アメリカに住む母から電話があった。
「赤い紙がきて捨てるなって書いてあるから電話をしたのよ」
「あらそう~」
「契約するのに日本人をよこしてくれって言ったんだけれど」
「ふ~ん」
「いったい なんの契約?」
「わからない」
「えーーーそれで」
「スパムかと思ってキャンセルしようと思うの・・」
「あっそう」
「私 息子が他人に言ってはいけないというナンバーを教えちゃったのよ!」
「なんのナンバー?」
「そーしーきゅうナンバー」
「なにそれ?」
「日本だってあるでしょ?年金もらったりするナンバーよ」
この時点で いったい なんのナンバーかわからなかった。
アメリカの弟に聞いたけれど 私の英語力が不足で伝わらない。
個人情報のナンバーかしら?
母に聞くと たどたどしく『そうしきゅう』を繰り返す。
給与の総支給額なんかの言葉を思い浮かべて・・ あぁ もうわからないと思った。
とにかく 弟には、母にハプニングが起きたので 彼女に電話をしてくれと短い英語にしたら
それだけは伝わったみたいだった。
ちなみに弟は、バカか!と言ったらしい。
私は、根気よく 二日以上かけて聞いた事柄を全部 つなげてわかったことが・・
たぶん こんなことだった。
どこかの会社がダイレクトメールをもっともらしいお手紙で郵送し 見た母が電話をした。
そして 調べた結果 日本語では、社会保障番号 英語では『ソーシャルセキュリティーナンバー」かもしれないと検討をつけた。
これは今後大変だなって思って なぜ他人にソーシャルセキュリティーナンバーを言ってはいけないか説明をしたところ
「なによ なりすまし詐欺って!」そんなことから始まった。
しかもだ アメリカは、サインがないとダメな国だから ナンバーを教えたぐらいどうってことはないんだと反論された。
おまけに 自分が教えたソーシャルセキュリティーナンバーは、捨ててねと言ったから大丈夫だという。
そんな強気な発言をするくせに 毎日 なんだか心配で眠れないという。
私は、出来事がおきてから考えたらいいんじゃないって思う質なので噛み合わない。
最後に「今後、何か決めるときには、弟に相談したらどうかしら?」という提案も却下された。
「子供じゃない!」だった。
そこで思った。
ふむ~ 日本の『成年後見人制度』って もしかしたらすごくいいかもしれない。
私は、騙されないという人ほど騙されやすいなってつくづく思う。
『ソーシャルセキュリティーナンバー』の知識がなかったのは、恥ずかしい。
木製パレット屋のつぶやき