奄美ロングステイ

奄美の自然の中でロングステイのできるペンションを作りました。毎日のできごとを紹介していきます。

かまきりの鎌田君

2009-08-13 17:08:25 | 奄美の自然
自然が豊富な奄美に住んでいると、虫とは無縁ではいられない。
加えて寝起きしている小屋は風通しをよくする為に、昼も夜も窓や戸を開けっ放しにしている。
エアコンは使わないから・・。
したがって虫たちは我が家には出入り自由である。(一応網戸は閉めているけど)

そんな中でこちらとしても、血を吸う蚊・育てている大事な野菜につく虫・フンをするゴキブリ
以外の虫とは仲良く暮らしていこうと考えている。

カマキリの鎌田君も友達の一人だ。(むこうがどう思っているかは知らないが)
2週間くらい毎日顔をあわせていると情が移ってしまった。





小屋の中のいろんな場所で獲物を待って、じぃっと構えて動かずにいる
本当に長い間動かない。その辛抱強さには感心してしまう。
あまりに成果がないと、体をゆらゆらさせて風にゆれる枝に擬態する工夫も忘れない
大体1ケ所2,3日で待ち伏せ場所を変えて歩く

そしてこの鎌田君、結構どんくさいのである。





ある日彼はカウンターの背にある窓の網戸で獲物を待っていた
蛾がそばに来たのでこれを狙うのかと、こちらもじっくり観察する事にした(なにせ時間はたっぷりある!)

これがテレビ番組だったら20秒で獲物を捕まえてくれるのだが、現実はそんなにうまくはいかない
結局2時間以上の時間が、二者の間が近付いたり離れたりで、何も起こらないまま過ぎ去った





その内に小さなハチが窓にとまり、吸い寄せられるように鎌田君のほうへ近付いていった
その瞬間、今までじぃっとしてた鎌田君は目にもとまらない早さで獲物に襲いかかり
その大きな鎌でガシッと押さえ込んだ

これから目の前で厳しい弱肉強食の自然のドラマが展開される、はずだった・・・





その時は何が起きたかわからなかったのだが、多分この瞬間にハチの逆襲の一刺しをくらったのだろう
あっという間に獲物を放り出してしまい、ハチは一目散に飛んで逃げていった
ドキュメント番組でしか見たことのない光景に興奮していたが、あっけない幕切れにがっかりしてしまった





そして獲物を逃した鎌田君は窓の隅でいつまでもいじけていた


今、彼は元気で狩りをしているのだろうか