活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

 「専ら派遣」規制強化はその場しのぎ

2008-07-27 22:09:14 | Weblog
グループ内派遣に上限 8割を軸に調整、厚労省方針(朝日新聞) - goo ニュース

名の通った大企業が、自社および関連会社の、人件費を削減だけの目的に作った派遣会社は、まったくグループと関係ない企業に、人材派遣することがないため、最初から違法を目的に、設立された派遣会社といえます。


この一見、合法に見せかけた受け皿会社があるため、正社員として採用すべきところ、非正社員で採用してみたり、逆に、正社員を非正社員に置き換えることが容易にできる、経営者にとってはまことに都合よく、意のままに振舞えることが許されてきました。

こんかい厚生労働省が、この労働実態を是正するため「専ら派遣」を8割まで認めるとの方針を出しましたが、広く「専ら派遣」が蔓延してしまっているため、いきなりこれを規制することは、企業にデメリットが大きいと企業サイドに立って、苦し紛れの選択をしたといえます。だから根拠がいかにも薄弱で、説得力はどこにもありません。「大企業に弱い」厚労省といわれるゆえんです。

厚労省はこの違法状態を早くから認識していながら、必要な査察や指導を怠り、野放しにしてきました。ただただ、指をくわえて見過ごしていたのです。

この種の便宜上、設けられた派遣会社は、法律で禁止された「自己取引」にあたります。いまごろになって、厚労省は世論の批判をかわすため、規制強化に乗り出しましたが、その場しのぎの対策をしているに過ぎません。

年金や医療といい、国民生活を脅かし続ける、この役所は一体どこに目を向け、仕事をしているのでしょう。バカな役人たちがそろったもので、心底あきれるばかりです。