘密など
いろんな“ありもの”パーツを散りばめ

あげく
「どこへ行くんだこの話?」・・・となってしまう。

プールのシーンとか、CGも
なんとなく「スピーシーズ 種の起源」(95年)を思い出させ
(たしかこんな場面があったハズ・・・)
ちょいB級テイストだしなあ。


キャメロン・ディアスで釣り、
意味ありげに煽った分
罪は重いぞー。


で、もしウチに箱がきたらって?
・・・いや、押さないでしょう。面倒はごめんですー


★5/8からTOHOシネマズみゆき座ほか全国で公開。

「運命のボタン」公式サイト
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする