連休中に友が来た。
彼女は、病気だ。
だんだん弱っていって 両足は、リンパ浮腫であう靴がなかなかみつからない。
仙骨のガンが痛くて 思うように歩けない。
今年に入って 4度も腸閉塞で入院した。
そんな友が娘夫婦に送られて 車椅子と杖を持ってやってきた。
「コストコとアウトレットへ連れて行って!」
「えーーー」
「あんたね 最後かもしれないんだから連れて行ってよ」
二日にわたって 通うことになった。
軽いのかと思った車椅子は、車に乗せるために持ち上げたら重かった。
目的のない買い物がとても苦手な私は、またまた 露骨に嫌な顔をしてしまっている。
「まだーーー?」
なんて 優しくないのだろうと思う。
「あんた うるさいから出入り口で車椅子に座っていなさい!」と
友は、杖でよろよろ店内へ入った。
言われたとおり 大バカ者の私は、車椅子に座って待ったが・・
心配になって 店内へ様子を見に行くと なんと毛皮のコートをはおった友が鏡にむかって
ポーズをきめていた。
何をやっているのよ!とハハハと笑いながら涙がでそうになった。
この先 一人で出歩くことも コートを着る場面もないだろうとそう思ったからだ。
「次 行こう!」
「あんた 車椅子に乗りなよ。押してみたいんだ」
「大丈夫なの?」
「少しね」
言われるままに 車椅子にのって私は、押してもらった。
「恥ずかしくない?」
「ぜんぜん」
「皆が見ていくでしょう?」
車椅子の視線は、人のお腹のあたりで周囲の景色が変わってみえた。
そして 向かってくる大勢の人にぶつかりそうできがきではなかった。
ほどなく交代したが・・
その後 昼時のフードコートは、車椅子ではテーブルの間が狭すぎて通れないし
なにより 目的の場所に並んで食べ物を買い求めることは無理だった。
「今度来るときは、お弁当をもってこよう。今日は、飲み物ととりあえず甘い食べ物で空腹を満たそうね」
「また これるかな?」
「もちろんよ!私は、嫌だけれど つきあってやるわよ」
※彼女には、車椅子を動かす体力がなかった※
「私 元気になったような気がしない?」
「うん 小康状態かな・・」
「あのさーあばら骨がみえだした」
夜 タバコをスパスパやりながら小さなビールとお酒が一合
サンマの塩焼きをおいしそうにつついていた。
「おいしいね ずいぶん食べたでしょう?」
しかし 食欲は、ないようだ。
「冷たいビールをぐいっと飲んで 考えないで食べ物をバクバク口に入れてみたいよ。あとね寝返りがうちたい」
寝返りかぁ~
寝返りがうてないのは、つらい。
残念なことに 昨晩 友は、また入院したそうだ。
木製パレット屋のつぶやき