野田首相が4日、京都で開催のILOアジア太平洋地域会議で、わが国の社会保障政策について演説した。演説の要旨は「中間層を厚くする社会を実現する」とした。なぜ、中間層が総じて低所得層になってしまったのか。突き詰めて考えれば、労働の規制緩和にある。
規制緩和によって低賃金の非正規雇用は、全労働者の3分の1を超えた。これによる賃金抑制効果は大きく、大企業の内部留保は250兆円を超え、笑いが止まらない現象が続いている。売上高や売上利益が減っても、簡単にリストラすることで、利益が計上できるようになったからだ。
大企業だけが利益を独占する、ゆがんだ構造でいいはずがない。中小企業や零細企業の経営は苦しい。苦しいからしわ寄せが中間層に集中した。また、低所得層の底上げはどうするつもりか。言及しないことは置き去りにするつもりか。内部留保にどんどん課税することも悪いことではない。富を再分配することに遠慮は要らない。
そもそも野田首相は演説のとおり、本気で政策を遂行する気があるだろうか。厚労省あたりの役人が書いた、原稿の「棒読み」ではなかったのか。
つい先日も「登録型派遣の禁止」や「製造業派遣の禁止」法案を、自公の抵抗で法案成立を見送った。国民があれほど望んでいた法改正に応えようと、民主党がマニフェスト化していたものだった。重大な公約を捨て去る野田政権。理想ばかりで現実と矛盾するILO演説。総花的過ぎる演説では、人の心を打つものはない。
規制緩和によって低賃金の非正規雇用は、全労働者の3分の1を超えた。これによる賃金抑制効果は大きく、大企業の内部留保は250兆円を超え、笑いが止まらない現象が続いている。売上高や売上利益が減っても、簡単にリストラすることで、利益が計上できるようになったからだ。
大企業だけが利益を独占する、ゆがんだ構造でいいはずがない。中小企業や零細企業の経営は苦しい。苦しいからしわ寄せが中間層に集中した。また、低所得層の底上げはどうするつもりか。言及しないことは置き去りにするつもりか。内部留保にどんどん課税することも悪いことではない。富を再分配することに遠慮は要らない。
そもそも野田首相は演説のとおり、本気で政策を遂行する気があるだろうか。厚労省あたりの役人が書いた、原稿の「棒読み」ではなかったのか。
つい先日も「登録型派遣の禁止」や「製造業派遣の禁止」法案を、自公の抵抗で法案成立を見送った。国民があれほど望んでいた法改正に応えようと、民主党がマニフェスト化していたものだった。重大な公約を捨て去る野田政権。理想ばかりで現実と矛盾するILO演説。総花的過ぎる演説では、人の心を打つものはない。